学生団体を立ち上げた22歳が語る、仲間集めで大切にした覚悟

大学三年生だった春、私は思い切って学生団体を立ち上げることを決意しました。当時22歳、周りには同じように団体を立ち上げる友人が何人もいて、勢いだけで動き始めた部分も正直ありました。しかし活動を続けていく中で、仲間集めほど難しく、奥深いものはないと痛感しています。立ち上げから二年たった今、あの頃自分が一番大切にしたかったことは何だったのかを、改めて言葉にしてみたいと思いました。

団体を立ち上げたばかりの頃は、友人やサークルの仲間といった顔見知りに声をかけることが中心でした。「面白いことをやりたい」と声高に語る自分が格好いいと思っていた節もありましたが、実際には反応は芳しくありません。「忙しくて無理」「サークルと掛け持ちは…」という言葉が次々と返ってきました。最初は自分の伝え方が悪いのかと考え、何度も文章を書き直したり、勉強会のような形で人を集めてみたりしました。

最初の半年で気づいた現実

最初の一ヶ月は、新歓のタイミングと重なっていたこともあり、そこそこの人数が興味を持ってくれました。ところがその後に続く定着率の低さは予想以上でした。二回目のイベント、三回目の活動と続けていくうちに、連絡が来なくなる人が続出したのです。

数字として目の前に突きつけられると、感情だけではどうにもならない現実を痛感します。「来てくれるはず」と思い込んでいた自分の甘さを、この時期に何度も突きつけられました。華やかな立ち上げの瞬間よりも、こうした地道な現実の連続こそが、団体を運営する上での本当のスタートなのだと、身をもって知りました。

現実を受け入れたとき、自分の中で小さな変化が起きたのを覚えています。数字を追うことよりも、長く関わってくれる一人ひとりの存在を大切にしたい。そう思えるようになってから、初めて「仲間集め」という言葉の奥行きがわかり始めた気がします。

仲間集めで見えた、自分の本当の動機

次に訪れた転機は、自分がなぜこの団体をやりたいのかを深く問い直す時間でした。「大学生活を充実させたい」「就活で何か語れるものがほしい」といった上辺の理由を一つずつ剥がしていくと、根っこにあったのは「同じ熱量で語り合える場が欲しかった」という素朴な願いでした。

この気づきを得てから、団体のコンセプトを根本から書き直しました。活動内容そのものよりも、「どんな場を作りたいのか」「そこに関わる人にとって、どんな時間になるのか」を言葉にする作業に時間をかけたのです。自分の中に芯ができると、不思議と外部への伝わり方も変わっていきました。曖昧な熱意ではなく、明確な理念に惹かれて人が集まるのだと、身をもって知りました。

当時のノートを読み返すと、何度も何度も同じ言葉を書き直していた記憶があります。言葉にする作業は苦しいものでしたが、だからこそ、輪郭がはっきりとしたビジョンを持てたことは大きかったと感じます。この過程を経たことで、ようやく胸を張って「この団体はこういう場所だ」と語れる自分になれました。

言葉よりも、まず行動を共にする

団体の規模を急いで拡大しようとした時期もありましたが、それは長く続かないとすぐに悟りました。代わりに、新しいメンバーや興味を持ってくれた学生と、必ず一度ずつ直接話す時間を作ることをルール化しました。カフェで一時間、時にはオンラインであっても、对方の大学生活や将来の話を聞く場を設けました。

この積み重ねは決して効率が良いとは言えません。とはいえ、この対話を通じて、団体の理念に共感してくれる人は必ず存在するし、その人たちと長く活動を続けていけることを学びました。人数こそ増えなかったものの、残ってくれたメンバーとは確かな信頼関係で結ばれることができました。小さな組織であっても、想いが通じ合う仲間がいれば活動は前に進むのだと、今なら胸を張って言えます。

実際、その後の活動ではコアメンバーとして活躍してくれた学生が何人もいました。彼らは華々しい経歴の持ち主だったわけではありませんが、志を共にする者同士として確かな絆で結ばれていました。少人数でも濃密なコミュニティを作ることは可能であり、むしろそのほうが活動の本質に近づけるのではないかと、今では確信を持っています。

仲間集めで見えてきた、必要な努力

団体を運営する中で、「仲間集め」と「仲間との関係構築」はまったく別のスキルだと気づきました。前者は情報発信やイベントの企画、後者は日常のコミュニケーションや感謝を言葉にすること。どちらも疎かにすると、団体はすぐに空気が悪くなります。

特に意識したのは、自分がリーダーだからといって上から目線で接することの危うさです。22歳の私より年下の後輩もいれば、社会人経験豊富なメンバーもいます。誰もが対等な立場で議論できる空気を作るために、自分がまず弱さをさらけ出すことを意識的に始めました。失敗談を包み隠さず共有する、分からないことは素直に質問する。そうした小さな姿勢の積み重ねが、他のメンバーにも安心感を与え、自由闊達な議論が生まれる土壤になりました。

地道な努力を続けていると、嬉しい変化が見えてきました。メンバーから自発的に新しい企画の提案が出てくるようになったのです。一人の熱意から始まった組織が、関わる人それぞれの色を纏いながら、少しずつ自律的に動き出す。この感覚は何物にも代えがたく、22歳の私にとって何よりも大きな学びになりました。

ぶつかった壁と、乗り越え方

活動が一年を過ぎた頃、最大ともいえる壁にぶつかりました。中核メンバー数名が就職活動や卒業を理由に団体を去ることになり、一時は存続の危機に立たされました。立ち上げたばかりの組織が直面する、典型的な試練だと今では思えますが、当時は目の前が真っ暗になったのを覚えています。

この局面で自分に問いかけたのは、「この団体は本当に必要とされているのか」という素朴な疑問でした。SNSで告知を打っても反応は鈍く、OBOGの先輩にも相談を重ねました。残ってくれたメンバーと一緒に活動を一つひとつ丁寧に見直し、月のイベント回数を減らして内容の質を上げる方向に切り替えました。無理に拡大路線を取るのではなく、少人数でできることを最大化するという選択です。この決断を機に、新たなメンバーが自然と集まるようになり、組織は思わぬ形で再生しました。

今振り返ると、あの危機はむしろ転機でした。活動をスリムにしたことで、一つひとつのコンテンツの質が上がり、参加者の満足度が目に見えて向上したのです。失ったものの大きさは今でも痛感していますが、その経験があったからこそ、今の団体の形があるのだと素直に思います。

22歳が考える、これから団体を作る人への言葉

最後に、これから学生団体やコミュニティを立ち上げたいと考えている人に伝えたいことがあります。それは、「最初の一人目を集めることの難しさ」を過小評価しないことです。理念や想いは後からいくらでも磨けますが、行動を共にしてくれる仲間は、何よりも貴重な資産になります。

私が最も大切にしたのは、結局のところ「相手への誠実さ」だったと振り返ります。相手の話を聞く時間を作る、約束を守る、感謝を口にする。こうした地味な行為の積み重ねが、結果として「この人と一緒にやりたい」という信頼に変わっていくのだと信じています。学生団体を立ち上げたい、けれど仲間が集まらないと悩んでいる方は、繋がリアン のような場で様々な人の価値観に触れてみるのも一つの方法です。

今日一日、あなたの周りにいる大切な人に「最近どう?」と声をかけてみる。その一言が、思わぬ出会いや活動の始まりにつながるはずです。

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