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瀧本哲史氏のゼミがモデル!「進め!!東大ブラック企業探偵団」著者の現役東大生・大熊将八氏インタビュー「いまのテレビ業界は80年代のディズニーに似ている」  -No.504- 東京大学 大熊将八

ニュースアプリ「NewsPicks」で好評だった連載企画、

『進め!! 東大ブラック企業探偵団』が2016223日に書籍化された。


著者は現役東大生、大熊将八さん。

「外食業界は5年後にすべて死ぬ。たったひとつのモデルを除いて。」

「日本の家電メーカー業界は総ブラック化する!?

「目下絶好調なメガバンクはまもなく行き詰る」

「東大ブラック企業探偵団」の男女を主人公に、

ライトノベル風に展開する企業分析小説。

モデルとなったのは、東大に拠点を置く人気の投資分析インカレサークル

「瀧本哲史ゼミ」。

今回は、大熊さんが特に詳しい、コンテンツ業界・ジャーナリズム業界の未来を中心に、話を伺った。

◆大熊将八(おおくま しょうや)

199254日生まれ。東京大学経済学部在学中。

エンジェル投資家・瀧本哲史氏のゼミで投資分析を学んだあと、経済ニュースアプリ・NewsPicksで連載企画「進め!! 東大ブラック企業探偵団」を執筆。並行して前回記事の頃から、デジタル・ジャーナリズム関係者への取材を個人で始める。20152~5月には、クラウドファンディングで取材資金を90万円以上集め、デジタル・ジャーナリズムの最前線であるアメリカ東海岸に「取材留学」した。一方で、中学・高校時代は競泳で国体決勝に進出したり、大学では第59回全日本学生競技ダンス選手権大会(パソドブレ部門)で優勝したりするスポーツマン。身長は192cm。好きな女性のタイプは「変な人」。

「駄馬」=ブラック企業 の見分け方を伝える

「進め!! 東大ブラック企業探偵団」は、どんな本ですか。

「いい企業」「悪い企業」を見分けるための企業分析術を、東大生の探偵団たちの活躍を通して伝えていく小説です。

中国に伝わる逸話で、馬の良し悪しがたちどころにわかる伯楽は、自分の好きな客に名馬の見分け方ではなく、駄馬を見つける方法を教えたそうです。

 

なぜなら、めったにいない名馬を見つけるより、世の中に圧倒的に多い駄馬を見つける能力の方が役に立つことが多いからです。

 

本書では、まだ知られていない名馬=ホワイト企業も数多く紹介していますが、それよりも、その会社が、駄馬=ブラック企業であるかどうかの見分け方を伝えているものだと思います。

今回の本では、外食・銀行・メーカー・マスコミなど、様々な業界の実例をもとに、ブラック企業が発生する原因を分析しました。

 

長時間労働やパワハラなどの事例を取り上げてありがちな批判をするよりも、ブラック化するそもそもの構造に迫り、描き出そうとした内容になっています。

就活生以外でも、「ブラック企業ってそもそもどうして生まれるの?」と関心がある方に読んでいただきたいですし、読みやすいストーリーを通じて、企業分析の面白さを伝えられたら幸いです。

具体的に、どういう会社がブラック企業といえますか。激務=ブラック?

 

必ずしもそうではありません。たとえ超激務でも、高給だったり、転職価値が高かったり、大きな仕事ができたりする、つまりチャンスを社員に開いてくれる会社は、ブラックではありません。

 

私は、チャンスを与えない、社員を育ててより広い機会を与えようとしない会社=ブラック企業だと考えています。


つまり、人材に投資をしてくれない会社=ブラック企業ということですね。

 

いま日本全体で企業が人材に投資する(研修費など)金額は20年前の1/5に減っています。これが一番やばいのではないかと思っています。

(提供:大熊将八)

そういう意味で、日本企業全体がブラック化しています。

どうすれば、「日本企業総ブラック化」を避けることができますか?

グローバル化とIT化と少子高齢化の3つの波に対応することです。

波に乗れないと、賃金を低くしてヒトを使い捨てする業態にしなければ、生き残れなくなってしまいます。

 

逆にこの波を使いこなし、グローバル化・IT化・少子高齢化をチャンスととらえて売り上げを伸ばせている会社は、「ホワイト企業」であり続けます。

それはズバリどういう会社でしょうか!

今回の本に書かれています。業界ごとに述べたのでぜひ、ご一読ください。

書籍化にあたって、NewsPicks版を全面的に書き直しました。


いまのテレビ業界は、80年代のウォルト・ディズニー社に似ている

特に気になるのが、かつて多くの就活生の憧れの的だったにも関わらず、最近は「オワコン」と呼ばれることの多いテレビ業界です。大熊さんは、テレビ業界の未来をどう読みますか。

いまのテレビ業界は、80年代のウォルト・ディズニー社に似ていると思っています。

80年代はディズニー暗黒期と呼ばれていますね。「くまのプーさん」(1977)から「リトル・マーメイド」(1989)までの12年間、ヒット作に恵まれませんでした。

ディズニー社は創始者ウォルト氏のアイデアに依存したコンテンツ力で会社を大きくしましたが、1966年にウォルトが亡くなってから、ヒット作が全く生み出せなくなるんです。

自社でコンテンツを作る力がなくなってしまった。しかし50年代からテーマパーク事業を始めていたため、キャッシュは入ってくるという状態。

いまの日本のテレビと似ていませんか?制作力が落ちたといわれているけれど、放送網も不動産も持っている。潰れはしません。ある種のliving deadです。

新しいヒット作を出すために、ディズニーは何をしたのでしょうか。

買収です。お金があるので、自分で作れなくなったらヨソを買えばいいということです。

 

たとえば、ディズニーは、1991年から共同でCG映画を製作していたピクサー社を、2006年に完全子会社化しました。「トイストーリー」や「モンスターズインク」などのヒット作を生み出したパートナーを買収したのです。

2009年にはコミック会社マーベルを買収しました。「アベンジャーズ」など、マーベルが生み出したアメリカンヒーローを続々映画にしています。

2012年には「スター・ウォーズ」で有名なルーカス・フィルムを買収しました。ルーカス・フィルム単体だったら、何年おきにスター・ウォーズの新作を出せるか分からないけれども、ディズニーが後ろについたおかげで、2017年に次回作、2019年に次次回作の公開が既に決まっています。

いま、ディズニーはコンテンツ企業買収帝国になっているのです。

 

テレビ局もこれからは買収でコンテンツ力を補うようになると?

全く同じとは言わないけれど、これから似てくる可能性はあります。

ディズニーがマーベルを買ったように、テレビ局が大手出版社のコンテンツを手に入れようとする時代が来るかもしれません。

雑誌が低迷し、書籍も儲からず、先行きが不透明な出版社の根源的な強みは、「原作力」です。

 

ヒットしているテレビドラマは原作ものが多いですよね。「半沢直樹」(TBS系)だったり、最近だと「掟上今日子の備忘録」(日テレ系)だったり。

テレビ局が原作力を手に入れるために出版社に手を出すのは理に適っているのではないでしょうか。

 

出版社側にとっても、作品がヒットするかはメディアミックスがうまく行くかにかかっている部分が大きい場合が多いので、メリットは大きいはず。

 

現に、テレビではありませんが、角川は自らを事実上買収させた形で、ドワンゴとくっつきましたよね。

 

ただ、日本の出版社は作家と契約しているだけであって所有しているわけではないので、出版社を買ったからといって作家がついてくるとは限らないのが、アメリカと事情が違うところですね。

出版社以外には、何を買収しそうでしょうか?

ウェブメディアです。

実際にアメリカでは、大手放送会社NBCユニバーサルが、Buzzfeed2億ドル出資したり、ディズニーがVICE4億ドル出資したりしています。

 

「ネットでこれがウケてるらしいけれど、自分たちでは作れない。では彼らを買っちゃおう」という発想です。

極端な話、いまサクッと起業して成功したければ、例えば、スポーツに特化したSNS向け動画メディアをつくって月間100UUを達成すると、テレビ局に数億円で売れる可能性が高いのではないでしょうか。

ウェブメディア側にも買収されるメリットがあります。

 

イケてる新興メディア企業の中には、そもそも、ネットに留まろうという意識がないところもあります。

 

彼らの一部は「分散型メディア*」という考え方を持っていて、TwitterにはTwitterに特化したコンテンツを、FacebookにはFacebookに特化したコンテンツを作るという意識の延長で、テレビにはテレビに特化したコンテンツを作りたいのです。

 

ネットに縛られず、読者のいるところに行こうと考えています。

分散型メディア・・・「読者を呼びつける」のではなく「読者のところにいく」という考えのもと、FacebookTwitterなどのソーシャルメディアに直接コンテンツを貼るメディア。閲覧数を稼ぎ、集めた広告費を収益にする。自社サイト・自社アプリにユーザーを集めて直接課金させるモデルとは正反対である。

自分たちがリーチできない分野は買ってしまおう、というアメリカの流れ。日本のマスコミにその兆しはありますか。

すでにフジテレビがメディアベンチャーに出資を始めました(フジ・スタートアップ・ベンチャーズが20161月、起業家向けニュースサイト運営会社THE BRIDGEに出資)。

 

フジテレビのようなキー局はお金を持っているので、今後どんどんメディアに出資・買収していくでしょう。

 

他の新聞社・テレビ局もCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を持ち、スマホ領域のメディアや広告に投資し始めています。

ジャーナリストから広告ライターへ!?

コンテンツ分野の未来はまだ可能性がありそうですね。一方で、ジャーナリズム分野は先が見えません。

アメリカでも依然として、どんどんメディアが潰れていくし、それでも新しいメディアの参入は相次いで過当競争だし、長期にわたる取材を重ねてスクープしても、あまりビジネスとしては儲からない状況です。

昨年、クラウドファンディングによる取材でニューヨークを訪れ、「アジア・アメリカジャーナリスト協会」(AAJA)というところのメンバーによる飲み会にお邪魔した時は驚きでした。

 

ジャーナリスト協会と名乗りながら、専業のジャーナリストが半分もいない。

 

WSJにいたが今は転職活動中という人、翻訳業との兼業を始めたという人、フリーで細々とビデオジャーナリズムを続けているが生活が苦しいという人……愕然としました。

やはり、マネタイズが最大のネックですよね。そんな潮流にあわせた試みがあれば教えて下さい。

「コンテントリー」(https://contently.com/)という面白いサービスがあります。

 

フリーランスのコンテンツクリエイターと広告主をマッチングするサービスで、5万人以上のジャーナリスト、編集者、デザイナー、写真家などが登録しています。

つまり、ジャーナリストをやめて広告を作るひとになりましょう、という流れが起きています。

たしかに、面白い広告をつくる力はジャーナリストの力と似ているかもしれません。

記事広告を作るスキルとニュース記事を作るスキルには根本的な差はあまりありません。

 

求められるスキルが似ていれば、お金にならない仕事からお金になる仕事に人材は移っていく。ビジネス的には自然な流れです。

広告ってそんなに伸びているのですか。

コンテンツマーケティング*の市場が伸びています。

 

オウンドメディアなどが急速に求められる一方で、アメリカの事例でいえばGEAOLのような企業は面白いコンテンツを作る力を直接は持ち合わせていませんから。

 

コンテンツマーケティング・・・企業が有益なコンテンツを流して消費者を「呼び寄せ」、購買行動に結び付けるビジネス手法。オウンドメディア(ニキペディア、Beauty&coなど企業自前のマガジンサイト)やネイティブアド(一瞬広告か分かりにくいタイアップ広告)が代表例である。

物事を批判的に書くというジャーナリストのプライドとの妥協が難しそうです。

アメリカで知り合った、とある元ジャーナリストの記事広告ライターは

「俺の魂はジャーナリストだ。すべてのものを疑って疑って得た真実を読者に伝えたい。しかし、いまは広告を作るために、『広告主の言うことはすべを疑うな』と言われている。それはすごくストレスだ。」と語っていました。心中察するところがあります。

一方で、別に広告ライターでもジャーナリストでもどちらでも構わないという人は日本にも結構いるかもしれません。

 

何かをより広く伝えたいということだけを信条にしている人であればそうでしょう。特に就活生の段階だと区別自体つかない人もいそうです。

 

有名なWebライターのヨッピーさんは記事広告をたくさん書いていますが、あれを「広告ばっかりやっていて不快だ」と指摘する人はあんまりいないのでは。

 

そう考えると、意外とそんなもんっていうか、深くない話かもしれません。

 

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