椎名さん

 

No.88 

名前:椎名啓太

大学:浦和大学短期大学部介護福祉学科1年

 

facebook:http://www.facebook.com/keita.shiina 

株式会社アウトスタンディング:http://www.out-standing.jp/

 

 

埼玉に『@COLOR(アットカラー)』(http://www.at-c.biz/)というフリーペーパーがあるのをご存知だろうか。株式会社アウトスタンディングと埼玉県内の大学生が共同で制作し、埼玉県内の人や地域、お店を若者ならではの視点で紹介している。

 

最新号では人気読者モデルから起業した株式会社Quaf代表取締役の高村健太氏(公式BLOG:http://ameblo.jp/kt999/ )のインタビュー記事や埼玉県内のドライブデートコースの紹介、大学生男女100人に聞いたお金事情などを取り上げた(最新号の電子書籍はこちら→http://www.at-c.biz/atvol15/index.html#page=1 )。

 

この@COLORの制作メンバー15人のなかで中心的な役割を果たしているのが、まだ18歳の浦和大学短期大学部1年椎名啓太さんだ。

 

 

「フリーペーパーは雑誌と違って興味がなくても知る事ができるものが多い。たとえばファッションに興味ない人は本屋でファッション系の本を読んだりすることもない。でも、フリーペーパーならページをめくってたら必然的に読むと思うんです。だから興味ない人にもリーチできる。そこに自分は惹かれたんです。みんなキッカケがあるはずなのにチャンスがないからそれに気づけていない。だったら自分が埼玉の若者のライフスタイルを刺激するような記事を作ってきっかけを与えたい。そうすることが埼玉県の活性化にも繋がるんです。」

 

 

 

そう語る椎名さんの口調はあくまでも熱い。だが、その口ぶりの裏には人と一味も二味も違う18年間を歩んできた椎名さんの過去があった…

 

 

 

 

 

「生まれてきて現在に至るまで模試など筆記試験を受けたことが一度もないんです。」

 

 

 

三人兄弟の一番下の子として生まれてきた椎名さん。姉が秀才な一方、兄はあまり頭の回転が速くなくかった。そんなこともあって父親に「お前はちゃんとしたとこに就職してくれ!」と昔から言われていた。だが、その忠告もどこへやら椎名さんは中学までひたすら遊んでいたという。

「その日が楽しければいいや!って感じでしたね。田舎だったのでスポーツしたりとか、あてもなく友達とぶらぶらしたりとか。最悪進学もどっか行ければいいな、そのぐらいにしか考えていませんでした。」

 

高校進学の際も「東京に出るチャンス」という理由だけで親に進められた鉄道の学校に進学するも、放課後にカメラと三脚片手に駅へ奔走する多くの同級生の姿に幻滅。1年で辞め2年からは池袋の通信制の学校に通うことに。三ヶ月に一回出席しさえすれば先生がなんとかしてくれる環境で思う存分遊んだ。

「地元の友達は学校に行っていたので通信の自分は夕方起きて、夜中までゲーセン行ったりナンパしたり…みたいな生活の繰り返しでした。」と椎名さんは当時のことを振り返る。

 

 

 

 

やれば出来るじゃん

 

 

 

そろそろ職業を探さなくてはと焦りだした際も父親の「介護は安定でいいぞ」という言葉を頼りに、筆記試験がないところを探し高3の夏前に大学が決定したという。

 

そんな時、椎名さんに転機が訪れる。

「たまたま雑誌を見てたら同い年の子が取り上げられていてすごく活躍している姿が写ってたんです。すげぇなこいつ同い年なのにどこ向いて何考えてんだろ~という思いと、俺はこれまですごく狭い世界で生きてきたんだという思いが交錯しました。」

それ以来椎名さんはこの人に会いたいと思い、ブログに半年間で50回近くメッセージを送った。いっこうに返信はなかったが、9月のある日「卒業イベントをやるのでバンドのギターとドラムを募集しています」という記事が目にとまった。

「友達がプロを目指してバンドをやっていて、自分は昔からそのマネージャーを務めていたんです。友達に一回でいいから大きなイベントを経験して欲しかったので、記事を見た瞬間これだと思って長文のメッセージを送りました。」

100通くらい送られてきたメッセージの中から見事選ばれ、主催側に回った。そのイベントは昨年3月30日に高校生約500人の来場をもってして大盛況で幕を閉じた。

 

 

 

(イベントの様子)

 

 

 

「人生で初めてと言っていいほど大きな舞台で成功して、俺もやれば出来るんだなと思いました。」

 

手振りを加えながらそう語った椎名さんの目は輝いていた。

 

@COLORとの運命的な出会い

 

 

 

イベント終了後大学に入っても5月くらいまでは普通に過ごしていたというが、ある日たまたま浦和で起きた人身事故が契機となった。

「友達とお茶でも飲んで待ってようと思って降りたら@COLORが配られていたんです。それ見てなんとなく『いいな~やりたいな』って思って、配ってる人にその場でやりたいですって言いました。」

この凄まじい決断力と行動力を期に@COLORを発行するアウトスタンディングにインターンという形で関わるようになる。最初はフリーペーパー中心に関わっていたのだが、

「変わりたい成長したいという思いから会社の勉強会や朝礼などにずっと出ていたら成果も出るようになって認められて他の業務も任せてもらえるようになりました。」

と笑みをこぼす。

 

 

 

本当にやる気のある人は必死。

椎名さんはインターン生として働いている一方、昨年の8月から大学を休学した。それには訳があった。

 

「休学したのは仕事をしててくじけた時、大学があると最悪学校っていう保険があるなって思ってしまうと感じたんです。自分はバイトさえも続いたことがなく高校時代30個くらいやって最長で2ヶ月。苦難に直面したとき逃げてしまう、自分は弱いと分かっていたので変わるためには逃げ道を潰さなきゃと思ったのです。」

そうしてより社会人の立場に近くなったことで、椎名さんは社会人と学生の違いが具体的な形で見えてきたという。

「学生と社会人の第一の違いは、数字と現実を見て動いているかいないかではないでしょうか。数字と期限を見て動いてないからなかなか自己実現が難しい。分かりやすい例でいくと地域を活性化させるための学生のフリーペーパとかってあると思うのですが、僕からいうとどこまでいったら達成なのかが不明瞭なんです。発行することによって掲載店舗の利益がこれだけ出たら達成ですという定義づけができてないから軸がブレちゃう。それがないから作ることが目的になってしまっている。何年後にこれをするから1年後にはこれをする、だから今はこれをするっていう数値目標が必要だと思います。そうしないとブレテしまうと思うので。」

そしてこのような定義づけをする際にも鍵がある。「その限界をどこ決めるのか」だそうだ。

「学生というフィールドで見たらみんな活躍してるからすごいと思うんですけど、ゆくゆくは全員社会人になって同じフィールドに立つんだから、枠を超えて貪欲になることが必要なのではないでしょうか。」

 

 

 

加えてさらに求められるのが本気になることと語る。

「結局何をやるにしても、本気でやることが大事なんです。遊びを本気で追求したら仕事になる。世の中の仕事は誰かの遊びから始まってるってよく言うじゃないですか。たとえば飲食店も最初はみんなに食わせてやりたいだけだったものが、もっと多くの人に売ったら儲かるものになっていった。自分が好きなものを突き詰めれば何かしらの形になるのではないでしょうか。」

 

 

(友人達との一枚)

 

 

 

「『椎名啓太』っていう名前だけですごいと思われる人になりたい。肩書きじゃなくて本質で勝負したい。」

 

 

 

 

 

椎名さんは昨年3月に行ったイベントで@COLOR最新号の表紙にもなった高村さんと出会った。

 

その時をこう語る。

 

「すごく単純なんですがこの人すごいと思って、高村さんが起業していたので自分も起業したくなって。でも、なんで数ある選択肢のなかから起業なのか、起業するために何をすればいいのかも分からなかった。」

 

 

 

しかし、やっていくに連れて起業というのは手段でしかないんだなと思い初めた。自分が今やるべきことをしっかりとやり、結果を出して発展させて行くからこそ能力もついて来て、その先に事業部や起業があると考えているという。

 

 

 

「将来的には、自分の名前で勝負できるような人間になりたいです。そのために今年は経理を勉強して営業力・経営力を身につけていくつもりです。」

 

 

 

人間力を磨きながら若者にチャンスの場を提供することで影響を及ぼしていく。人を変えていくのには多大な時間と労力が必要だが「みんなよりスタートが遅かった僕ですらこんなに頑張れるんだから他の学生はもっともっと成長できるはずです。」と自分が変われた経験を謙虚に語った椎名さんは心なしか清々しかった。

18歳の青年の挑戦はまだ始まったばかりだ。

 

【取材・編集】長瀬晴信

 

 

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