宮本祥吾 

 

No.85

 

wAds2011実行委員会 実行共同代表

 

 

 

名前:宮本祥吾

 

大学:日本大学文理学部3年

 

HP:http://www.wadsjapan.net/index.php

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「HIVに感染した方を見たことありますか?」

 

 

 

 

 

HIV・エイズに関する意識喚起のキャンペーンを学生主体で行っているwAds2011実行委員会の共同代表、宮本祥吾さんはまずそう切り出した。

 

日本では現在、統計上1日に4人ずつ新規HIV感染者が増えている。しかし、多くの人は身近にいるHIVに感染した方の存在に気が付いていない気がする。

この現状に真正面から向き合っている宮本さん。その口調はあくまでも冷静だ。

wAds(ワッズ)とは、World Aids Day Seriesというキャンペーンの頭文字をとった略称です。世界エイズデーが毎年12月1日に行われるのに合わせて約2ヶ月間HIV/エイズ意識喚起キャンペーンを行っています。2005年から始まり今年で7年目になります。

 

具体的な活動としては、街頭でインタビュー・アンケート・クイズを行ったり、横断幕やプレートを持って掛け声に合わせて街中を練り歩いたり。他にもワークショップを開いたり保健所主催の行事にお手伝いとして参加しています。また、オカモト株式会社様からご協力頂いて作ったオリジナルコンドームをそれらのイベントで無料で配布しています。保健所・学校・クラブなどでイベントをやった年もあります。

数多くの啓発活動を行っているwAds。その理念は「若者から若者へ」。

若者は特にどうしても当事者意識がない。存在することは知っていながらよくわからないと片付けるのではなく、「自分達の問題だよ。」って一人ひとりにわかって欲しいんです。

 

確かに学校とかでもエイズについては教わると思うんですけど、残念ながら年上の方に「お前ら気をつけろよ~」って言われても上手く伝わらないことが多いと思います。そうなら、同じ年代の若者である自分達が検査に行くことを勧めたり性行為をする時はコンドームを付けようよと呼びかけるほうが効果高いのではないか。HIV感染の約9割は性感染で、特に若者の間での感染が大半を占める。だからこそ同年代の自分達の活動に意義があるんでしょう。

このような理念を掲げているため、wAdsでは呼びかけることだけでなく予防啓発に取り組む全国の若者同士の繋がりを作っているという。

wAdsが出来る前は全国各地で他団体が同じような活動を点々とやっていたんです。でもお互いの存在を知らなかったがために、影響力のあるイベントが出来てなかった。そんな人材・ノウハウ不足等の困難を乗り越える団体としてwAdsが誕生したんです。主催イベントだけでなく連携イベントとして、他団体と数多くのイベントを共催することによってより多くの若者や社会を巻き込んでいくことが出来る、と考えています。

 

 

 

 

 

 

目指すものは新規の感染者を0にすること。

 

めざしているものがそれであることはずっと変わらないです。新規感染者を無くすためには意識改善はもちろん検査機関の充実もあったり、感染した方への理解の輪を広げることが大事だと考えています。というのも、HIVに感染した方を見たことありますかという質問に対して見たことがあるよって言う人はほとんどいない。でも街を歩いてるなかには少数ですが絶対といえるくらいの確率で、感染した方を見かけているはず。目に見えないからそれによって少し、HIVに対する偏見があったり、怖がって避けてしまう。感染した方も理解が普及してないから感染したことを言いづらい。そういう根本的なところを変えていくことがこの問題の解決に繋がるのではないかと思うんです。

HIVに感染したら死に至る病気なのか

そこが大事なのですが、現在の日本ではほぼ死なない病気なんです。感染しても5~10年は普通症状が発生しません。確かに、投与をしないとエイズを発症してしまう可能性もあります。でも、薬で防ぐことが可能です。死ぬことはなくて、ちゃんと真っ当な人生が送れるんです。すぐ死ぬような病気ではありません。ただし、感染したことに気づかないと自分以外の人にうつす可能性もあります。

 

 

 

 

 

死なない、でもうつす可能性がある。だからこそ支援を促すのが大事になってくる。

 

 

(宮本さんのカバンについているケースは、実はコンドーム専用ケース。若者の一部にはコンドームを財布の中に入れる者もいるが硬貨などとの摩擦によりゴムが劣化する可能性が高く安全性に問題がある。このケースはファッションの一部として安全に取り入れることが出来る。)

 

国内のHIVやエイズの現状

日本は新規HIV感染者数がある程度少ない水準なのですが年々感染者が増えている状況です。でもその多くの原因が性感染だと判明しています。原因が分かっているんだったら解決に近づけるはずなんです。

宮本さんが考える解決策とは?

東京都では毎日どこかの保健所等で無料・匿名で検査をやっている。でも、保健所は敷居が高いというか行きにくいと思うんです。どうやったらコンビニやマクドナルド等に行くのと同じように身近な存在になるか。教科書で訴えかけることも大事だと思うんですが、より身近に感じてもらうためにはまず学生自身が動く。学生と保健所が連携して楽しそうにやることも大事なのでは?

ふとしたことがきっかけ

去年の代表が大学の友達だったんです。9月末にその友達といた時何かの書類を書いていてなんだろうと思って聞いてみたんですよ。それがwAdsでした。そのとき自分はちょうどボランティアに興味があって、ミーティングに参加してみることに。そうしたら、その場で話されていたことが当時の自分からしたら別世界だった。その後、実際にイベントに行って、罹った人に会った。人に言えない現状、一番分かって欲しい人に言えない実態を目の当たりにし、本来は重ければ重いほど言わなきゃいけないのに…逆の対応がされている現状がおかしい。と、同時にこのようなことを今まで自分が知らなかった事実が怖いと思いました。自分は運よく知ることが出来たんだから多くの若者に知ってもらわなくては、という使命感を感じました。

 

 

 

 

 

 

 

最後に一つ伝えたいこと

 

 

 

予防の知識がこれから多くの方に広がっても、感染者が0になることは、まだ先になると思います。なので、HIVの感染経路は限られているわけですから、極端におそれず、自然な気遣いや心がけを大切にしてほしいと思います。

 

 

 

 

 

【文・写真…長瀬晴信】