武田さん

 

No.80 

キッカケプロジェクトROLMO代表

名前:武田健人

Twitter:@KentoTakeda(http://twitter.com/#!/KentoTakeda )

HP:http://rolmo.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「学生が心の底から夢中になるきっかけを届ける」をミッションに掲げ、発行部数10万部を誇るフリーペーパーの発刊、イベント企画・WEBサイト運営を行っている団体をご存知だろうか?

その名はROLMO(ロルモ)。

ROLMOとはrole modelから作った言葉で、輝いている学生・社会人(=role model)のストーリーや価値観を発信することでそれを見た学生に、未来への一歩を踏み出してもらうきっかけを与えている。

 

今回の取材ではそんなキッカケプロジェクトROLMOの代表武田健人さんに、、ROLMOをまた別の角度から捉えてもらえるように、ロールモデルに共通する点やROLMOの根本にある考え方等を編集・企画する側の視点から語って頂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高鳴り・決意・行動

 

 

 

―― 数多くの学生を取材してきた武田さんが感じる、輝いている学生に共通する点はどこにあるのか。

 

 

 

まず輝いている人を定義するときに、僕たちは何か夢中になれるもの(=自分の軸)を見つけてそれで突き抜けていってる人という風に考えています。そして、そのような突き抜けている人たちには共通するサイクルがあると思います。

その一つ目が心の高鳴りに素直になれるか、ということ。心の中にやりたいことが出来た時って、「あ、これやりたい!もしかしたら俺も出来るかも」みたいに心が高鳴ってるはずなんです。でもそこで、なんとかく斜に構えてる人もいるじゃないですか、「あ、あの人たちは別の世界の人なんだ」とか「なんかガンバちゃってるな~」とか。そうじゃなくて今突き抜けている方はとにかくワクワクする感情が大きかった。

そうして、そんな風に素直に「やりたい!」と思ったら次にすぐに「やる」と決意できる。これが二つ目の要素。自分の心に素直に決意する。簡単に「決意」と言っても、色んな不安があると思うんですよ。親が反対したり、お金ない、時間ないとか授業あるしとか…。色んな壁が出てきても、「でも俺がやりたいのはこれなんだ!!」と決意できることが大事なんだと思います。

そして決意した後はなるべく早く行動する。時間が経ってしまうとどんなにあった高鳴りも熱が冷めてしまいますからね。その行動した結果は、次に実現というかたちで喜びになります。そして更に「これでよかったんだ」という振り返りによって自分の軸が見つかって、また新たな心の高鳴りが生まれていく。

こうしてサイクルがうまれ、それを繰り返してくうちに軸がどんどん先鋭化されて一本になってくると思うんです。

 

 

 

 

 

 

 

―― つまり、輝いている学生は、まず心の高鳴りに素直になって決意をし、すぐに行動するというサイクルをまわしている。

 

 

 

はい、それが夢中になるために必要な要素だと思いますし自分の軸をより明確化する方法だと考えています。

たとえば、ある団体の代表はラオスで恵まれない子供たちの現状を見て、彼自身が奨学金で学校に通っていた経緯から、教育×国際貢献をコンセプトとした活動をやっていたのですが、その団体で活動していくなかで思考が変わって次第に『社会起業』に興味を持つようになった。それは、自分の力で自分の組織を作って、大きくなっていくことによって逆に目指すものが社会問題というものに絞られていく・小さくなっていった(問題が小さくなっていく)ことを意味する。彼は現在この社会問題解決への取り組みによって自分が何を出来るのかを見つけている途中なのですけれども、それはちゃんと先に言ったサイクルをまわしてるからこそ軸を絞れたんだと思うんですよね。

 

 

 

―― 他に共通点はあるのか。

 

 

 

これは、夢中になって輝いてる人の中でも、私たちが取材対象としている人たちに共通する点ですが「リスクをテイクして、『やりたいこと』を追求する覚悟をしている」ということです。多くの場合、「やりたいこと」を追求しようとすれば、「後に戻れない」リスクや「誰かの反対を押し切る」痛み、「うまくいかないのではないか」という不安を伴います。

 

それ故に、多くの学生は、「やりたいこと」はあくまで「やりたいこと」止まりで、それは「憧れ」なのに対して、私たちがロールモデルとして取材する学生・社会人は「やりたいこと」を「やると決めたこと」に変換して達成する「覚悟」をしている。ここが決定的な違いであり、ロールモデルに共通する点だと思います。

 

 

―― 自分にとってのロールモデルを見つけても、実際に行動するまでに見えない大きな壁がある人も多い。一歩踏み出す秘訣のようなものはあるのか。

 

端的に言うと、やりたいことへの高鳴りに忠実になること。具体的にいうとやりたいことを口に出すことだと思います。

 

口に出すっていうのは、取材を始めてから気づいたことなのですがすごくいいですね。

 

言葉にする時、「あ、俺これテンション上がってるな」とか確認すると思うんですよ、自然と無意識に。それがモチベーションの向上に繋がるし、また人に言うことによってもう戻れなくなる。そして、助けてくれる人が現れる。この三つの意味で口に出すことは大きな力を持つと思います。

 

僕もWEB ROLMO始めようと思ったとき、「ROLMOの価値をWEBで発信する仕組みを作る!」と明言していました。当時はやり方とか全然考えてなかったですけどね(笑)。でもそれで背中を押してくれる人が出来て今でも支えてもらっています。

 

 

 

 

 

もし口にするのがハードルが高いようでしたら、twitterなどでつぶやくのもいいかもしれません。「それ熱いね」ってリプライもらえるだけでモチベーション上がるじゃないですか。

 

世界一周をしている女の子は、mixiの日記に「なんかわかんないけど世界一周する」って書いたらめちゃくちゃコメントが来て、「もうこれやるしかない」ってなったそうですよ。

 

この世界を「夢中」な笑顔で溢れさせる

 

―― ROLMOは「行動に繋がる感情の変化」という価値を大事にしている。その価値を届けられたとき武田さんはどんな感覚なのか。

 

 

 

嬉しさ、驚き、安心、幸せ、色んな感情が混ざった感覚です。僕の場合は、ROLMOcafe(http://rolmo.jp/rolmo-cafe.html )を例にあげるとわかりやすいかもしれません。

 

ROLMOcafeは僕が考えたイベントなんですけれど、一回ごとに分野を特化して、その分野で夢中になりかけている学生がその分野で輝いているロールモデル学生・社会人と会って語り合うことで自分の想いに自信を持ってもらうというコンセプト。

それを初めてこの世の中に出したときは不安でした。何故なら自分で考えたから。

 

「これで来てくれた人が本当に喜んでくれるのかな。それって本当に価値なのかな」などずっと考えていたなかで実際にイベントを迎えました。

 

でも終わった後に参加者の方3人くらいが僕のところに来てくれて、「自分は教職の試験に落ちちゃってすごい落ち込んでいたんです。でもこのイベントで教育っていう分野で頑張っている学生と語り合ったことで、やっぱ教育ってすごい!とか面白いとか感じました。もう一度頑張ってみようと思います」と言って頂いた。それはまさに自分が届けたかった「行動に繋がる感情の変化」という価値が届いた瞬間で、素直に嬉しかった。と同時に「本当に喜んでくれるんだ」っていう驚きもあったり、安心もありました。

 

今は、その時見せて頂いた『笑顔』がより多くの方から見れたらと思って頑張っています。

 

ROLMOは「この世界を「夢中」な笑顔で溢れさせる」「ロールモデルサイクルを作る」っていう大きな夢を掲げています。本当にそんな大きな夢が実現出来るのか、いつも不安です。でも、自分たちの描いたもので、1人1人の笑顔を作っている、その事実だけは目の前にあって、それが本当に嬉しくて、本当に幸せです。

 

 

(「起業」をテーマにした第二回のROLMOcafeの様子。ロールモデルとの熱い話が飛び交う。執筆者も参加させて頂きました。)

 

「仲間+同志=チーム」という考え方

 

 

 

―― 武田さんにとって『ROLMO』という団体はどういう集団なのか。

 

色んな見方があると思うのですが、ここでは二つについて喋りましょう。

ひとつは「ROLMO」っていう価値を届けるための表現者の集団だと思っています。イベントであったり、フリーペーパー、WEB…色んな届け方があると思うのですが、『学生が心の底から夢中になるきっかけを届ける』という一つのことを目指しているので、そういう価値を届けるためには手段を選びません。ですので価値を届けるために何をしたらよいかをそれぞれのスキルを考えて作り出すプロフェッショナルの集まりです。

 

もう一つの視点は、チームです。ROLMOはチームでありたいと考えていて、それは仲間であり同志であるということ。「仲間」というのは心で繋がっているイメージで、「同志」というのは同じ目標を目指しているイメージ。どちらか片方じゃ駄目なんです。いくら綿密な計画を立てても仲間の気持ちを考えなければ上手く事が進まない。反対にどれだけ仲が良くても馴れ合いの中からは大きな成功を成し遂げることは難しい。目標を達成するためのバランスを大事にする集団でありたいと心掛けています。

 

 

 

 

 

 

十人十色の壁

 

―― 武田さんにとっての「きっかけ」とは。

 

 

 

壁を乗り越える手助けとなるものだと考えています。人って絶対に壁にぶち当たるんですよ。たとえば先ほど言ったサイクルのなかでも心に素直になれなかったり、斜に構えていたり、決意できずに行動できない、行動できても継続できない、逆に達成しても素直に喜べない、結果を落とし込めないからいつまでも進めない…など。人によって壁は本当にばらばらなので、ROLMOでは価値を届けたい人の中にどんな壁があるかを考えて色んな方法できっかけ作りをしています。

 

 

 

 

 

―― なるほど。ROLMOが多くの発信媒体やイベントを主催しているのには、壁を乗り越えるきっかけが「人」である時や「イベント」であったり、また「本」だったりするのを考えているからなのですね。手段は様々だがそこに共通するのは壁があってそれを越えていく手助けとなるものであるということ。

 

 

 

そうです、世界一周のような旅であったりもするかもしれませんね。また、壁という存在に気づいてる場合もそうでない場合もある。その人にとって見たくない壁・自分が考えたくない壁である場合は上手く可視化できるようにするのが僕たちの役目です。

 

 

自分の心に素直に大きく一歩踏み出す

 

―― 武田さんの夢

短期的な目標としては、フリーペーパー、WEB、1日イベントに続くROLMOの新しい挑戦として、3月の1日~8日に「合宿型研修」を企画しています。

「やりたいこと」はあるけどそれが明確でなく実現する自信もない学生が、その「やりたいこと」を明確にして「やる」と決意するための合宿を作ります。これが私の覚悟。社会に出る前に最後に私がやりきると決めたことです。テーマは「学生時代も、社会人になっても、夢中な人は『コミットリーズン』を持っている。~20代で夢を仕事にしたロールモデルの決意の理由20~」です。

「やりたいこと」を「やる」と決めて実現していくロールモデルたちの決意の理由に迫り、研修、ワーク、語り、宣言などをコンテンツ化して、最後に参加者の人が「決意」出来る状態までもっていきます。

長期的な目標は、実は私自身も、その合宿で見つけようと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

―― 最後に学生へメッセージをお願いします。

僕はずっとコンプレックスを抱えていて、誇れるものがなかった。高校のときも部活を途中でやめちゃったし、大学入ってからも飲んで遊んで麻雀して…っていう生活でぱっとしてなかった。

 

ですけど、人はいつでも変われると思います。

就活中に、自分の心に素直に進むのがベストだっていう軸が出来て、それなら学生のうちにやったほうがいいじゃんって思ったんです。そして何をやろうか考えていた最中、3・11の震災があり、twitter上で初めてこんなにすごい学生が沢山いるんだって知ったんです。その日のうちに学生がボランティアをやる団体を作りあげる者がいたり、WEBサイトを開設する人がいたり…。「こんな学生がいたのか」って驚きました。そういう風にあの瞬間色んな学生が動いていることに素直に感銘を受けて、こういう人たちに会いに行けるシステムがあったら素敵だなって思いました。

で、そのようなすごい人を発信している団体はないかなって検索して調べたらROLMOに行き着き「行くしかない」って思って、フリーペーパー制作に携わった。それがvol.4として形になりました。でも、僕はtwitterで変われた経験があったので、かつ、就活中にWEBの時代が来ることは明確に実感していたので、それだけじゃ足りないって思ってWEB媒体を作って、更に心に素直に進むには、感情の変化を与えるためには、直接会ったほうがいいと思いROLMOcafe作って…。そして「学生が心の底から夢中になるきっかけを届ける」という団体コンセプトを本当に実現するためには合宿型研修が必要だと思い、今は合宿を企画しています。

 

 

 

そうやって振り返ってみると、誇れることもなく斜に構えていて、なにより日々の生活に物足りなさを感じていた僕でも、やりたいことを見つけられたら本当に心が高鳴っていて…色んなことが出来るサイクルに入っていくことが出来ました。まだまだ未熟ですけど、前よりは確実に楽しいです。

 

だからこそ、「いつでも変われる」ということを忘れないでもらいたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たとえ話で登場する人のことを、まるで自分のことのように楽しそうに話していた武田さん。しかも、その話の内容は机上で実に分析されたものであるだけでなく、ROLMOcafeで実際に実践されていた。ロールモデルとの話し合いを経て参加者全員が自分の夢をみんなの前で発表する宣言タイムはまさに、武田さんが一歩踏み出す秘訣として挙げられていた「口に出す」行為そのものではないだろうか。

 

 

 

武田さんはROLMOとして活動するのはあと半年を切っている。果たして何人の学生に壁を乗り越えるきっかけを与えてくれるのか非常に楽しみにしたい。

 

【文・写真…長瀬晴信】