芥川社長

 

 

株式会社Netsket 

芥川武(あくたがわたけし) 代表取締役

 

HP:http://www.netsket.com/

twitter:@netsket_acty

 

 

facebook上でイベントの告知・集客・集金・管理プロセスを一括で管理することを可能にしたアプリがあることを皆さんはご存知だろうか?

 

その名は”everevo(イベレボ)“。

 

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「いいね!」など口コミ効果が極めて高いfacebook内で動作し、twitterとの連動も兼ね備え、更に参加者同士のコミュニケーションスペースまで設けられている集客機能。そして、PayPalのAPIをフル活用した集金機能。この二つの機能によって、イベント開催時に主催者の頭を悩ます面倒ごとの多くが解消されている。

 

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今回の取材では、そんな画期的なサービスを作った株式会社Netsket代表取締役の芥川武氏の人物像・everevoサービスの背後にある考え方などを語っていただいた。

 

芥川武(あくたがわたけし)

1975年、青森県生まれ。一橋大学商学部に在学中、「サイバーコミュニティ論」を研究する傍ら、株式会社キャラバンでインターン生としてシステム開発のプロジェクトに携わり卒業と同時に同社に就職。4年で退職し個人事業主として独立。そして2006年1月、大学時代からのテーマである「真に意味のあるコミュニケーション」の実現を可能にする手段を提供していきたいと株式会社Netsketを法人化。2010年から開発業務の外部受注を停止し、同社のfacebook上でイベントの告知・集客・集金・管理が出来る世界初のfacebookアプリ「everevo(イベレボ)」に注力している。

 

 

とにかくモテたかった学生時代 

 

―― 本日はよろしくお願いいたします。早速質問に入らせて頂きたいのですが芥川社長は小学生の頃からプログラミングを始めるなど普通の見方をしたら理系寄りの学生だったと思うのですが、何故また文系の一橋大学に入ったんですか?

 

単純に理系が面倒くさそうだったからっていうのが理由のひとつです。化学とかが特に(笑)。

 

あとは、おぼろげながら小さい頃から社長になりたいっていう想いがあって、社長の勉強って文系なのかなって思ってたんです。

 

父親が地元八戸でオーナー社長の依頼を受けて会社の立ち上げに携わってたんです。営業して開拓して工場作ってっていう過程を見てきた血筋がもしかしたらあるのかもしれません。

 

一橋に入ったのは、まずモテたかったからです。地元には10年以上住んでいたのもあってわりと真面目なキャラが定着してしまっていた。だから1回親友以外の交友関係をリセット出来るような都内に行きたいと。そしていい大学に入れば当然のようにモテるはずだ!!って(笑)

 

―― 不純な動機が大学進学の原動力だったんですね(笑)。大学時代はどのような学生生活を送られていたのでしょうか。

 

寮の先輩が作ったテニサーの代表を引き継いだんですが、僕の代で潰してしまいました(笑)。もちろんテニサーに入ったのはモテそうと思ったからです。なんて天国があるんだと(笑)。一橋寮に入っていたんですが、酒飲んで麻雀打ったり、夜中に施設内にあるプールに忍び込んで泳いだりしてましたね~。

 

あと、これは一橋生にしか分からないと思うんですが、当時はスタ丼がとても美味しかった記憶があるんですが、最近うちでもスタ丼が作れることに気づきました(笑)。ベースは豚の生姜焼きなんですけど、ニンニクを入れるんです!それをご飯の上にのせて卵をかければスタ丼の出来上がり(笑)。ひとつ200円もしないで作れるんで自分で作ったほうが安上がり。うちの嫁に月に1回は作ってもらってます。

 

真面目な活動としては、僕は大学を2回留年していたので、2回目の留年の時って周りのみんなは就活とか始まっちゃってて暇だったんですよ。まだ二年生ですから(笑)。行くのがやになっちゃってみんなと違うことをしようと思った。で、まずベンチャーのインターンをやろうという話になって、インターン紹介大手のEtic経由で当時日本のハードディスクの卸業日本一のシネックスという会社を知りました(現マウスコンピュータジャパン)。そこの社長と会ってみると「お前はインターンじゃなくて学生ベンチャーをやれ」と言われて、「既にやってる奴がいるからそこに参加しろ」ということになった。

 

それが自由が丘のパソコン教室でした。

 

僕はパソコンに詳しかったので先生を中心にやっていましたが、インターンというよりは起業でしたね。自由が丘という立地からか、ハイカラな高齢者がいっぱい居てビラを配ったらおじいさんやおばあさんがわんさかやってきました(笑)。

 

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―― パソコン教室をやって何か気づいたことはありましたか?

 

女性はものすごい勢いで技術を吸収していました。始めて3ヶ月でブラインドタッチが出来てワードエクセルパワーポイントデータベースのアクセスとか、もう普通にオフィスで働けるくらいの能力を75歳のおばあさんが身につけるんですよ。腱鞘炎になるくらいまでタッチタイピングを練習してきたりとか(笑)。僕らの知識以上に予習してきて焦った経験もありましたね~。

 

―― その後、起業に至るまでの経緯はどういったものだったのでしょうか?

 

この在学中の起業中に知り合ったITベンチャーに出入りするようになりました。技術開発が学べる環境に惹かれたんでしょうね。そこではDB連動のWEBシステムの開発をやったんですが、いつの間にかリリースして運用段階に入ってしまったのでここの会社に入るしかない、という流れになって就職しました(笑)。それからは、「3年くらい修行して自分で独立してやろう」と思っていたので、技術がある程度ついた段階で個人事業主としてNetsketを創業しました。

 

 

卒論が今に繋がっている

 

―― 芥川社長はコミュニティの健全な発展・運用に必要な要素として、『明確な目標』・『目的に向けた参加者の自由な行動』・『リーダーは選択することに徹する』という三条件を挙げられていると伺っております。それぞれについて詳しく教えて頂けますか?

 

この三条件は僕の”サイバーコミュニティ”に関する卒論の結論であり、当時あったコミュニティ論について書かれた書籍に共通する条件でした。

 

本当はその3つの要素にプラスして「地理的な制限」がコミュニティの成立する条件として4要素として書かれていたんですが、サイバーコミュニティという視点で見ると地理的な条件はあまり意味を持たないということが分かったので省いて3つに集約されました。

 

やはり、目的がしっかりしていないところには集団は出来ないですし、目的は明確な集団なんだけれどもそのリーダーが執拗に指示を出したり・構成員が指示通りにしか動かなかったりするとそれはもう自発的な発展は望めなくなる。そうならないようにするには、目的に対して方向性があっていれば参加者は何をやっても構わないという環境を作り、リーダーはその中から最適なものを選択することに徹するのがベストなんです。ここでリーダーは自分の色を出してはいけない。選択のなかで自然に色を出すっていうことですかね。その目的に向かってアイディアを出したり、モノを作ったりする作業はリーダーがやってはいけないということなんです。リーダーというのは全てをこなさなきゃいけないのではなく、全ての中から選ぶ、逆に言うとそれ以外を捨てるということに徹するべきなのです。

 

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非常に面白いのがこれらの考え方は、世の中のうまくいっている組織やサービスにおいて知らず知らずのうちに応用されているということ。たとえばeverevoのサービス構築プロセス自体も振り返るとこれに沿ったものだったんです。

 

そもそもeverevoを作るきっかけは「facebookのイベント機能が使いにくいので何とかしたい」っていうシンプルなニーズからなんでが、作っていくうちにあれも出来る、こういう使い方も出来る、こういう人もいるはずだっていうのに、という感じで実装したいサービスがどんどん膨らんでいっちゃうんですよね。そして、出来上がった後に「こんだけあるから便利でしょ~はいどうぞ!!」って見せても「うーん、便利そうだね…」っていうだけで終わってしまう。ところが、「○○に向けたセミナーをやっているコンサルタントの集金を助けるツールです」という風に絞ってしまえば「あ、これは俺が使うツールだな」ってわかってもらえるです。使う人側の視点に立つことが大切なんですよ。

 

たとえば、決済機能だけ使いたいという人もいれば、集客機能だけ使いたいという人もいる。その人によって見え方とか伝え方も変えてかなきゃいけない。でも、全部に対応させるのは大変なんで、まずはいかにユーザーを絞りこんで、そのほかのゾーンのユーザーを切り捨てるか。この人のためだけに存在するサービス、というように特化させる。そうすることによって始めてサービスとしてのカラーが出てきて、目的が明確になり、本当にその人たちを満足させるためのツールを作ろうという自由な手段が生まれるんです。

 

最近僕が勉強している”リーンスタートアップ”といういわゆる低燃費スタートアップにも通じる考え方です。これは、極力失敗しないようにコストをかけずに確実に成功に向かうためのフレームワークなのですが、それも根本は、明確な目的をもってそれに対応する人をきちんと見つけてからプロジェクトを始めるというシンプルな発想なんです。プロダクトを作ってからお客さんを探すのではなく先にお客さんを見つけましょう!という考え方。当たり前といえばその通りなのですが案外出来ないんです。

 

サイバーコミュニティという卒論のなかで見つけたコミュニティの原則が色々なところで応用が利くなっていうのが分かってきた感じですね。

 

人との出会いの重要性

 

―― 芥川社長にとって「イベント」とは?

 

人が二人いたらもうイベントですよね。バーチャルな出会いもリアルな出会いも含めてですけれど、人ってやっぱ人と会うってことをしないと成長しないんですよね。本とかで得られるものは多寡が知れてる。世の中ってすごく多様性をもっているので自分より圧倒的にすごい人と出会うことによって自分の人生が変わる可能性が大いにある。私も自分の人生を振り返ってみるとターニングポイントは全て人によって与えられているんです。自分で決断しているように見えて、すべて人との出会いがきっかけなんですよ。私がeverevoを始めたのも人との出会いがきっかけですし、会社をつくったのも学生ベンチャーを始めたのもそう。出会いとは場合によっては人生をより悪くするきっかけになることもありますけれど、私は概ね良いほうにもっていく機会だと考えます。人間というものが社会な存在で在り続けるために絶対必要不可欠なものがイベントであり出会いなのでしょう。

 

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―― なるほど。人にとって必要不可欠なものである出会いを加速させるのがeverevoなんですね。

  

まさにその通りです。everevoを使って自ら積極的にイベントを作ることが人との出会いを加速しますし、そういう状況をもっと作りやすく出来たらと思っています。

 

人との出会いの重要性をfacebookに先日書いたのですが、その論点も仕事と運は人からしか返ってこないということ。仕事の「依頼」などは検索すれば出てくるものじゃなくて、合理的に判断して取り持ってくれる人がいたりするからこそのものなんです。運っていうのも、ネガティブな運気をもっている人と行動するとどんどん運気が下がって悪い方向に向かっていってしまう。ポジティブな人と付き合うと必ず自分もポジティブになっていくんです。すごくスピリチュアルな風に思われるかもしれませんが、この話を上手くいっている経営者に聞くと100%「そうだね」って言ってくれるんです。自分ひとりで考えていると「こんなこと絶対できねぇよな~」とか思っちゃうものも、そういった人たちと付きあっていると当たり前のように出来るって思えてくるんです。思えるようになることで実際アクションして、現実のものとなっていくんですよね。

 

 

Netsketは常に考え問い続ける

 

―― Netsketの考え方として「真に意味のあるコミュニケーション」を考えるということを掲げられていますが、その実現に必要な要素はなんだと思いますか?

 

実は、「真に意味のあるコミュニケーション」という言葉に概念はないんです。「真に意味のあるコミュニケーションとは?」という問いかけなのです。それを考えるっていうのがNetsketの使命。Netsketが考えるし、Netsketが作るサービスはそれを提起するものであるんです。うちの存在意義はそこにあり、たぶんずっと答えはないでしょう。だからその実現に必要な要素が何なのかも考えている最中です。「幸せとは?」という問いと同じですよ。その答えの一つとして今、everevoをやっているという感じです。

 

―― バーチャルなコミュニケーションとリアルなコミュニケーション。通じるものはどこにあると思いますか?

 

バーチャルなコミュニケーションもリアルなコミュニケーションも両方、リアルなコミュニケーションですよ。ということだと思います。バーチャルってただ対面して会ってないだけじゃないですか。じゃあ電話ってなんなの?リアルなのバーチャルなの?って話。リアルの世界で相手が自分に向けたキャラクターを、自分は「この人はこういう人なんだ」って相手をそのように認知する。それってバーチャルで「この人ってこういう人っぽいよね」っていう風なレッテルを無意識のうちにはることとなんら変わらないんです。両方リアルなんじゃないでしょうか。

 

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―― それでは最後に、後輩にあたる学生達にアドバイスをお願いします。

 

まずは存分に楽しんだほうがいいと思います。結婚して子供が出来たら自分の時間はほぼゼロになりますから。しかもまた社長になんかなったら尚更です(笑)

 

その上で色んな人に会ってみるのがいいでしょう。色んな考えや存在があっていいんだっていうことに気づくはずです。そして出来たら学生だけじゃなくて学生外の人と会うのもいいかもしれません。というのも、「学生だから」っていういい訳が立っちゃうから何やっても許されるんですよね。極端な話、学生だからという理由で総理大臣に会いに行くことも可能かもしれません。

 

あとは、ここまで出来る学生がいたらいいなって思うのは礼儀が出来、人の好意をちゃんと感じることが出来る人。これができてない人は社会人でもたくさんいます。人と会った後にお礼の連絡、そのひとつのアクションが出来るか出来ないかでその人の印象が間逆になるくらい違うので。20代の社会人の方と会ってもお礼のメールが来る確率は半分以下ですが経営者の方と会うとほぼ間違いなく来ます。不思議なことに偉ければ偉いほどすぐ返ってくる。それは、相手の時間を自分のために消費してくださったという感謝の気持ちがあるからだと思います。それさえできればどんなところでもやっていけると思うので学生諸君には是非身につけてもらいたいですね。

 

 

【後記】

芥川社長は外見からは想像出来ないほど非常に熱い方でした。everevoのサービスについてはもちろん、学生時代の話もイベントについての考え方も話出したら止らない。そんな社長の話にこちらも聞きいってしまい、なんの話をしていたのか忘れてしまうこともあったぐらいでした。そしてまた、社長は卒論のテーマが今のeverevoのサービスに通じていることなどから、軸を非常に大事にされているのだなぁという印象を受けました。

 

everevoの発展はもちろん、Netsketが今後私たちユーザーにどんな「真に意味のあるコミュニケーション」を考えるツールを与えてくれるのか非常に楽しみにしたいと思います。貴重なお話ありがとうございました。

 

 

 

★everevoを使ってみる→http://everevo.com/

 

 

★芥川氏お勧めの起業家向け書籍

 

完全網羅 起業成功マニュアル/ガイ・カワサキ

 

まずこれを読んだあと、

 

アントレプレナーの教科書/スティーブン・G・ブランク

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと/磯崎 哲也

 

この三冊を読んで実行すれば誰でも成功者になれるのではないでしょうか。極端な話、これ以外は読まなくてよいかもしれません。②、③はずっと片手に持っておいて、起業の各ステージごとに読める本です。

 

 

【文・写真…長瀬晴信】