震災を、どう関心の持てるレベルに引き上げるか。

 

名前:島田悠司(@caramel__boy ,Facebook 

大学:慶應義塾大学理工学研究科

所属:Youth for 3.11  (HP )

みちのく photo caravan (HP )



2011311日、日本国内だけでなく世界をも驚愕させた東日本大震災。

半年以上たった現在でもその傷が完全に癒えることは無く、多くのボランティアが活動を行っている。

その中、写真展を関東中心に行って復興に携わっている「みちのくphotocaravan」という団体が存在する。写真展という形を用いて震災と向き合う事を始めたきっかけや、その旨を代表 島田悠司さんにお話を伺った。



団体の主な活動内容を教えてください 


震災に関する写真展をやり、その最終日に説明会をしてボランティアに行く人を増やそうという流れで活動しています。”Caravan”は「砂漠などいろいろなところを旅する商人」という意味があります。今のところ写真展は関東だけなんですが、今後関西や九州など大学を回ってcaravanみたいなことをしていこうと思っています。

ボランティアをしたりボランティアを送り込む活動はしていないですね。僕たちのミッションは二つあります。

 復興支援に関心のある学生を増やす

 実際に東北のボランティアに行く人を増やす

 

という事です。

その二つの為に最終回の説明会で、他の行きたいと思った時にボランティアに行ける団体を紹介しています。

 

興味がある人がボランティアに行くっていうのは結構簡単で、すぐ行ってもらえます。でも、僕たちはそれよりももっと前の段階です。大学生のほとんどが復興支援に興味が無い人ばかりなので、それをどう関心の持てるレベルに引き上げることができるのかというきっかけづくりをしています。


 

★みちのくphotocaravanを始めるまでの経緯、きっかけを教えてください

 

810日の”Youth for 3.11 “というボランティア団体の交流会でのディスカッションがきっかけです。今、シンポジウムをやっても半年近くたった今では人が集まらない。そもそも復興支援のシンポジウムって敷居が高いと思うんです。関心の無い人でもふらっと立ち寄れるような、その為に写真展はすごくいいんじゃないか、と話し合いました。

写真展が開催されるまでにはたくさんの出会いがありました。交流会の前日に「写真家達の3.11」という写真展に行って、そこで写真家の渋谷さんと安田さんに出会いお話をして、繋がりが出来たんです。次の日に、今後の復興支援をどう増加していくかの話し合いをしたので、正に前日に見た写真展の様なものを企画したいと思い写真展の案を出しました。

そのディスカッションの発表もすごく中身が詰まったものができて、その場でメンバー募集をしました。そして二日後にすぐ全員でミーティング。走り出しがすごく早かったです。準備してから走るというより走りながら色々考えるという感じでしたね。

写真家の方々にもすぐ連絡をして、快い返事をいただくことができました。

 

(交流会で写真展の案を模造紙に書きだした)

 

 
(今日に至るまでに必要不可欠だったもの)

 
★写真展を初めて感じたことはありますか

人が集まることにとてもわくわくしました。例えばビラを作るときに丁度そのタイミングで美大生が団体に入ってきてくれたり、写真展示を決めるときに丁度写真部の人が入ってきてくれたり、協賛をいただいたり。写真家の佐藤慧さんのツイ-トで

何かを実現したいと思いそれを行動に移し始めると、色々なものが動き出す。「意志の引力」のようなものが働き、必要な出逢いや必要な苦難が、繊細な織物の模様のように「何か」を描き出す。そういうものを、実感として感じる。「風」、と僕は呼んでいる。風の吹くままに。多謝。

というのがあって正にその通りだと思いました。

とんとん拍子というわけでは無いですが、自分たちの意思のところにいろんな人が寄せ付けられているなというのを実感しました。

今まで普通の大学生だったし、復興支援に対して凄い強い意志があったわけでも無く、軽い気持ちで現地に行ったのに、帰ってきたときにはものすごく心を突き動かされて、何かをやらなきゃという気持ちになっていました。

皆、行くまでの一歩が遠いんだと思います。東北の復興支援は普通の大学生だってできるし、特別な意思がなくても行けるのにその一線が踏み越えられてないと思うんです。現実を知ってはいても向き合えていないというか。


 
(みちのくPhoto Caravanのメンバー)

 

★なぜ復興に行くという活動では無く写真展で復興者を増やす方法をとったのですか

 

 いま自分は大学の修士1年で、研究もあってもう東北にはいけないなと思ったんです。行きたいという気持ちは十分あったのですが、現実的には不可能で。関東に戻ってきた時に、関東でできる活動をしたいと思いYouth for 3.11 に入りました。


向こうでは活動できない代わりに関東で、行く人を増やすという方法で復興の手助けをする。1人で100の活動するんじゃなくて100人が1をやった方がもっともっといろんな事が出来ると思ったんです。



★震災に関る人々にお会いして得たもの、心境の変化はありますか

ボランティアは奉仕というか「誰かの為に何かしてあげる」というイメージがあったのですが、行ってみて全く違いました。現地で各地から来た友達ができて楽しいというのもありましたが、現地の人とすごく仲良くなったりして。

震災の影響で凄く辛いけれども「これがあってあなた達と会えて凄く嬉しい」と言ってくれる人もいたりして、新しい繋がりができるというのが今まで持っていたイメージとは違くて驚きました。他にも被災者の方に「人間は誰しもいい心を持っていて、震災があったからこそそれを発揮する場ができたんじゃないの。」と言われて衝撃を受け、強い心を持っているなと感じました。

してあげる物よりもこっちが貰うものの方が大きくて本当にいい経験になったなと思いますね。

 

 

★最後に学生の方にメッセージをお願いします。



 理由は何でもいいから自分にできる事を何でもいいからしてほしいです。

震災とか復興とか遠い存在になってしまっている人が多くてびっくりだし、悔しいなとも思います。でも、それは皆踏み出せていないだけだと思うんです。僕たちみたいに東京でできることもあるし、一泊二日で行ける活動もあるし、大学生は一番動けて一番役に立てる存在だと思います。ボランティアはそんなに遠いものじゃない、身近にもっと感じて一歩踏み出して欲しいですね。

 

 

(各大学ごとにポストカートを用意してあるそうです

 

みちのくPhoto Caravan日程、開催場所はこちら 

ボランティアというと、やはりお金がかかるんじゃないか。とか、東北に行く時間がない。というイメージを持ってしまいがちだが、無料で参加で来たり1,2日で参加できるプランもたくさんあるそうだ。

どんな場所、形であっても十分に復興支援に携わることができるのだということを実感することができました。

 

【制作…鈴木円香】