高橋亜里沙さんはプロの役者・歌手を目指し、精力的に舞台に立ち続けている。

高校時代に発症した精神病や心臓病に悩まされ、

ずっと目指していたプロテニスプレーヤーへの夢は諦めざるをえなかった。

夢を失い、「もう私には何もない」と落胆する彼女を救ったのは

幼少期から好きだったという音楽だった。

本当にやりたいことを見つけ、

「今が一番充実してる」と語る彼女の人生観とは?

 

高橋亜里沙(たかはしありさ)

1993年1月20日生まれ、東京都出身。

「歌とお芝居を通して人を元気にしたい!」という想いを持ち人との出会い、繋がり・ご縁を大切にしながら役者、シンガーとして活動中。

Twitter: https://twitter.com/sports_7236

Instagram: https://www.instagram.com/acchan379/

 

【最近の舞台出演歴】
2017719日全国発売Unreal ProjectによるCDアルバムレコーディングに参加。
2017719日~724 劇団空感演人舞台「銀河旋律」@両国エアースタジオ オオツ役にて出演
20171013日~22 三栄町live 「広井叶の事件簿/御手瑠依の日常」@四ツ谷フラワースタジオ 只野しふゆ役にて出演
20171221日~24 プロジェクトKIZUKI 「アトム~オワリトハジマリノ物語~」出演決定

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テニスが大好きで、ずっとプロを目指してた

 

もともと私は小学生の時からテニスをしていたの。きっかけは体力づくりだったけど、やってみたらハマっちゃって。プロを目指して中学の時も厳しい部活で毎日練習してた。

でも、中3の引退間近に、トレーニングで階段を駆け上がっていたら滑って転落しちゃったことがあって、右の肘と肩をいっぺんに痛めてしまって肩が上がらなくなってしまったんだ。高校に入ってからも、肩は完全に治らなかったんだよね。それでも諦めきれなくて、テニス部に入ったんだけど、中学の部活との雰囲気の違いに唖然したの。「(練習が)緩すぎる……!」って。それでやる気をなくしたし、自分自身も中学時代のケガで、今まで通りに思いっきりテニスが出来る状態ではなかったから、部活にほとんど行かなくなってしまった。

 

大好きなテニスをしなくなってからは、メンタルが壊れてきて、と思ったら心臓の病気にも罹ってしまった。高校にすら行きたくなくなってしまって、わざと遅刻したり不登校気味になっちゃったんだよね。で、一応卒業はしたんだけど、第一志望の大学に合格できなかったから一浪して大学に進学したんだ。

 

大学に入ってからも、テニスが全然諦めきれなかった。それくらい大好きだったから、自分の生活からフッと消えちゃうのが寂しかったの。だから、テニスサークルに入ったんだけど、やっぱり身体が思うように動かなくて……。「もう無理なんじゃないか」って感じて、2年の途中でサークルを辞めたの。それからは「大学生活では今までにないくらい色々なことに挑戦しよう!」と思って学生団体に入ったり、たくさんのイベントに参加したりするようになった。

 

 

 

自分の中に溜め込まないで、誰かに頼ってもいいんだ

 

色々な活動をする中で出会ったある人が、株式会社はぐくむが運営している「Next Leaders Café(月1回開催され、その都度設定されているテーマに沿って話し合う)」という対話型イベントに参加しているのを知って、私も行ってみたの。

そこでは、私の話を最後まで全部聞いて、しかも受け入れてくれたんだよね。だから自分の正直な気持ちがどんどん出てきて、自然と涙が出てしまったこともあった。その時に、はぐくむの社長の小寺毅さんが「泣くのは悪いことじゃないよ」と言ってくれたの。「泣くことすら受け入れてくれるんだ!」ってすごく驚いたな。

それまでは、辛いことも自分の中に溜め込んで誰にも頼れなかったけど、「何でも話していいんだな」ってことに気づいて、素直になれた。

それで、このイベントにもっと関わりたいと思って、思い切って「スタッフになりたいです!」って、タケさん(※小寺毅さんのこと)にお願いして、運営として活動に加えてもらったの。

 

 

 

何でもありだったらどんな未来にしたいですか?

 

今はフリーの役者・歌手をしているけど、実はもともと普通に就職しようと思ってた。でも、企業で働く自分が想像できなかったし、何より「周りの人と比べて自分は何も出来ないな」ってことに気づいてしまったんだ。精神的な障害や心臓の病気を患っているから、普通に働いたらメンタル持たないなって。その時、「え、やばい、どうしよう、私何も出来ない。テニスは…?今さら無理だよ……」って、追い詰められて寝込んでた時期もあった。

 

そんな中、色々な活動を通してたくさんの人と出会って、話を聞いているうちに「普通に就活しなくていいんじゃないか?」っていう疑問を持ち始めたんだ。はぐくむで「出来る・出来ないじゃなくて何でもありだったらどんな未来にしたいですか?」っていう問いを大事にしているんだけど、私も自分の将来について考えた時に「普通に就活して普通に就職したら“型”にハマった人生を歩んじゃうんじゃないか?」って思うようになったの。それで「退屈したくない!好きな事がやりたい!」って思ったんだ。

 

△7月の舞台の様子

 

ボロボロになった時に頭に浮かんだのは大好きな音楽だった

 

大学4年の秋に、Next Leaders Caféの活動で出会ったミュージカルをしている友人が、「良ければミュージカルに参加しない?」って急に声を掛けてきたの(笑) いきなりだったから「え?」って困惑したけど、小さい頃から音楽が好きだし、ミュージカルも興味があったから挑戦してみたんだ。

 

いざ練習してみると、私は歌もダンスも芝居も全て初心者だから、まあ苦戦したよね(笑)でも、本番が、あの有名な銀座の博品館劇場でやるって聞いて、すごく楽しみになったし、必死に喰らいついた。そのかいあって、本番のステージは想像以上だったな……。終演してから一番感じたのは「やっぱり舞台って面白いな」ということ。一回やってみて、魅力にハマってしまったんだよね。その時、「自分のやりたいことはこれだな」って思った。

 

さっき、「精神的に追い詰められて寝込んでた時期があった」って言ったけど、そんなボロボロな状態の時に自分に頭に浮かんできたのが、音楽と歌と、大事な友人だったんだ。だから「いつか、今までの辛かったことを全部生かして、音楽で何か形にできたらいいな」と舞台に出る前から思ってたの。でも、この経験から、本格的にプロを目指そうと思うようになった。

 

それからは、大学卒業前から舞台のオーディションを受け始めて、今もフリーで役者や歌手をしてる。舞台稽古は楽しいとは思えないけど、やればやるほど「私は身体で何かを表現するのが好きなんだな」って感じてるよ。自分にとって音楽やお芝居が、なくては生きていけないものになってるんだ。だから、これからもっと活躍して、今まで支えてくれてた人たちに恩返ししたい。

 

△音楽活動も熱心に行う高橋さん。将来はシンガーソングライターとしてオリジナル曲を作りたいと語る。

 

 

 

どんな人でも夢を追いかけていい

 

私は、就活生とかから将来についてや、就活の相談を受けることが多いんだけど、その中で感じたのが「どんな人でも夢を追いかけていいんじゃないか」「本当に歩みたい道を歩んでもいいんじゃないか」っていうことなんだ。

 

みんな、周りからの色々な“圧力”がすごいから、やりたいことをカミングアウト出来なくなってしまっている気がする。お金のこと、家族のこと、周りからの目。どうしても気になってしまって「こうしなきゃいけない!」って考えに陥ってしまう人が多いよね。確かに、最終的にどうするか決めるのは本人だし、好きなことを絶対見つけなきゃいけない訳ではないと思ってる。簡単に言っちゃえば、人生に正解も不正解もないんだよね。

 

私たち役者は、ある意味ゴールのない道を歩んでいて、だからこそ「もっと挑戦したい」と思ったら、挑戦し続けるだろうし、「違うな」って思ったら、道を変える人も中にはいるかもしれない。でも、ゴールのない道を歩んでいるからこそ、日々感じていることも多いし、役者をすることが自分と向き合う時間になるってことを、私は感じているんだ。だから、すごく難しいことだけど、将来何がしたらいいか分からない人たちには、今まさに「やりたい!」って思ったことに迷わず挑戦してほしいし、私自身が、やりたいことに挑戦し続けることで、周りに良い影響を与えられたらいいな。

 

「私って本当に周りの人に恵まれているんだよね」

そう語る彼女は、周りへの恩返しのため、やりたいことを形にするため、

今日も自分と向き合い続ける。

 

 

(文/長島有紀、写真提供/高橋亜里沙)