kubonao知ってる人は、知っている。

これまで様々な団体の代表や副代表として

活躍してきた青山大学3年久保直生。

今秋から、アメリカ・ボストンに留学するという。

目の前にあるいくつもの活躍の機会を捨ててまで、

久保直生はなぜ、“今”飛び立つのか? 

プロフィール

久保 直生(くぼ なお)。1995年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部3年。青山学院大学体育会スキー部副将。第62期青山学院高等部生徒会長。一般社団法人生徒会活動支援協会元代表理事。18歳選挙権プロジェクトチーム所属。PLANpic代表。全国学生合同新歓2015代表。Retty株式会社長期インターン。 G1カレッジ2016副代表。

 

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まず、留学を決意した理由を教えてください。

 言語も通じず助けてくれる仲間もいない場所で、自分と向き合って道を切り拓いていくのもありかなって思って。今までは、すでにあった人脈や肩書を活かして、活動の幅を広げていくことが多かったので。

 青山学院高校の生徒会長選挙では、最初から僕を支持してくれる仲間がいました。当選してからは、青山学院高校生徒会長という肩書や生徒会の全国ネットワークを利用して、色んな人達と出会う事が出来ました。

 青山学院大学に入ってからも、複数の団体の代表や副代表を務め、それぞれのテーマで講演することやインタビューを受けることもありました。 でも、どこか背伸びをして生きてきた気がしていて。

 もちろん、人脈や肩書きをフルに活用して背伸びをしたからこそ、一つ上の世界で活躍する人達から刺激受けて成長出来ました。でも、もうその段階じゃない。しっかり地に足を着けて、自分の行きたい方向へ走り出したいんです。

 

 これまでは幅広く活動してきたよね。ある意味、”幅広さ”を極めてる。

 よく言われます。趣味の幅も広くて、ギター、旅、写真。スポーツ系も、テニス、ラグビー、スキー、野球、サッカー、全部やります。

 とりあえず久保直生を呼んでおけば、色々とそれなりにやってくれる。そんな感じで、色んな団体やプロジェクトから声をかけてもらうことも多かったです。

  だからこそ、一つのことに集中して自分のやりたいことに突き進む人を見ると、劣等感を感じるんですよね。 

 

劣等感を感じることもあるんだ?

 僕の原動力はいつも、好奇心と劣等感みたいな感じです(笑) 今はもうないですが、僕は小学校からずっと青学で、妹は慶應に通っているので、昔からよく比べられて当時は劣等感を感じていましたね。高校生の頃は、親から青学以外の大学への進学を勧められていましたし。※青学=青山学院の略称

 でも、僕めちゃくちゃ青学が好きで。青学のみんなも先生も教育制度も教育理念も大好きなんです。青学をもっともっと良くして、みんなが誇れる日本一の学校にしたかった。だから、生徒会長に立候補したんです。

 まあもちろんその道のりはそんな簡単なものではなく、いわゆる無関心層の壁にぶつかりました。学校への携帯電話の持ち込み解禁に関して全校生徒にアンケートを取ったら、8割が「どっちでもいい」という回答でかなり落ち込んだ時もありました。

 

関心のない人を巻き込むってかなり難しいことだよね。

 正直、かなり険しい道のりでした。ただ、僕のマニュフェストのひとつに、「全校生徒とお弁当を食べます」というものがありました。だから、青学が大事にしているサーバントリーダーシップ(人に仕えることで人を導く)の考え方に則って、自分で足を動かして、みんなに意見を聞いてまわったんです。

 目安箱なんて設置しても正直本音は聞けないじゃないですか(笑)だからこちらから足を運んでなんとか少しでも意見を聞き出そうと頑張りました。 みんなと話していくうちに、実はほとんどの人が学校に無関心なのではなくて、ただその人達の言葉で話せていないだけだった事に気づいたんです。

それまでの僕は、自分のやることはきっと正しいという謎の自信の元、自分の物差しで人を測って、思い通りにいかない人達を無関心な人達と決めつけていたんです。でもそれはかなり自己中心的で、相手に対して無関心だったのは実は自分だったのではないかと思うようになりました。 

 その後は、自分が人の物差しになって、その人の言葉で話すことを心掛けるようになりました。その結果かはわかりませんが、生徒会が主催した青学高等部史上初の運動会では、有志のみの募集だったにも関わらず、600人以上の参加者が集まってくれました。

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生徒会長、体育祭閉会挨拶で思わず涙

 そんな生徒会での活動を通して、関心のなさそうな人達を何かの活動へ巻き込んでいくことに、もっと広く取り組んでいきたいと思うようになりました。そこで、従来若者が無関心といわれている分野で、その強みが活かせるんじゃないか?と思い、若者と政治、若者とオリンピックを繋げる活動を始めたんです。

 

色々な活動にも共通点があったんだ?

 将来世代である若者が未来に責任を持ち、2020年に向けたプロジェクトを起こしていく団体PLANpic、18歳選挙権のプロジェクトチーム、生徒会を通した社会参画促進を活動目的のひとつとする生徒会活動支援協会。志を持ち活動している学生団体・NPOやNGOを200団体集め、2000人規模で行った全国学生合同新歓2015

 どれも、色々な人を巻き込み、多少なりとも動きを作ることは出来たと思っています。でも僕は人生を懸けてこれをやるのかと問われた時、正直に「はい」と返せなかったし、ひとつに絞ることもできませんでした。 

どこか、心地よいポジションを見つけて周りにチヤホヤされたいという気持ちがあって。それに気づいて、すごく虚しくなってしまったんです。もう一度自分と向き合い、本当に自分のやりたいことは何なのか考え抜きたい。それが留学を決めた大きな理由のひとつです。 

 色々な活動が軌道に乗ってきたこともあって、外から見ると順風満帆です。でも、このままでは今後の成長の限界も見えています。苦手な数学を使って表すのなら、今の僕の成長はおそらく一次関数的なもので、成長の傾きがある程度とわかっていて、年齢に応じてこれくらいまで行けるんだろうなと想像出来てしまうんです。

 今までは、それがわかっていても、必死で挑戦出来なかったんです。それはやはり、肩書きとか心地よいポジションから離れることができなかったから。この留学に”ありのままの”等身大の自分で飛び込んで、最初は苦しみながらも、もう一つ上の世界へとび抜けられるよう、二次関数的にグーーッとつき上がれるよう、挑戦してくるつもりです。

【執筆】中村勇斗【写真提供】久保直生