』-こころざし

彼はアフリカを代表とする飢餓や貧困の問題を

自らの行動で解決するという強い志を持つ。

視野を広げ

その志を持って活動してきた大学生活。

そして彼は、この志をどう将来に繋げていくのか、

彼のこれまでの経験から『なぜその道に進むのか』を深掘りしていく。

そして、最後には筆者のお願いで

学生へのメッセージを頂いた

彼は照れくさそうに答えたが

そこには彼の経験の全てが詰まっている

若狭⑥

 

▶︎若狭 僚介
1993年生まれ。青山学院大学社会情報学部にてクラウド・ファンディングの研究を行う。
2012年4月にNPO法人TABLE FOR TWO Internationalの学生支部で活動を始める。同年12月,全国代表に就任し,支部連携職を務める。またGlobal Study Asiaの研修生としてフィリピン留学を経験。帰国後,食と農業専門のコンサルティング会社にて約1年勤務。
商品開発業や海外市場調査業を経験し、現在は不満買取センターにてデータ分析業を行う。来年からは国内最大級の市場調査会社インテージに就職予定。

 

戦車はかっこいいものじゃなくて、人を殺す兵器

 

国際問題に対して志を持ったきっかけは?

 

小学生の時に通い始めた英語塾の先生です。フリーランスのジャーナリストもしている異色な人だったので授業で政治の問題やテロの話とかニュースでは取り上げられない”リアル”な情報を教えてもらって、そこに興味関心を持ったのがきっかけでした。
中でも印象的だったのが、小4の時、単純に『かっこいい』と思って戦車の絵を描いて先生に見せたら『これはかっこいいものじゃない、人を殺すものだよ』ってすごく怒れられたこと。小学生からすれば戦車ってかっこいいモノなのに、この先生はこういう考え方するんだって衝撃を受けたことは今でもすごい覚えています。

 

こっそりと力をつけて、回ってきたチャンスには全部飛び込む

 

TABLE FOR TWOに初めて参加した際に『アイデアが全く出てこない』という悔しい経験をされたんですよね?

 

 
※NPO法人TABLE FOR TWO Internationalとは
開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組む、日本発の社会貢献運動。学食や食堂などで対象となる定食や食品を購入すると、1食につき20円の寄付金が、TABLE FOR TWOを通じて開発途上国の子どもの学校給食になります。大学組織は全国100大学1,000名近いメンバーから成り、学内だけではなく関連企業と様々な活動を行っているNPO法人。

 

小学生の頃から、フィールドワークとか参加していたので『大学生ってどのぐらいのこと考えられてるのかな』っていう上から目線の感じで飛び込んだら、社会問題に対しての知識はある程度あったけど、ビジネスの方向に考えることが全く出来てないことを感じました。
上から目線の前提を持っていたのに、彼らが活発に議論してるから、『ヤバイ』と思って、当時のTABLE FOR TWOの代表に紹介されたイベントは全部行ったし、勧められた本は全部読んだり、”こっそり”その人たちに近づけようとしていました

”こっそりと力をつける”

「ある程度知識を蓄えてから外に発信したい」っていう変なこだわりがあったから、周りに気付かれないように、社会人に混ざってプレゼンテーション講座受けたり、社会人に話を伺ったりとか、そんなことを細々とやって少しずつ力をつけていました。
あとは、とりあえず本読んで、ある程度理解して行動すれば、定説と現場感みたいなのが混ざって”知識”として入ってくるからそれは意識していましたね。

 

ちなみにどういった行動を?

 

団体内の企画に果敢に参加してました。1年生の時は『回ってきたチャンスには全部掴みに行こう』という姿勢で行動していました。
毎年10月16日の世界食料デーに開催される幾つかの企画で1年生ながら統括をやらせてもらったり、全国に存在するメンバーを『もっと繋げたい』と思って、TFTシリコンバンド作って、メンバーに売ったり、グローバルフェスタとかでNPOや行政が集まるイベントで販売したりとかして、『どうやって黒字にするか』をデザインから考えたりしてました。

 

そのような成功体験が自信になって1年生で代表に立候補したということですか?

 

代表になる為に色んな企画に参加していたわけじゃなかったし、最初は代表になろうとは思っていなかったんです。
でも、代表に立候補した動機が2つありました。
1つは、この団体がビジネス面とかソーシャルな部分を学ぶきっかけだったから、自分が学んだことをこの団体で最大限に発揮したかったし、自分がこの団体で学ばせてもらったことを同世代や後輩たちに還元したかったから。
2つ目は、100大学1000人のメンバーが存在してるのに、全然その数を活かしきれてないのが『もったいない』と思って、俺がなんとかしてやろうみたいな調子に乗ったやつでしたね(笑)

 

若狭④

「ビジネスで社会問題を解決する」という視点を学ぶために新たな環境へ

 

 
なぜインターンを始めたのでしょうか?

 

悔しい経験からビジネスとして社会問題を継続的に解決していくことを学びたくて始めました。

当時、広報に力を入れていた食料支援をするNPO団体にも関わっていたのですが、団体の認知度が急激に高まり本当に届けたいターゲットに食料を届けられなくなってしまったんです。『年に4回まで食料を食べに来ていい』っていうルールが『生涯4回まで』に当時なってしまって(今は解決されている)、正直それだと何の課題解決にもならないなあと思って。
それから、本当に志があるプロジェクトを回す時の為に、『事業を回す』とか『ビジネスとして継続性をどうやって保っていくか』ということを学ぶためにインターンを始めました。

 

これまでの経験から、選んだこれからの道

 

では、なぜこれまでの経験からマーケティングリサーチの会社を選んだのでしょうか?

 

一番の理由は、TABLE FOR TWOの活動でマーケティングを経験したことが純粋に楽しかったからです。食数を伸ばすために、どういう施策を打てばいいのか考えたり、『こういう施策を打つとこういう結果が得られる』という分析をするのが純粋に凄く楽しかった。
あと、代表の時は、施策を打ちまくって数値的にも結果が出たから、おのずと楽しくなったって言うのが理由の1つです。
株式会社インテージっていうマーケティングリサーチ会社に進むんだけど、国際的なマーケティングにも将来的に力を入れていきたい会社だから、これからも海外と繋がる仕事をしていきたいと考えてます!既に内定者とも仲良くやっていますよ!

 

※株式会社インテージとは
日本の市場調査業界のリーディングカンパニー。企業向けのマーケティングリサーチを主力とし、消費者と小売店両方のパネル調査網を持つ。1960年に市場調査の専門機関として創業以来、国内トップの業界シェアを誇るとともに、世界でも9位のポジションを確保している。

 

自分の経験から、これから解決したい国際的なマーケティングの課題はありますか?

 

ありますね。途上国という現場を見たり、TFTの活動を通じて思ったのは、先進国が勝手に決めた社会問題は応用が効かないということです。
例えば、衣類は足りてるが、食料が足りてないという問題を抱えている貧困地域に先進国が支援をする際に、『貧困地域=衣類が足りてない』という勝手なイメージから『衣類を届けるアクション』をしても、その貧困地域には「衣類は足りているが食料が足りていない」という本当のニーズがあるから衣類はむしろ邪魔になっていて。マーケティングをせずに、現場を無視して勝手に決めつけた問題解決の支援って結構多いと思うんです。
一番大事なのは現場の人たちが求めてる正しいニーズに応えることが大事だと思うかので、その現場と支援側の差異にすごく課題感は感じています。だから自分が正しいと思うマーケティングをこれからもしていけるように頑張っていこうと思ってます!!
 

 

恐れずに目の前にあるドアは叩いていいと思う

 

やりたいことがある大学生は・・

 

やりたいことが決まっているのなら、アクション起こしていいと思います。
そういう機会の情報って自分で掴める時代だし、恐れずに目の前にあるドアを叩いたほうがいいと思います。叩いてみると、思ってもなかったことが色々繋がってくるし、新しく見えてくるものもあるから面白いです。
ただ、注意して欲しいのは、軸が一本通っていても、それが左右にずれることは前提として想定内のことだなって思って行動してほしいですね。
要は、軸を持って行動すると少し軸や分野からずれた機会があるんですね。それを自分と分野とか想いが違うからって排除するのではなくて、一旦受け入れて『そこから得られる何か』を求める姿勢は大事だと思います。
旗を掲げすぎて周りを拒絶してしまうと、落ちているものに気づかずに、貴重な機会を損失するケースが多々あるので、軸が一本あっても左右にずれるのは想定内と考えて行動するべきだと思います。

 

自分が何かではなく、何がなくなると自分じゃないのか

 

 

やりたいことがまだ見つからない大学生は・・

一言でまとめると『学生はあくまで準備の期間』だから焦る必要はないと思います。
自分が今サークルの活動とかに『楽しい』って感じるならそこに全力を注いでいいと思うし、人との出会いに優劣はないから、そこにいる人たちや時間を大切にすることは素晴らしいことだと思います。
同時に、これから社会人になるにあたって、どの企業に行ったら自分のやりたいことが見つかるかを考えるべきです。
言ってしまえばどこの会社に入るかによって、やりたいことがない人たちにとっての第1ステージが変わってしまうのです。
最初に広告系や人材に進めば、色んな業界の人とも関われるけど、専門的な企業に行ったら、活躍できる分野が限られてくる可能性もあるので、自分に何がなくなったら自分じゃなくなるかってことを考えるべきだと思います。

 

【文章 廣川 豪太】