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No.48

 

 

 

名前:神崎峰人(かんざきみねと)

 

大学:武蔵野美術大学基礎デザイン学科2年

 

twitter:@MinetoKanzaki

 

facebook:神崎峰人

 

所属:UPSTAIRS

 

 

 

私は9月中旬、以前本サイトで取り上げさせて頂いた一橋大学起業部部長の野村さん から面白い方がいるから是非取材して欲しいというお願いを受けた。

 

 

 

その方が武蔵野美術大学2年の神崎さんである。

 

 

 

神崎さんは季節によって色を変えるイラスト投稿型サイト を今年6月に開設。

 

そのイラスト投稿型サイトはリニューアルオープンした8月からわずか1ヶ月足らずで、

 

約50人のクリエイターが登録し、作品数も100にも及んでいる。

 

 

 

そして他大のWEBチームUIデザインを中心に改善し年末に再リニューアルを予定していて、

 

来年4月までに登録者数1000人、最終的には全国の美大生約6,7万人のうちの1万人の登録が目標と語る。

 

今回の取材では、そのサイトをプラットフォームに展開する複数の事業に関してと日本を取り巻くデザイナー・クリエイターの環境についてをお話いただいた。

 

★繋がり合う事業部形態

 

 

 

「私の団体UPSTAIRS では学生デザイナーが実務経験が積める事業部をイラスト投稿サイトをプラットホームにして展開しています。

 

 

 

・B+U(総合プロダクト事業部)

・FUTURE SHOCK(総合イベント事業部)

・StyleBox(総合デザイン事業部)

・その他ソーシャルアプリ開発など

 

 

 

主に美大の1,2年生中心で各部門10人程度の少数精鋭でやっています。」

 

「B+Uでは、「作るから創るへ、作品から製品へ。廃材から生活用品を生み出す。」をコンセプトにチームで企画から製造を行い、実際に世に製品を送り出すことで、学校の授業ではわからない消費者のリアルな反応や様々な問題点を学生のうちから発見することを目標としています。

 

 

 

具体的には不要になった鉛筆を回収しコースターやピアスに生まれ変わらせるRe:Pencil という活動を行っています。ラベルも商品に関するWEBも宣伝用のムービーすべて学生で作っています。

 

既に表参道のカフェや業務用喫茶店、ギャラリーに置かせていただく事が決まっていますが10/3(月)から全体販売開始(ネット販売)も開始します。ネットからでもご購入可能です⇒商品を見てみる

 

 

 

なぜ鉛筆を素材にしたかというと美大生はデッサンでかなり鉛筆を使うんです。でも短くなったら捨ててしまう。お世話になっている鉛筆に対して何か出来ないかという気持ちが根本にあるんです。

 

また、林業支援の観点から売り上げの20%は緑の募金 という林業再建プロジェクトに貢献します。

 

 

 

来春あたりからは林業で出る廃材を利用し椅子を製作する予定でいます。」

 

 

 

 

 

「イベント事業部のFUTURE SHOCKでは第一回として11月10日に渋谷Xanadoでクラブイベントを開催します。従来のようなクラブイベントでは無く、各分野のクリエイティブな学生(特にライブパフォーマー)の「きっかけ」を創るイベントです。

 

 

 

美大生の展示会は概して、お金と時間をかけても全然人が来ない。親戚、知り合いなどしか来ずよくて50人とかもしばしば。結局自己満足になってしまう面が少なからずあります。

 

デザインという分野に入ってきた以上自分の絵が評価されないと駄目なんですよ。知人にほめてもらう馴れ合いじゃ危機感が薄い。そこで参加アーティスト70人にB5 サイズの作品を描いてもらい、当日一斉展示して約200人のお客さんに投票して頂く。そのなかで一番票を集めた1人だけが賞金をもらえる制度をとります。

 

また、DJ が音を創りだし、その音からイメージされたものをアーティストがライブペイントを行い、そのヴィジュアルイメージをVJ が映像として表現するというART JAMも行います。

 

実際デザイナーでなくとも、パフォーマーも表現方法が違うだけのクリエイターですし、やっぱり真剣に何かをやっている人はみんな同じマインドだと思います。

 

こうすることで来たジャンルの違うクリエーター同士の繋がりも生まれますし、一般の方も十分に楽しめます。

 

他にもこの事業部は全部の事業部の宣伝も兼ねてるんです。前述のコースターをイベント会場に置いたり、Style Boxで手掛けた製品も展示する予定です。」

 

「Style Box(デザイン系の事業部)では名刺、メニュー、フライヤーなどグラフィックデザイン(=実践的デザイン案件)と呼ばれるものを全部扱っています。僕たちの本業ですね。

 

最終的には商業店舗におけるデザインを送り手によって提案していければいいなと考えていて、

 

学生の方のフリーペーパーのデザインも手掛ける計画です。

 

これは何が一番いいかというと課題や授業で作った作品ではなくて本当に全部使われることを目的としている点です。ここから、「売れる流れ」を提案していけたらと考えています。」

 

「WEB系の事業部では、HPのデザイン、プログラミング、またソーシャルアプリ系のゲームのデザインやキャラクターデザインを行っています。現在は5本デザインをやらせていただいてまして、始めに10月上旬頃に「社長伝」というゲームがmixiからリリースされる予定です。」

 

「総じて僕が意識していることは各事業部を独立させるのではなくて、

 

密接な関係を持たせてより多くのことが出来るようにしています。」

 

 

 

 

★より多くの学生クリエイターに実務経験を

 

 

 

 

 

何故こういうことをやっているのかというと、僕自身が浪人して、1人の技術者として考えさせられる時期もあり一流のクリエイターが生まれる環境が創れれば良いなって。

 

僕は”デザイン”って言葉の意味はとても広いものだと思っていますし。(その辺に関してはこちら を見ていただければわかると思います。)

 

 

 

 

 

それと大学入学直後に求人票を見て唖然とし、直後にデザインとは全く関係の無い会社でインターンでは無くて有給で半年働いて、自分が創る側の目線では無く、お金を出して買う側の目線も体験しデザインが社会の中でどのような立ち位置なのか、またどれだけ創り手と買い手にギャップがあるのかをものすごく感じました。

 

せっかく絵を描くだとかモノを創るだとか、好きなことがあってアツい人達の集まりなはずなのに「クリエイター=食えない職業」という現状はとても悲しい事だと思います。

 

ただ中にはものすごく大金を手にしているクリエイティブディレクターの方もいらっしゃいます。ただ現状だとそれ以外の方も多くいらっしゃるみたいです。そもそもクリエーションにおいて、お金が尺度なのか?という疑問があるかもしれませんが、対企業におけるデザインの尺度は現実的に考えてお金でないでしょうかね。実際、利益を追求する雇う方からしたら9割9分そこじゃないですか。

 

 

 

 

 

また話を戻すと、最大の問題点は僕を含め美大生が実務経験を積める場がほとんど無いからなんです。インターンもお金が発生しないという点で就業体験にしかすぎないですし。自分の創っている物が実際どこからの需要で、どこにワークしに行ってどれくらいの現象を生み出すのかとかってすごく重要だと思います。

 

あとは個人的に1人の美大生として感じるのは、美大の環境が閉鎖的なところも問題なんじゃないでしょうか。将来自分がクリエイティブな仕事をしたいのなら、もっと社会の中での位置とかを知る必要があるのではないかと。

 

広い世界を見ても創る人と創ったものを買う・利用する人で言ったら、圧倒的に後者の方が多いですし。

 

学生のうちからもっともっと自分達が何が出来て何が出来ないかを肌で感じたい。武器を持って社会に出たいです。自分のやりたいことを仕事にするってことは人の何倍も努力しないといけないことですから。

 

 

 

 

 

また、日本では概してクリエイティブな仕事の待遇が悪いように思うんです。海外では企業の制作部というより、No.2の立ち位置。叔父がNYCでクリエイティブディレクターをやっていて昔から何度かオフィスに行かせてもらっていたんですけど、実際「現場」ってすごいですよね。日本の「現場」も覗かせていただく事もしばしばですが、海外の場合は本当に戦いだと思います。まぁその辺を話すと凄く長いので今回は割愛させていただきます。まとめると、すごくクリエイティブな現場にも日本と世界の差を感じました。

 

 

 

 

 

その原因のひとつには多くのデザイナーが本当にデザインの段階でおわることが多かったんです。本来ならばブランディングやマーケティングも出来ないといけない。現在のクリエイティブディレクターの方々は自分で売る流れを創れる。それは凄い事であって、クリエイティブなことに付いて回る「自己満足」からの解放だと思います。個人としては多くのクリエイターがそうあるべきだと思うんです。良いデザインができたけど売れなきゃ意味がない、需要があって売れるからこそ良いクリエイティブなんじゃないでしょうか。 僕も含めて全然ひよっこのひよっこなんで実務経験を積んで行きたいですし、そういう観点からUPSTAIRSは事業部を設けているんです。

 

 

 

 

 

もうひとつの原因は雇っている方のデザインに対する意識が低いということ。1億円のバイオリンと10万円のバイオリンの音色が同じだと素人が思うのと同様に、雇っている方は美大受験生の絵とプロの絵の違いはそう簡単に分からない。

 

今はモノを創っている人より買っていく人の方が多く、いいモノではなく安いモノが売れる時代です。それをどうやって変えていくかと考えた時、モノを創る側じゃない人間のデザインや美術に関してのイメージ、知識、意識を上げる必要があると思うんです。

 

 

 

 

 

僕個人としてデザインとは、「選ぶこと」。その人の人生そのものもデザインなんです。モノを買うという行為もデザイン。デザインは選ぶこと、考えることから始まるんです。

 

一般の人もみんながデザイナーであることを意識出来たら自ずとデザインに対するイメージが変わると思うので僕個人の最終的な目標は学校を作ることだと思ってます。

 

 

 

 

 

それをするってなると地位もお金も必要。だから手段として現時点では起業がベストなのではないかと考えています。

 

 

 

 

 

★読者の方に伝えたいこと

 

 

 

「行動」の一言だと思います。

 

「何かをする自分」を創るのが大学の期間。自分のことをもっと分からなければいけないと思うんです。それってたぶん考えているだけでは駄目。いつも言っているのが行動してから答え合わせをしてみればいいじゃんってこと。考えて予習してこういうプランでやりますって言っても人間のやることだから絶対にこじれる。まず行動してそれで答えあわせしたほうが荒削りだけどいい結果が出るはず。自分を創る、なにかしらやってみる。好きなものがなかったら好きなものを創ってみる。

 

 

 

一人ひとりが夢を持てば世の中は大きく変わると思います。

 

 

 

それと、どんなにソーシャルメディアが発達してもリアルの部分を大切にしてもらいたいです。

 

僕は自分の組織が何百人規模になったとしても末端の人でも絶対1回は直接話したい。

 

気持ちの部分で繋がっていきたいですね。

 

 

 

 

 

★神崎さんおすすめの本

 

本を読むのであれば、著者が生きている限りその人に直接会いに行ったほうがいいと思います。

 

 

 

 

 

【文・写真…長瀬晴信】