アメリカ留学中、ニューヨークの宿で出会ったプロダンサーにこう言われた。

 

「好きな仕事で一生メシを食うという覚悟を決めるのは難しい。」

 

好きなことをやり続けるのって、覚悟が必要なのか。

 

当時、関西外国語大学3年生の小原康徳さんは、将来の進路をぼんやりと考えた。

 

「努力しても報われるか分からない。けれども、せっかくやるんやったら、好きなことで努力しよう」

 

覚悟を決めた。

 

英語が好き。海外に関わる仕事がしたい。

 

◆小原康徳(こはら・やすのり)

912月生まれ。大阪府和泉市出身。関西外国語大学在学中に米フロリダに1年間留学。大学卒業後の144月、中学生を対象に教育資料の販売などを手がける㈱エフェクトプランに入社。同年8月から同社の新規事業である英会話オンライン「EIGODO」の事務局に異動。

 

それから4年経ち、社会人2年目となった小原さんは今、㈱エフェクトプランという会社で、オンライン英会話スクールの新規事業を手がけている。

 

その名もEIGODO

 

世界中にいる日本人講師が24時間体制でレッスンを提供してくれるオンライン英会話教室だ。もちろん、日本唯一。

※日本人講師にこだわる理由はコチラ

2020年までには、講師がEIGODOだけで飯を食っていけると言えるぐらいにまで、EIGODOを大きくしたい。DMMさんやレアジョブさんなどのオンライン英会話大手でも、まだまだ講師が指導一本で生計を立てられるまではいっていないので。」

 

わずか2名在籍の新規事業部の一人として奮闘する。

個人の顧客集めに奔走する日もあれば、社員研修教育に使ってもらえるよう、法人営業に回る日もある。学生団体にアプローチして、彼らの横のつながりを生かして大学生内の認知度を上げる試みも行っている。

 

奇をてらった近道はない。泥臭くEIGODOのために走り回る。

 

「もともと弊社は営業の会社なので、集客力は少し弱いですけれど、交渉力は長けている会社。なので、そこで勝負しないといけないと思っています。」

 

上司にサポートしてもらいながら、見よう見まねで営業力を身につける。

家でもYoutubeを見ながらビジネスマナーを特訓。

 

休日に古着屋巡りをしたときも、衣料の買い付け先が海外だろうと見込んで、オンライン英会話の需要を店員に探ったこともある。

 

しかし、この努力の履歴を小原さんは涼しげに語る。仕事がつらい、辞めたいと嘆く素振りを感じさせない。

 

「ほんまに好きなことをやらせてもらっている。会社としても全部が初めての事業なので、とても楽しいです。思うようにいかんなということはめちゃくちゃありますけど。」

 

楽しい、好きなこと、というフレーズが自然と口からこぼれる。

 

世間では、2016卒の就職活動シーズンが始まった。

 

彼ら就活生へのメッセージを尋ねると、1分ほど沈黙し、静かに口を開いた。

 

就職活動はせっかく1回しかないんやったら、妥協したり、給料で判断したりするんじゃなくて、絶対に好きなことをやった方がええと思います。

 

いま僕は好きなことをやっているので、朝早く会社行こうが、夜遅く家に帰ろうが何とも思わないですけれど、嫌いな仕事やったらどうなるんやろって考えたら・・・想像もつかないです。

 

僕の周りの友人にも、新卒で入った会社を1年経たずに辞めてしまった子が何人かいます。もったいない。

 

例えば、営業を嫌いな子が、「ここしか受からなかったから」といって不得意でもあえて営業職に入ったら1年もしないうちにやめてしまう。

1年目でこの仕事が合っているか合っていないか決め付けるのは早いけれど、もし仕事内容が好きなことだったら、もっと長く頑張れます。

 

就活生は自分がどの仕事に合っているかどうかなんて分からないのだから、好きなことを選んだ方がいいと思いますね。

 

 

好きなことに関わることなら、楽しく努力できる。

 

小原さんは留学時代、毎日英語で日記を書いていたという。

 

筆者の私は現在就活生。

 

私の好きなことって、なんだろう。

 

これは好きだけど、職業に紐づけできるかなあ。

 

これも好きだけど、人気すぎて倍率高いなあ。自分なんかじゃ無理かなあ。

 

リクルートスーツを身にまとい、今日も考える。

【執筆:吉田健一 写真提供:小原康徳】