『50年後にも、静岡県に大学生はいますか?』

ホームページでは、衝撃的な問いかけがなされている。

これは、きっと静岡だけの問題じゃないはず。

考えもしなかった、私たちが生きる地域の未来。

大切な地元の未来を、見つめてみませんか?

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【静岡時代とは?】
「大学生メディア」づくりを起点に、県内大学生のネットワークを構築し、大学の専門知を集めて地域の社会課題に取り組む大学生のシンクタンク。
静岡県のプレゼンスを向上させ、静岡県の大学への進学を希望する若者を増やし、卒業後も静岡で生きて行きたいと思える社会をつくることが目的。静岡県下最大の大学内雑誌『静岡時代』をはじめ静岡県公式ソーシャルメディア「静岡未来」を企画制作。
実活動を現役大学生、事務局運営と資金調達をOBOGが担当。
第27回静岡県文化活動奨励賞受賞/日本全国の学生フリーペーパーの祭典「SFF2014」最多評価/一般社団法人日本地域振興会「日本タウン誌・フリーペーパー大賞2014」コミュニティ部門優秀賞受賞

 

静岡時代の目的

静岡時代が認識している、静岡の問題とは?

 

人口転出率2!? 静岡で学ぶ人、暮らす人を増やしたい!】

自然も、歴史も、都市も、交通も、美味しいものも、十分にある。

静岡県に住んでいて、困ったことがあっただろうか。

しかし、2013年の人口転出率はまさかの2位。

その理由は、静岡県ならではの良さがはっきりと認識されていないからだと静岡時代 代表 鈴木智子さん、理事 服部由実さんは言う。

 

大学進学は、若年層の人口が入れ替わるタイミング。

静岡県内への進学希望者を増やすために、静岡県の大学の魅力を十分に伝えることがカギとなる。

 

静岡県で学ぶことの面白さを伝え、自分たちの手で、“今日も静岡県に大学生がいるいいこと”を「つくる」。

 

それが、『静岡時代』だ。

 

 

【心を動かす『静岡時代』へ】

『静岡時代』をつくるのは、県内の大学に通う大学生。

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毎号編集長が変わるため、どの号も個性豊かなテーマになっている。

 

鈴木さん「基本的に全てを学生に託していますが、

作って終わりの団体になってしまうと自己満足になってしまいます。

そこで、静岡時代としての軸はしっかり持っているか、『静岡時代』として出せるものか否かを考えているかどうかという点は、常に気にかけています。

 

服部さん「静岡時代は毎号テーマが変わって、一見するとどの号も全く違うように見えますが、

『静岡時代』には3つの約束があります。


「静岡県の大学の学びの情報誌であること」


「静岡県の土地柄を出すこと」

「主張を持つこと」

です。

これに加えて、季刊紙なので季節感を出すことも重要です。

 

私たちの疑問は静岡県の大学の学智でどう紐解けるのか、

私たちが学ぶ静岡県とはどういう土地なのか、

読者をどう動かしたいのかを常に考え、

巻頭から巻末まで全てに練り込まれています。

 

人口減やグローバル化で世界中から大学が消えるなか、

「静岡県の大学で学びたい」という人を増やす。

 

自分の知的欲求や疑問を掘り下げる人と場所、価値観が身近にあるということを伝えています。」

 

 

 

鈴木さん「常に知的好奇心がくすぐられるような静岡県を、大学生を通してつくっていくことは大きな目標のひとつですね。

『静岡時代』でやりたいことをなし得て、学生が名前を出して情報発信できるようになれば、

大きな力を持つメディアになると思います。

学生には、自分の発信することが社会や人にどんな作用を及ぼすのかを考えながらつくって欲しいなと思っています。」

 

服部さん「『静岡時代』ではそれができていると思っています。

もちろん最初からできていたわけではなくて、創刊10年ようやく、ごく最近の話です。

 

とても誇らしいことですね。

時代の節目節目の先輩のがんばり、残してくれたものや支援者のみなさん、

そして現役生の頑張りには、頭が上がりません。」

 

鈴木さんも服部さんも嬉しそうに頷いた。

 

 

 

静岡時代を継ぐ

学生時代から卒業後も事務局として静岡時代に携わっている2人にとって、

静岡時代はどんな存在?

 

【静岡時代があってよかった、を増やすために】

服部さん「“静岡県の大学に進学してよかった”と本心から実感できたものが、『静岡時代』です。

静岡時代で学べたことは大学や自分の内面にも持ち帰ることが多いです。

そういう意味で、学生時代に、静岡でしか学べないことを大学内外で学べたという自負はありますね。

 

 

 

それに、学生時代にある大学生からもらった嬉しい言葉があるんです。

「静岡の大学に進学して、『静岡時代』があって良かったよ」という声です。

なんで?と聞くと、「自分にはない価値観を教えてくれるから」と言ってくれました。

 

自分以外の誰かにとって、静岡で学んでいて良かったと実感できる理由になっていること、

それをつくれていたことが本当にうれしかった。

 

 

だから、こういう声をもっと増やしていきたいと思ったんです。」

 

 

 

静岡時代における服部さんの主な役割は、

 

『静岡時代』における企画・制作の責任者であること。

また、静岡時代の活動を広報し、支援者(賛助会員・寄付)を募ることも重要なお仕事だという。

 

その中でも毎回頭を悩ませているのは、

 

大学生の主体性や編集長の個性を活かしながら、『静岡時代』として出せるものかをシビアに見極め、

学生の思考、表現を持ち上げることだという。

 

 

服部さん「編集長の個性を活かしつつ、『静岡時代』として出せるものをつくるために、

 

学生との意見衝突は避けられません。たまに傷つけ、傷つきます(笑)。

 

でも厳しい話、『静岡時代』をつくるうえで、自分のなかで、読者・活動を応援してくれる方(取材先含む)・『静岡時代』が最優先なんです。

 

それでも、完成させる度に学生が嬉しそうだったり、ちょっとでも学生に変化があったり、読者から反応が返ってくると、それまでの苦労がチャラになりますね」

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時には、学生が嫌になるほど追い込むこともあるという服部さん。

 

そんな服部さんにとってのやりがいは、支援者とこれまで学生が積み上げてきたものにあるという。

 

服部さん「社会人になってからは、掲げているミッションを行動で返していきたいと思うようになりました。

企画をきちんと始動させ、取りかかる姿勢を見せ、

静岡時代の考えていることを外へ発信する。

静岡時代がNPOとして社会的な存在価値を示せるよう、先送りせず取りかかる。

 

私たちのやりたいことなんですが、

静岡時代の果たす社会的責任を強く感じるようになりました。」

 

【大学生の可能性を広げたい】

鈴木さん「私にとって静岡時代は見える世界、そして人生を変えてくれた存在です。

静岡時代を通して県内のいろんな人にお会いできたことによって、

社会は自分と思った以上に繋がっているということに気付きました。

静岡時代という名前を活かすことで、大学生の活動の可能性はまだまだ広がっていくはず。

そう思ったから組織を残していきたいと思ったんです。」

 

現在は静岡県庁と共同運営するFacebookページ『静岡未来』を主に担当し、企業や自治体と話をすることが多いという鈴木さん。

どんなことにやりがいを感じているのだろうか。

鈴木さん「社会人になってからは、対応してくれる方の期待に応えたいということ、

そして自分たちの意志を引き継いで活動してくれているスタッフがいるということにやりがいを感じています。」

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「服部さんのようなスタッフに、これから何か還元できるものを生み出せたらいいなと思っています。」と語る鈴木さん。

 

 

静岡時代に懸ける

もっともっと、静岡時代にできることがあるはず。

 

【学びたい、暮らしたいをもっと増やす】

まだまだ高校生に浸透していない『静岡時代』。

静岡県内で進学するしないにかかわらず、高校生にはもっと県内の大学や地域について知って欲しいという。

 

服部さん「進学希望者を増やすため、『静岡時代』の重要ターゲットは高校生です。

一部の高校には、進路指導用として『静岡時代』を配布していますが、

まずは高校生に確実に届くようにクラスに1部でもいいので置きたいですね。

 

あとは誰でも、いつでも見れるよう高校生向けのウェブ媒体の展開も考えています。」

また、静岡で生きていきたい人を増やすために、大学生と県内企業が集まって「はたらく」を考える就活イベントの開催も考えているという。

 

服部さん「もう一つ重要なのは「出口」の部分です。

全国の企業や自治体で、静岡県の大学の卒業生が活躍することも、静岡県の大学のプレゼンス向上に繋がります。
でも、静岡県の大学で学びたいと集まった人たちが、そのまま他府県へ就職してしまったら、

静岡県の人口流出の問題の根本的な解決にはなりません。

 

実は2009〜2012年まで年1回、就活イベントを開催していたのですが、現在は途絶えてしまっているんです。

だから年に1回開催できるだけの基盤を整えたいですね。

 

就活イベントは来年度に必ず実行したいもののひとつです。

 

【文だけではなく、組織も編む編集者に】

鈴木さんは、所属する学生がより編集者になっていくような組織をつくりたいという。

鈴木さんの言う編集者とは、どんな存在なのだろうか。

 

鈴木さん「時代と共に、組織は変化していきます。

学生には輪の中に入ったら、企画や文章だけでなく、

静岡時代や出会ってきた人・機会によって、その時生み出せるものの価値を、

常に最大化しようとする編集者になって欲しいと思っています。

現在の静岡時代には、所属学生にとって先輩世代である私や服部が常にいますけど、

もともと私たちも大学生として、なんとかこの組織を維持しようとその時なりに頑張ってきました。

 

つくる雑誌のレベルにしたら到底いまの編集体制には及ばないけれど、必死に関わってきたことは言えます。

運営部がある現在も、この組織における“学生の自治”は、

法人運営における大きなテーマでもありつづけています。」

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静岡で生きる人のために、

静岡時代が、静岡の未来をひらく。

 

これからもずっと、

静岡時代があってよかった。

学生にも、地域にも、社会にも、そう言ってもらえるように―。

 

静岡時代

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@shizuokajidai

【文・写真 市川陽菜】