弘田くん表紙

次に、日本で災害が起きるのは、いつ、どこでしょうか。

答えは分かりません。
突然発生し、私たちのそばにいる大切な人、モノを奪っていく災害。
 

4年前、東北で大きな地震が起こりました。

そして今もなお、仮設住宅で暮らしを送る人々がいるなかで、
たくさんの人々が東北に通い、復興活動を行っています。

「全国の東北や防災に関わる合同合宿『Tohoku ’’RE’’ Days』」の代表を務める 弘田光聖さんも
高校時代から現在に至るまで
東北に関わり続ける人の1人。

2015367日と2日間にかけて行われる Tohoku ‘’RE’’ Days』への想い、
そして東北への想いを伺いました。

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立ち返る。変わらぬ日常で再スタートを切る起爆剤となるイベントへ。

―『Tohoku’’RE’’Days~若者が震災を考える2日間~』は今年で2回目。どういったイベントなのだろうか。

『Tohoku”RE”Days~若者が復興を考える2日間~』は東北や防災に関わる学生による合同合宿です。2回目となる今年は1泊2日で、初日は学生同士のつながりをしっかり作る場として対話や学生プレゼンを通して、いろんな地域から来た人たちが集まり、繋がり、話し合う時間。

2日目は東北のNPOで働いている人をお呼びして、『復興』の定義の共有、関わり方について、東北のニーズも共有しながら東北に関わること、その行動に込められた想いまで紐解いていける時間にしたいと考えています。 学生から社会人となった後も、自分の生きる道として復興支援を行っている人たちの話を聞いて、それぞれの想いを共有する。

震災から5年目となる今、学生の立場から東北において何ができるのか話し合う。学生の立場からできることには限界があるかもしれない。だけど、それでもできることを模索してやり続けようと行動する人を集めて、意志の結び付けができたらと思っています。

―行動に込められるそれぞれの想い。そしてその結び付けの場となるのが『’’RE’’Days』。すれ違いそうになる想いをしっかりと結び付ける意図。

時間も刻一刻と過ぎて行って、風化も進んでいく。時が進むなかで、今後東北へどういう関わり方をしていくのかそれぞれの価値観を共有できる場にしていきたいですね。

また、社会的に求められるニーズと、自分自身が求めるニーズに正直でありたいと思っています。やるべきことにとらわれ過ぎず、「誰かが言っているから」とか「頼まれているから」ではなくて、自分が求めていること、見たい景色に基づいて正直に活動すればいいと思うんですよ。 それぞれ『やりたいこと』があると思うんです。

それをどう『やらなければならないこと』に結び付けていけるかが支援に関わる人、そして僕自身にとっても大切な事だと思います。

―繋がりの意味。共有する場の必要性。その問いは代表を務める弘田さんが何度も向き合ってきた問いであり、投げかけられる言葉でもあった。

人と人との繋がりは可視化できない。だけど、成果が可視化されるようなビジネスプラン、アクションプランコンテストをやったらどうかという話ももらうけど、僕はコンテストが好きなわけじゃないし、やりたいわけでもない。

それよりも『やりたい』という想いがいろんな人との繋がりのなかで後押しされて実現する。そっちの方が見たい。やっぱり『”RE” Days』の売りは人と人との繋がりだと思うんで。 学生という身分を大切にしたい。自分のやりたいことに正直であれる期間だからこそ、いろんなかかわり方があっていいんだよと。自主的に参加者が成果を出してくれたら、その手助けができたら嬉しい。

なんとなく薄いけど支え合う繋がりを作れるもの。全国から東北のために活動してる人たちが集まり、こんなに仲間がいるんだということを感じ、今後もまだまだ続けていく社会人の話を聞いて、自分の行動は間違ってなかったんだ、これからも支え合っていけるんだと実感できる場になるんじゃないかと期待しています。

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偶然のきっかけが連鎖して形作られた現在。

―「どうして東北に向き合い始めたのか。」そんな問いを持った私が弘田さんへの想いのきっかけを聞くと、引き出されてきたのは大学入学後の出逢い、そして高校時代の話だった。まずは大学での、学生団体『Investor』と出逢い。

最初、復興支援を始めたのは乾陽亮さんや大前拓也さんが運営されていた学生団体『Investor』との出逢いがきっかけでした。社会貢献の日常化を意識して楽しい防災を学ぶ機会や多様な価値観を提供する『Investor』を通して東北のバスツアーや防災キャンプに参加して、いろんな人と交流することが楽しくて。

高校2年生のときに震災5か月後、震災ボランティアに参加したんですよ。そのとき感じた1番の想いとして無力感があって。その無力感は自分の生活と比較したとき、生活を失った人たちがいるのに自分はなぜ本気で生きていないんだろうと東北に向き合うことで自分の生活と比較したとき、歯がゆさ、不甲斐なさを感じた。

それで、大学生になったら、部活も辞めて、東北のボランティアに力を入れてやろうと思って、探っているうちに『Investor』と出逢って。

―その『Investor』の出逢いのもとになった高校2年生での震災ボランティア。幼少期から続けてきた野球との関わり方に迷いが生まれた高校時代。そんな時期に東北で震災が起きる。

高校時代に東北に行ったのは偶然だったんですよ。そこで、自分の無力さ、弱さに気付いたんですけど、こんなに幸せなはずなのに、もっと本気で生きていない理由はなんだろうと考える機会は元々多くて。 そんなとき、東北の震災を見てなにかできるはずだと思ったんですよね。その好奇心に煽られて行った。

行ったのは夏休みだったんですが、当時の監督に4日間練習休んで行ってきますって伝えて。受け入れてくれて。 野球も上手くいっていない時期で、視野を広げたいと思っていた時期でもあったんです。誰かに必要とされたかった時期でもあって。僕自身も毎日一生懸命生きていなくて、自分の存在価値を見出すことができなくて。野球もレギュラー取れないし、試験もAO入試だったし。

その人生に迷っていた時に震災が起きて、自分に何ができるだろうと思って、行った。そして、存在価値について考える自分がかっこ悪いと思うようになった。生きたくても生きられない人、当たり前だった生活が送れなくなった人と関わるなかで、生活の有難さを噛みしめて生きることができるようになっていった。自分自身に素直になって生きていなかった自分が鮮明になった。そこから、自分が何を成し遂げたいか考えるようにもなって。 

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また日本で災害が起こっても、再結集する仲間を。

―弘田さんの分岐点となり、現在も大きな影響を与える東北。今後はどんな関わりを見せていくのだろう。

今後というか、直近ですが2,3月に障がい者支援や障がい者雇用に特化した会社に縁があって、インターンさせていただきます。そこにもこれまでの東北での経験と自分自身の無力さ、大事な一瞬一秒を常に大切に本気で生きていない自分に情けなさを感じていた当時の気持ちが残っていて。

世界の発展途上国を見ても3秒に1人飢餓で亡くなっている事実がある。日本にいたら当たり前の生活がありますが、発展途上国に行けば、ぎりぎりの事実があるにもかかわらず自殺者が出ていない。しかし、日本は3万人以上の自殺者が出ている。

自分自身も高校生の時に東北に関わる前は運動神経が良くない、不幸だ、勉強ができないという部分しか考えられなくて、一瞬一瞬強く生きることができなかった。それができていない自分は情けなさ過ぎる。その想いが今の活動の原点になっている部分ですね。

だから本気でやりたいし、本気で楽しみたい。自分が求めている人生に東北での活動は欠かせないし、自分の求めているものと東北のニーズを重ね合わせていきたいですね。

―『震災』、『復興』。そのキーワードに弘田さんの東北への想いは限定されない。何よりも自分と向き合うきっかけを与えてくれた東北が好きだからこそ。

単純に東北が好きなんです。観光もするし、友達もいるし、何かあったら駆けつける場所。生き方を考える分岐点になった場所が東北なんですよ。だからこそ、自分の人生の在り方を考えさせてくれた恩返しを、復興支援という形で、大学在学中は続けていきたいですし、そのバトンを後の世代へ渡していって、団体が継続していけるように尽力する。

東北に対して活動してる人は素敵な人ばかりで、人間的にとても好きなんです。『この人と一緒に、東北のためにこんなことをしたい』っていう人がたくさんいる。だからこそ東北に関わっている人たち、もっともっと関わり方を広げていきたいという人たちを繫げるような場、機会を作っていきたいですね。優しい心と強い意志。そんな人たちと集まって、想いを共有する。自分自身が変わってきたからこそ、提供したいんです。

 何十年後かにまた災害が起こったとき、もう一度『がんばろうぜ』と集まれる繋がりが続いていくように。その最初のきっかけ、起爆剤となる場に 『”RE”Days』がありますし、3.11で学んだ未来、東北の方々が風化せぬよう伝えてくれたからこそできた成果や社会を胸に誇っていける仲間を作っていきたいですね。

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導かれるように東北と出逢い、 東北という存在は弘田さんの人生の鍵となった。

同じように、東北に関わる、 また関わりたいと思う人へ、彼は寄り添うように媒介となる。

『見たい景色に、正直に。』

3月5日、6日。 仙台で意志と意志が結ばれる場が開かれます。

Contact(申し込みは2月20日23:59まで!!)

『Tohoku ”RE” Days2015』公式サイト

Facebookページ

 

【文章:江口春斗】 【写真提供:弘田光聖】