僕、人と同じことするのが嫌いなんですよ。

なんだろう、人と同じことやってたらトップになんて立てない。

僕の人生は、僕のもの。好きに生きていく。

 

 

白川龍

高校卒業後、フリーターへ。オリジナルバンドを結成して活動していた。だが、2年程で解散へ。

21歳の時に、アルバイト先が潰れるとともに、ゲーム業界に流れつく。

二次元美少女オンライン麻雀ゲーム「桃色大戦ぱいろん」のプロデューサーを経て、2014年の6月にキャラクター制作会社を立ちあげる。

         

Lien:白川さんって、どんな人ですか?  

 

白川:根は、引きこもりですよ。でも、アクティブな引きこもり。レンタルビデオ店のDVDをすべて借りて家で見たいんです。

 

でも、それはできないことなんですよ。僕、大人だし、金稼がないといけないから。だから、その反動で外に行く。とにかく、動く。  

 

あとね、人と同じことをするのが嫌いです。同じことをすると、トップになんか絶対にいけない。  

 

僕、エヴァが好きなんですよ。

エヴァって、当時の暗黙の了解(アニメの方法論)を全部無視した作品だと思うんですよ。しかも、いろいろと研究されてる。これこれの裏には、このような設定があるのでは?と言われている。  

 

 

 

Lien:エヴァ、僕も好きです!  

 

研究されるのってかっこいいですよね。これは自分が関わったゲームにも影響してる。プレイしてくれる人に、謎・探求心を持ってもらう。これは、自分の作品の要素でもある。

設定に関して、僕は50%位しか決めない。残りはプレイした人の頭の中で広げてもらう。    

 

新ジャンルを作るのが好き。エヴァのような。ずるいことが好きなんですよね(笑)暗黙の了解を無視して横から飛び込んでくるの。        

 

 

 

Lien:白川さんにとってサブカルとは何ですか。  

 

白川:サブカル(=娯楽)は、生活の中に無くてもいいものという割り切りを持っています。すごく大事だけどどうでもいいもの。そこにサブカルとしての価値があるのでしょうね。  

 

だから、そこにサブカルを作る側としてのおごりはないですね。

この覚悟をもっているかどうかで、サブカルの質が変わると僕は考えます。      

 

 

 

Lien:無くてもいいものとは私の想像 と全く違う考えが聞けて衝撃でした。 「桃色大戦ぱいろん 」という麻雀ゲームのプロデュース、運営に白川さんは5年間携わりましたよね。その間に得たものってなにかありますか。  

 

白川:ハッタリをかますことですね。うそをつくこととは違うんです。

 

出来るかわからないけど、「出来ます。」と言ってしまうハッタリ。そういうハッタリをかますことができるようになりました。

人がやらないこと、嫌がることを「出来ます」「やります」って言うことで、他の人が得ることのできなかったものを手にいれることができる。明日の自分の成長にかけて自らに課題を与え、やりきる。 成長のために‘”ハッタリ”をかますことができるようになりました。  

 

 

 

Lien:では、逆に失ったものはなにかありますか。  

 

白川:失ったことだらけですよ(笑)

ずばりいろんなことが下手になりましたね。5年間、携わることで管理職という地位を持ちました。

 

その結果、たくさんの部下ができました。だから部下に指示を出せば仕事やってくれるんです。僕は責任をかぶる代わりに細々とした仕事をやらなくなったんです。けど細々とした仕事がほんとは大事で、会社をもったその感覚を思い出すのが大変です。

 

そういう点では管理職になって失ったものは多いですよね。部下と上の人の立場にはさまれた中間管理職は女性2人にはさまれた男みたいなもので簡単に言えば三角関係みたいなものです。結構精神的に堪えますよね(笑)      

 

 

 

Lien:白川さんの信念を教えてもらえますか。  

 

白川:人間は進化しない。これが僕の考えの基点です。

 

これについては反論もいっぱい聞いてきたし、いいんです。

 

ただ僕はこう考えます。 つまり文明環境によって人間は進化しない。「牛食べたいな。狩りたいな」と思って壁に牛書いた大昔の人間がいる。

 

「こんな女の子と仲良くなりたいな」と思って二次元の世界で萌える絵を書く人間がいる。これって根本は一緒だと思いませんか。

 

確かに時代の流れで技術は変化した。でもそれは、あくまで表現技法におけるchangeであって人間自体におけるprogressでない。人間にもそれが言えると思うんです。たぶん得た分と同じだけ何かを失ってるので、「総質量は変わっていない」というイメージですね。

 

だからサブカル(=娯楽)を創るときには、“どの時代に持っていっても面白いもの”を自分は意識しています。  

 

 

 

 

Lien:最後に大学生に一言もらえますか。

白川:この質問難しいですね(笑)僕は大学生に馴染みがないので難しいですね。

 

でも強いていうなら「真面目すぎるし普通を大事にしすぎ」と思いますね。大学生のみんなが守っている常識は、すごく偏っている考えだから危ないと思います。みんなと違うことをやっている奴にしか、新しい世界は見えない。

 

だから普通に走る学生が怖いし、かわいそう。内部からではなくて外部からの観察者として学生を見ると、市場に並ぶ商品みたいに社会から扱われている気がする。学生はそれを疑ってみるといいのかもしれない。  

 

あっ、あと新歓コンパの時期に新宿駅前で看板を持っていろんなサークルが集まるのは、すげー邪魔だからそれだけはやめてほしい(笑)    

大勢の人が進むような道には進まない。進みたくない。

“人と同じ”を嫌い、自分を大事にする。そうした道のりを経て現在の白川龍がある。

そんな彼の生き方はまるで主流文化の傍らで

今や世界からも注目されるようになった日本のサブカルを見ているようであった。

【インタビュー・執筆  蛭川達基板垣そうし】