1【プロフィール】

電通若者研究部 通称”ワカモン” 竹山香奈
1988年生まれ。2011年電通入社。
広告戦略、事業戦略、商品開発、地域活性化など、幅広いプランニング業務に従事。
電通若者研究部(ワカモン)では、関西圏の学生との関係構築を行う他、
ナレッジを生かした新事業プランニング、企画開発を行う。
(電通報プロフィールより)

 

 

先日、とあるイベントに呼ばれた。

 

Social Soylution Summitと名付けられたその場所に、
集められたのは多数の若者たち。
集めたのはワカモンと名乗る謎の組織。
壇上に上がる大塚製薬様。
繰り広げられるグループワーク。

 

なるほど、分からん。

分からん以上は、聞いてみるしかない。

自分の目で、耳で、確かめるのだ。

 

Chapter1:で、ワカモンってなんなんですか?

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ーそもそも、なぜ僕が大塚製薬様のSSSなるイベントに参加しようと思ったか。
その背後に見え隠れする電通若者研究部という響きに惹かれたからだ。
この通称”ワカモン”がどんなことをしているか、率直に聞いてみようと思う。

 

名前の通り、若者のことを研究している電通のプロジェクトチームです。
私自身は電通関西支社の中の、マーケティング領域を担当する部署で主に働いているのですが、
ワカモンは所属部署を問わず、社内横断的に集まったプロジェクトチームです。

 

ーなるほど。
どうも僕達若者は電通という会社に研究されているらしい。
一人の若者としてやや気にかかる話である。

なぜそんな事をするのだろうか。

 

電通という会社は広告会社なので、その名の通り、
多くの人に「何か」を広く告知する仕事をしています。

伝えた相手の気持ちを動かし、行動を起こしてもらうように企む仕事。
なので、その伝えるべき相手が、
今どんなことを考えていて、何に興味があって、どんなことで喜んだり、へこんだり、がんばったりするのかを知っておくことがとっても重要なんです。
ワカモンの他にも、お母さんを研究対象にしている「ママラボ」や、
若い女の子を研究している「ギャルラボ」など、
電通の社内にはプロジェクトチームが数多くあるんです。
部署や地域の隔たりもないので、イメージでいうと、社内での部活動というかサークルみたいな感じかも。
もちろん、遊びではなく真剣にビジネスとして取り組んでいるんだけど、
少人数ということもあるし、企画の進め方や、メンバー内の関係性が、普段所属している部署とは異なるチームの在り方なんです。

 

ー「部活動」「サークル」という言葉が出てきた。
自分の思い描いていた「社会人」の姿よりも、竹山さんはずっと楽しそうに見える。

その理由をもっと知りたい。

 

Chapter2:具体的にどんなことをしてるんですか?

ーここまで話を聞いても、やっぱり具体的に何をしているのかワカラン。
ので、やっぱりここは踏み込んで聞いてみることにしよう。

 

ワカモンでは主に10代〜20代の「若者」を対象に、調査や共同ワークを行いながら、
生活実態をとことん分析して、そこから得た知見をリリースやコラムといった形で発信したりしています。

そういった知見開発と並行しながら、若者と企業の間に立って、
若者をターゲットとして企業のさまざまなプランニングに携わっているんです。

その一貫として、今回のSSSのようなイベントを実施したり、学生を巻き込んだプロジェクトを立ち上げたり、商品開発を行なったり、
さまざまな活動をしています。

 

今年開催した「Social Soylution Summit」はその「イベント」にあたるもの。
そもそもは大塚製薬様が大豆を通して社会をより良くしていきたい、という理念を持ってらっしゃったので、
それを「Soylution(Soy×Solution)」というコンセプトワードをつくり、
その理念を、大学生に向けて伝えていくためのお手伝いをしました。

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ーSoylution……少々記憶が曖昧のようだ。
改めて説明してもらおう。

 

様々な社会課題を解決するためのコアに「大豆」を据えてみよう、
大豆で社会に存在するさまざまな課題を解決しようっていうのがSoylutionの理念です。
食糧問題を例にすると、牛肉を1kg作るには大豆などの穀物を10kg使用している、という事実がある。
なら、牛肉ではなくて、大豆を食べることで食料危機を救おう、大豆をもっと美味しく食べよう、というのも、Soylution。
大豆は、低GI食品ですし、様々な点で長寿食などと言われて注目を浴びてもいますね。

 

ーそれとワカモンとどんな関係が?

 

「大豆で社会を救う」
と唐突に言っても、そもそも若者って大豆にあんまり興味ないでしょう?

改めて「
大豆って?」
と聞いても、

「地味?」「質素?」「豆腐くらいしか思いつかない。。」

というのが自然な反応だと思うし、そういう若者の気持ちをワカモンとしてはある程度分かっている。
と同時に、そんな若者たちの気持ちを動かしたらどうしたらいいか、という方法もワカモンだからこそ、考えられるんです。
単純に「考えよう」と言っても、考える訳もないので、
体験型のグループワークを通じて

「どうすれば大豆を学生に身近に感じてもらえるか」

をみんなで一緒に考えてもらうという方法でコミュニケーションをとったら、みんなは大豆にちゃんと向き合って取り組んでくれていたよね。

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大塚製薬様の考えるSoylutionを若者と一緒に実現していくには、若者がどこでやる気になって、何に必死に頑張るのか、きちんとツボを押さえる必要がありました。
ワカモンはそのお手伝いをさせていただいた、というのが今回のイベントです。

 

ーそういえば自分も「大豆なんて節分以外食わない」などとふざけながら、
必死に課題に向き合っていたなあと、改めて気づく。
グループワーク形式の話し合いは心が踊った。

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結果として、東京では明治大学で、大阪では関西大学の学食で、
学生が考えたプランのもと、学生に大豆を身近に考えてもらうためのメニューが提供されました。
大塚製薬様のSoylutionというコンセプトに、若者を巻き込んでいくお手伝いをさせていただいたって感じなんです。

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実際に関西大学で提供されたメニュー

ーなんとなくワカモンの姿が見えてきた気がする。

 

 

Chapter3:ところで、竹山さんは。

ー僕は、若者を研究するワカモンの若手、竹山さんの話に耳を傾ける。
彼女はワカモンとして、また一人の若者として、何を考えているのだろう。
まずは今の会社を選んだ理由から。

 

私が今の会社を選んだ理由は、すごく単純です。
「自分が好きなものをつくりたいから」
それだけです。

私は、TVが好き、映画が好き、雑誌が好き、グラフィックデザインが好き、ファッションが好き、スポーツが好き。
本当にいろいろなものが好きで、それら全てに関わってみたかった。
そう思いながら就職のことも考えていて、電通という会社なら、その「好き」がたくさん詰まっていそうだな、
と考えて志望した結果、運良くここに収まったという感じです。

 

ーさらっと凄い事を言っているような気がする。
なんといっても天下の電通なのだ。

 

私は決して特別なわけではなくて、少なくともワカモンのみんなは
「自分のやりたい事をいかにビジネスとして実現していくか」
ということを真剣に考えている人が多いですね。

音楽好きな人はいかに音楽をビジネスにしていくか!というように。

 

ーそれはえてして、自分の好みの「色」が出てしまわないのだろうか。

 

広告会社で働いている以上、
自分のことも、相手のことも客観的に見る、
ということが大切だと思います。

「色」はもちろんみんな持っていながらも、自分の好みについて、どうして好きなのか、他の人と、どの程度認識が違うのか、
どうすれば違いが埋まるのか、ということを把握しながら仕事を進めている気がしています。

 

ー好きだから、きちんと研究対象にする。一歩引いて観察する。
ということか。

 

そうですね。
それは非常に大切なことかな、と思います。
私は、もともとあまり感情が入り込み過ぎず、どこか一歩引いて物事を見る癖があったのですが、
より意識してフラットに捉えようとしています。

 

 

今のワカモンでの仕事も、すごくちょうどいい場所にいることができているな、と感じていて。
私の周りには「あ、いたいた!」っていうような、ワカモンで分析している若者像に当てはまる
The イマドキの若者」マインドを持った人がたくさんいます。
と、同時に、
若者が何を考えてるのかさっぱり分からない!
という年上の人たちとも仕事をしています。
そして私自身は、区切りでいうとまだ「若者」ではあるけれど、
いわゆる「学生」とは異なる価値観で自分を含めた3者を観察できていて。

すごくたくさんの発見に囲まれた毎日です。

 

 

Chapter4:さいごに

ー最後に聞きたいことがある。
「ワカモンは僕ら若者にとってどんな存在になろうとしているのか」
竹山さんはワカモンの一員としてどんな風にお仕事を続けていくのだろう?

 

今回のSSSで改めて、やはり大学生に代表される「若者」のみなさんに
とてつもないポテンシャルがあることを感じました。
決してお世辞とかではなく、打ち解けるのは早いし、柔軟だし、ロジカル。
それは、変に「就活」みたいな堅苦しい雰囲気がなかったからかもしれないけれど、
イキイキと課題に取り組む姿はどの地域でも同じだったな、と。

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『きっかけさえあればスゴい力を発揮する』

これは今までのワカモンの活動を通じて得られた1つの答えです。
なので、これからはそんな若者の心の火をつける、キッカケを作っていく、
それがひいては企業や社会全体の幸せにもつながっていく。
そんな存在になっていきたいですね。

 

 

知らないと、不気味だ。
知らないと、好きになれない。
知らないと、伝えられない。

 

「物足りない大豆」はとんでもないミラクル食材で、
「電通の竹山さん」は気さくで親しみやすい。
「イマドキの若者」はとてつもないポテンシャルを備えていた。

 

それらをまず、知ろうとすること。
きちんと観察し、丁寧に分析し、好きになること。
その大事さを、竹山さんとワカモン、SSSとの出会いに、改めて学んだ。

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【文・写真 藤本賢慈】