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国際化が進められ、小学校で英語を学ぶようになった今日の日本。

子どもの意欲、親の子への想い、しかし「お金」がその転機を失う要因にもなる。

 

意欲を押しつぶす「貧困」という

  現在の日本で、子供たちが、国際化を見据えた高度な教育を受けるためには、多額の教育費を払って有名な学校に入学し、更に高額の授業料を負担する必要があります。英語教育に力を入れている一部国公立が取り上げられることもありますが、その数は決して多いとは言えません。
  いくら子供に学ぶ熱意があっても親の所得格差によって、子供の教育の選択肢が制限されてしまうのです。そして次の世代も貧困によって国際化に合わせた教育機会を失う事態に陥る恐れがあるのです。        

―その事態に対応すべくできたのが「LiDS “Move your LiDS” 」だ。

   公立学校並みの料金で海外の学生と日本の学生の両方を同じ学舎に置き、国籍を問わない教育を実現する「未来型国際学校」の設立を目指しています。
異文化の生徒と共に学ぶことで、英語への苦手意識や異文化への理解不足が解消され、さらに公立学校並みの学費を実現することで、子供の熱意を尊重することができます。

―学ぶ意欲とその目的。
当初、彼自身が学ぶ目的を掴むことができなかった。     

   私が義務教育として受けてきた9年間の英語教育では文法中心で詰め込み式、テストで点を取るために英語を勉強しているといった感じで、英語の必要性をあんまり感じることが出来ませんでした。
 しかし、たくさんの国で文化も異なる人たちとコミュニケーションを取るなかで英語を学ぶ理由は「人とコミュニケーションをとる」ことだと実感しました。同時にその目的をもっと早い段階で知って勉強に取り組むことが出来ていたらとも考えました。

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意欲が未来をり出す。

―そんな彼にとって国立工業高等専門学校(高専)に進学したことは転機であった。

   高専は社会人として経験を積まれた先生方がいました。そんな彼らが培った社会経験と学校で学ぶ知識のつながりを踏まえた講義でのお話は、とても意義があったと卒業した今改めて実感しています。
 そして、高専の4年次にアメリカへの短期学生派遣に参加させて頂いたことは私が変わる大きなきっかけとなりました。その後、留学、海外インターン、国際学会など海外へ行くチャンスを何度も頂きました。私が3年間研究室でお世話になった先生のご理解とサポートがあったからこそ出来たものだととても感謝しています。これらは高専に進学していなければ起こりえなかったですね。       

―そして今度は川野さん自身が社会と学校のつながりを生み出すのだ。
学校で学ぶ異文化と国際社会のつながりを。
      

   色んなジャンルで働く社会人一人一人が”教育”について考えていかないといけません。そのためにはまず自分から実践する必要が有ります。社会に影響を与えたい・変えたいと思うならまずは自分から。
 今、私は「LiDS」の活動と並行して、製造業の会社で勤務していますが、モノづくりを行うことはヒトづくりを行うことだとよく言われています。すなわち教育なしではモノは作れません。学生までは詰め込み教育を受け、社会に出た途端、クリエイティブを求められることは酷です。
 だからこそ、このギャップを繋げるために今の二つの活動、「LiDS」とモノづくりを並行していきたいと思います。

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「理解される」経験が「理解する」姿勢をみ出していく。

 

―高専でのきっかけを機に、海外で学びを深めるようになった彼は
現在までに19か国を訪れ、さまざま転機を重ねてきた。
特に、教育の部分で違いを感じたのはドイツだったと言う。

 ドイツは努力と学ぶ意欲があれば、幼稚園から大学の博士課程まで無料、あるいはかなりの低額で学ぶことが可能です。もちろんかなりの努力が必要です。しかし、皆大学で学びたいという気持ちから勉強します。
 ドイツの大学で学ぶ留学生も世界4位の多さであり、逆にドイツの大学から多国の大学へ留学するケースも多いです。日本のような「良い大学に入れば良い会社に入れる」という概念ではなく、幼少期から意欲を持って、大学を目指し、その学問を生かして就職するというケースがほとんどでした。

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―そのドイツで学んだ形が「LiDS 」に生かされている。

  今の学生や親が異文化への理解を示し、今後学生が留学をしたり、または親が留学を後押ししたりするきっかけを作り出す。そして今の学生が親世代になったときに、子供たちの教育環境の選択肢の幅を広げることにつながる。イベントを重ねることで、異文化に対して理解を示せる風潮を社会に巻き起こし、社会全体に、国際化に前向きな態勢を作っていきたいですね。         

―努力と学ぶ意欲を尊重した学校作りを目指す「LiDS 」。
キックオフイベントを控え、活動に熱が増してきた。

 9月20日のキックオフイベントでは多くの子供さんや保護者さんに国際化を見据えた教育を伝える目的があります。子どもと保護者が抱く海外への不安や疑問を払拭し、将来子どもが海外へ興味や留学意思を示した時に、家族が共に前向きに考えていけるようなきっかけ。そんなきっかけを与えることが僕たちの一歩目です。     

 

世界に一歩を踏み出す子どもたち。
その一歩の先を温かく見守る「LiDS 」に注目だ。

 

川野
国立鈴鹿工業高等専門学校専攻科、電子機械工学専攻修了。
現在までに19カ国を訪れるなど、国内外問わず活動を行う。
製造業メーカー就職後、「LiDS」を立ち上げ、民間のインターナショナル開校を目指し、9月20日のキックオフイベントを控えている。

三重県国際交流財団英語通訳翻訳パートナー。災害時外国人支援ボランティア。

 

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【文章:江口 春斗】
【写真提供:川野 晃太】