対談2 

新しい団体、リーダーシップ溢れる代表、続々と集まる新メンバー

 そんな怒涛の1代目が終焉を迎え、

 遂に2代目としての活動が幕を開ける。

 しかしそこが運命の分かれ道。

 ほとんどの学生団体は

2代目を期に存続の危機にさらされるのだ。

 そんな苦悩真っ只中にある、

 学生団体「ガクセイ基地」「Lien(リアン)」の2代表が、

 白昼堂々、胸の内をさらけ出した。

※「ガクセイ基地」サイト内でも同記事を公開しております!
http://gakusei-kichi.com/?p=17439

 
 

✩What’s ガクセイ基地?

国内最大級の学生向け情報発信メディア。

学校という枠を超えた広い世界を学ぶ大切さを伝えるため、

2011年10月末に立ち上がる。

受験や就活テクニックといった

「人生の節目を乗り越えるための方法論」に偏りがちな学校教育の流れの中で、

学生にとって本当に必要な情報や、

目標を見つけるための環境を提供している。

メンバーは関東を中心に、約15人(2014年9月現在)の少数精鋭集団。

http://gakusei-kichi.com/
 

✩ What’s Lien(リアン)?

学生最大規模のインタビューサイト【繋がリアン】を運営。

2011年6月設立。

現在450人以上のインタビュー記事を掲載(2014年09月時点)。

「人には必ず魅力がある」という考えのもと、

あえてインタビュイー(インタビューを受ける人)の

性別・年齢・国籍・職業などを絞らず、

様々なフィールドで活動している人の魅力を惹き出している。

現在、関東・関西・東海・四国・東北・北海道に支部を展開。

在籍メンバーは約50人(2014年9月現在)。

http://tsunagalien.com/

 

 

○まず、自己紹介をお願いします。

吉田健一さん(以下:吉):

インタビュー団体「Lien(リアン)」、2代目代表の吉田健一です。

一橋大学社会学部3年生です。

2013年12月から代表を務めています。

よしけん

  

水戸部咲さん(以下:水)

学生向け情報発信メディア「ガクセイ基地」、2代目代表の水戸部咲です。

北海道教育大学教育学部国際地域学科3年です。

入団後半年くらいで代表に任命されました。

今はガクセイ基地の活動のため、4月から休学しています。

 

水戸部さん

 

 

 

○水戸部さんは当初、北海道にいながら代表を務めたんですか。

水:そうなんです・・・メンバーのほとんどは関東にいるので、

  遠隔地からのマネジメントは大変でした。

  skypeやfacebookのメッセージだけだと、

  相手がどんな人かわからないので、

  こまめに電話するようにしていましたね。

  それでも不十分だと感じたので、今は大学を休学(4~9月)して、

  「ガクセイ基地」に自分の身を捧げています。

 

吉:遠隔地って本当に難しいよね。

  「Lien(リアン)」も気がついたら、

  関東・関西・東海・四国・東北・北海道・・・

  と支部がどんどん増えていました。

  全国各地から「やりたい!」って志願してくれる人が集まったんです。

 

水:最近うちも支部化したいと思っていて・・・

  でも支部のメンバーたちって、はじめは仕事の要領が分からないよね。

  どういう風に教えているの?

 

吉:嬉しいことに、彼らは最低限のマニュアルを共有しただけで、

  素敵な記事を書いてくれます。

  たぶんやる気のあるメンバーが、自主的に試行錯誤してくれているんだと思います。

  「インタビュー」の活動そのものに興味を持って、

  入団してくれた人たちなので、

  人の話を聞き出したいモチベーションが純粋に高いんだよね。嬉しい悲鳴です。

  

 

〇団体の課題は何ですか。

吉:「Lien(リアン)」は組織の問題が一番課題で・・・

                          

水:というと?

 

吉:社会人が顧問として挟んでいない学生だけの団体で、

  全国に支部のある団体は他にないんです。

  今はLINEとかfacebookで連絡をとっているけれど、

  やっぱり水戸部さんみたいに、直接他地方のメンバーと会わないといけないと思っています。

 

水:メンバー全員で会う機会はあるの?

 

吉:全国交流合宿を年1回開催しています。

  そこで実際に支部のメンバーに会うと、

  Web上ではない生身の人間であることを実感しますね。

  そこで仲良くなって、団体意識が生まれるんです。

  正直、インタビュー自体は、団体でなくとも個人で出来るもの。

  代表が手を抜けば「個人プレイの集合体」になってしまう。

  団体意識を強めるために、合宿を大事にしたいと思っています。

 

水:合宿の参加メンバーは多いの?

 

吉:今回は、全体の人数がかなり増えたこともあって、

  半分以下しかまだ集まってないんだよね・・・(苦笑)

  僕も含めたメンバーのほとんどは、ほかの団体と掛け持ちしています。

  リアンの活動を「サブ」の意識で捉えている人が多いから、

  出席率を上げるのは難しいよね。

  かといって、拘束も好きじゃないし・・・

 

水:うちはメンバーが15人しかいないんです。

  その分ノルマが厳しい。

  誰がいつまでに記事を投稿するのか、全て決まっています。

  ガクセイ基地のやり方に合う人たちだけが、

  メンバーとして残る仕組みになっているんです。

  だから、人数は少ないけれど、結束が強い精鋭集団です。

 

吉:リアンとは対極だ・・・(笑)

  僕たちはユルくて、ノルマとか基本ないです。

  僕自身がノルマで縛るの好きじゃなくて(笑)

  それは良いことなのか、悪いことなのか・・・

 

水:あとは、そのときの状況やメンバーに、合わせたやり方をしないとダメだと思います。

 

吉:具体的には?

 

水: メンバーはそれぞれ、バックグラウンドが違う。

  私たち「ガクセイ基地」は企業への取材記事を書くことが多いんですけど、

  例えば女子メンバーAは仕事のやりがいを聞きたいと思っている。

  一方、同じチームの男子Bは、幼少期にご飯が食べられなくなった経験があって、

  仕事は「生きるためにするもの」だと考えている。

  この価値観の違いが両者にあると、

  男子Bは女子Aに「何でやりがいとか聞いてんの?」と責め、

  「いや仕事はお金を稼ぐためにするけど、それ以外にも・・・」

  とAは反論し、口論になるわけですよ。

  しかし、どっちも間違ったことは言っていない。両方正しいんです。

  そうなってくると、お互いがお互いの価値観を受け入れるしかない。

  そして受け入れられるためには、代表のマネジメントの力量が問われるんです。

  こういう場合、当事者は「話し合いは無理」という方向に流れていくのですが、

  お互いを理解しようという方向に促すこと。二者の間に入って個々とよく話します。

  代表としてというよりは、人として間に入っている気もしますが笑

 

対談

 

〇2代目代表の成すべきこととは?

水:4、5年続く学生団体って何が違うと思う?

 

吉:第一に、継続的に意欲旺盛な人が入ってくること。

  第二に、トップが飛びぬけたカリスマ性を持たずとも、

  組織が回るシステムが整備されていること。

 

水:やっぱり初代の代表との考え方の違いはあるよね?

 

吉:全然違うと思う。

  僕は代表になる前から、初代にはかなわないと割り切っていました。

  初代は、一言で言うと、みんなが信頼を寄せるカリスマタイプ。

  リーダーシップで組織を引っ張っていました。

  僕はその彼の引き継ぎ者に過ぎない。

  だから先代と同じことを真似しても、ただの劣化版になると思っていました。

 

水:吉田さんのマネジメント方法とは?

 

吉:メンバーをぐいと引っ張る時も、

  メンバーの意見を聞く議長に徹するときも、

  目線を下げることを意識しています。

  だから、困ったとき・分からないときは、素直にみんなの助けを借ります(笑)

  リーダーとしてはダサいかもしれないけれど、

  「代表らしく振舞う」ことより

  「組織全体がプラスに進化する」ことを優先しなきゃいけないから。

 

水:ガクセイ基地の初代代表も、リアンと同じように、

  カリスマ性があって意志を持って突き進んでいくタイプでした。

   だけど、2代目以降は本当にそれじゃダメで・・・

 

吉:でも水戸部さんは強そうだよね、2代目だけど。

 

水:ははははは(笑)

  でも私も、周りの意見を聞いて・・・っていうのは変わらないです。

  逆にその方が楽しかったりします。

  奇想天外なアイディアって、1人でじっくり考えても浮かばないから。

 

吉:2代目はどうしても初代を意識する。

  でも真似しても意味ないというか・・・

  個性の強い2代目ならいけるかもしれないけど、

  毎学年にそんな個性の強い「代表候補生」は現れません。

  3代目、4代目・・・と団体を持続できる形にするためには、

  2代目である僕が、トップが”凡人”でも組織が回るシステムを整備することだと思っています。

  そのシステムの下で、意欲旺盛なメンバーが全国から立て続けに加入してくれる状態が理想です。

 

 

〇両団体ともに、メディア系の学生団体ですが、今までの取材で一番印象に残ったことはありますか?

吉:今となっては学生団体の大御所である「キッカケ関西」を、

  ゼロから再建した森大地さんと、

  名古屋に学生団体文化を根付かせた豊吉佑哉さんの対談企画。  (http://tsunagalien.com/no.171172.html)。

  一言一言が重くて、経験に裏打ちされている感じがしました。

  「失敗して引きずることはあるんですか?」って聞いたときに、

  「失敗は全然気にしない。

  失敗した事実は客観的にデータとして受け止めてフィードバックするけれど、

  それを感情的に引きずる間もなく、次のことを考えているね。」

  と言われて、そんな考え方もあるんだと思いました。

 

水:他には?

 

吉:ストイックに生きる女子大生、藤井早紀さん(http://tsunagalien.com/no.310.html)。

  朝はバイト、昼学校、夜バイト、その合間にモデルとして活躍し、テレビにも出る生活。

  「何でそんなに忙しくするんですか?学生だからもう少しゴロゴロしても・・・」

  って素直に聞いたら、

  「怠惰な性格を打ち消すためにわざとスケジュールをタイトに組んで、

  怠けるのを防いでいるんです。」

  って言われて、これもまた僕にとって新しい発想でした。

 

 

水:その2つのインタビューから学んだことは?

 

吉:「失敗を感情的にくよくよしても、次に繋がる生産的なことはひとつも生まれない。

  むしろ、失敗をリカバーする努力を人一倍した方が、よほど胸がスッキリする。」

  という意識を心がけるようになりました。

  大学受験のときに身につけていれば、浪人しなかったかもしれない(笑)

   また、今まで僕は、暇な時間をプラスマイナスゼロだと捉えていたけれど、

  本当はマイナスかもしれないと思うようになりました。

  もしその時間で何かしていれば、もっと良いことがあったかもしれない。

  その時間を何もしないのは、それだけでマイナスだと気づいたんです。

   一橋生っぽく言うと、「埋没費用」とか「機会費用」って話ですね(笑)

 

水:私は山本二三さんという、

  ジブリの美術監督にお会いしてきました。

http://gakusei-kichi.com/?p=10465

   努力に見合ったお給料が貰えなくても、好きだから仕事を続けられる。

  そんな真っ直ぐな生き方に触れるのは刺激的でした。

  しかしその一方で、自分にとって最高のものが映画になるわけではない、

  という厳しい側面も教えていただきました。

 

吉:そこから水戸部さんが考えたことを聴かせて!

 

水:好きだけでは仕事は務まらないことですね。

  例えば私は広告が好きなんですけど、

  広告が好きだ、だけではないプラスアルファがないと、

  仕事を通して、なりたい自分にはなれないと気づきました。

  例えば、広告を作る立場になれたとして、

  それが世の中の何の役に立って、誰の幸せになるの?

  って考えると「好き」の気持ちが宙ぶらりんになって、結局自分の幸せにならない。

  役に立ちたい、誰かを喜ばせたい、人を動かしたいという気持ちが

  プラスアルファの部分になるのではないかなと考えています。

 

〇インタビューにこだわる理由とは?

水:うちはイベントも開催しています。

  でも学生が学ぶための手段としては、

  Web上のインタビュー記事が一番有効だと思っていますね。

  実際、私なんかは地方出身で首都圏のイベントには参加できないですしね。

  ただ、文字を読まない学生も多い・イベントだと印象に残りやすいという点から

  インタビュー記事以外のコンテンツも積極的に取り組んでいます。

 

吉:インタビューは1対1で話を聞ける点が魅力。

  イベントやセミナー以上に聞きたいこと聞けるし、費用もかからない。

  本心を聞けるチャンスが多いと思います。

 

水: 私達はインタビュー記事を通して、

  「同世代の学生が積極的に動いている」というメッセージを少しでも伝えたい、と思っています。

  その延長で自分のやりたいことや将来のビジョンを考えるきっかけになりたいですね。

 

吉:「Lien(リアン)」の記事は、

  読者に「やりたいことを見つけてもらう」ことまで要求していないんです。

  目的はあくまで、読者に「ビックリマークを届ける」こと。

  「なんだこの記事?」とか「面白い!」だけでもいい。

  何か心を揺さぶる「!」を伝えたいんです。

  インタビュイーも選びません。

  背が高い人というだけでインタビューした人もいます(笑)

 

 

〇次の代までにやりたいことは?

吉:さっきも言ったように、カリスマなしでも継続できる組織作り。

  ちょうど2代目の僕がカリスマの直後なので、

  やる気のあるメンバーさえいれば、

  誰が代表になっても組織が回るようにしたい。

 

水:そういう見方できるんですね・・・

 

吉:自分の代のうちにどんどん団体を大きくしよう、

  とかは正直あまり考えていないです。攻めの姿勢は、それはそれで楽しいけれども。

  「繋がリアン」という素晴らしいコンテンツを、

  リレー形式で大切に後世に残したい気持ちが一番です。

 

水:初代から2代目に変わると、

  メンバーのモチベーションが下がるのは感じています。

  その中でどう次のメンバーに引き継ぐかが課題ですね。

 

吉:初代のことを知っている世代が、知らない世代に引き継ぐときが最大の関門!

 

水:初代のことを知っている人たちが全くいなくなっても、

  続くような団体にすることが代表の責務だと思っています。

 

対談3

 

                                                                【執筆:木納静穂】