西尾さんタイトル

「地元のことをもっと知りたい」
そんなスタートからNPOを立ち上げ、
奈良と化学反応を起こす大学生。
ちょっと人見知りな彼には、
たくさんのわくわくが詰まっていました。

 

ならゆうし 代表 西尾

 

 

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「大学1年生の時に、2年次以降の研究計画の学年コンペで最優秀をとったんです。
その時に、桜井先生という、NPOについて研究している先生のゼミに勧誘されました。
それからずっと先生に師事していたんです。

ゼミでは、奈良に隣接している京都南部地域のNPO活動について学んでいました。
でも、勉強を進めるにつれて、自分がいかに奈良のことを知らないか、痛感することが多かったんですよね。」

生まれた時からずっと奈良で生活をしてきた西尾さん。
他地域を知るにつれて奈良のことをもっと知りたいと思うようになった。

当時を振り返って、彼はこう付け加える。

 「当時は自分の力で何かを始め、それをどこまで形にできるのか、試したいとも思っている時期でした。
意識が高いというか何というか…ただただやる気に溢れてましたね (笑)。」


奈良で、奈良のために何かしたい。

そう思い立ち、彼は自分の想いをSNSで発信することにした。
しかし、そう簡単にコトが動くわけでは無い。 
「僕の発信した想いに反応がない日々が続きました。それでも諦めず発信し続けました。
そしたら、しばらくして高校時代の友人が声をかけてくれたんです。
その直後に、現理事長の細尾さん(当時は奈良県立大学の学生)が声を掛けてくれました。
彼女の存在が一番大きいですね。
これがすべての始まりでした。」

 

知識も何も無い状態で、彼はスタートを切った。
最初はどこへ向かうか分からないまま走っている状態だったと言う。

「だって奈良のために!とは言ったものの、何をするかは決めてないし、
実際何をしたらいいかも分からなかったんですから。

でも、とにかく何かしたいという一心だったので、
まずは県庁や企業、NPOの方々に話を聞いて勉強するところから始めました。」

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彼はその「何か」の答えを必死で探しながら、
知識と人脈を蓄えていった。

そして念願の初仕事。
奈良のNPO主催のビジネスコンテストの学生企画を行うことになった。
やっと奈良のために貢献できる。
それでも、これからのことを考えると不安になったという。

「このまま方向性を決めないで活動を続けていても意味がないと思いました。
奈良をどうしたいのか、自分たちのあるべき方向性を真剣に考えなきゃいけないと焦り始めました。」

そして仲間と考え抜いた結果、

人と地域社会をつなぐ架け橋となり、次世代の担い手が活躍する環境をつくる
というコンセプトに辿り着いた。

「地元である奈良県で進学や就職をする若者は本当に少ないんです。
大学生のまち京都、多くの企業が集まっている大阪…。

この2府は奈良からのアクセスも非常に簡単です。
だから、若者が流出してしまうと思うんです。」

 

しかし西尾さんは、ここに勝機があると言う。

 

「京都や大阪では、僕たちのような存在は埋もれてしまいますが、奈良では新鮮に映ります。
そもそも若者がアクションを起こすこと自体、前例がほとんど無いので、メディアにも注目され易いんです。

また、ある程度継続していると、認めてくださる人も増えてきて、
「こういう人がいるんだけど、会ってみないか」
と言って紹介していただくことで、活動の幅を広げることが可能なんです。」

これは西尾さん自身が経験してきたからこそ言えることだ。

西尾さんに目を付けたETIC(東京のNPO)の代表が、全国のNPOが集まる会に誘ってくれたという。
そこでまた、たくさんの繋がりを得た。

「ETICには、実践型インターンシップのノウハウ共有などでお世話になっています。
インターンシップの事業のノウハウをいただきサポートもしていただきながら、奈良でも展開できるようにしていきました。
初年度は、企業への営業から始まり、プログラムの構築、運用、コーディネイトなど、事業運用全般を重点的に行いました。」

ホテルや食品メーカー、アパレル、酒造、農業など、様々な企業に何度も赴き、
インターン受け入れの説得やプログラムの提案などを行ったという。

当時のことを彼はこう振り返る。
「ひたすら、目の前の仕事を一生懸命こなす日々でした。
その一瞬一瞬で、しんどいと思うこともありましたが、
課題をクリアするごとに達成感と解放感でその疲労は吹き飛んでしまいますね。」

 

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ここまで来れたのは、たくさんの人のお陰だと、彼は言う。
「本当にありがたいことに、最初は自分たちから仕事をもらいに行っていましたが、

最近は依頼が来ることが多いんです。

だから、辞めたいと思ったことはありません。

僕たちを信頼してくれたり、応援してくれたりする人がいるのに、
ここで辞められるわけないじゃないですか。

正直、大きいプロジェクトを任されて投げ出せないというのはありますが(笑)、
この数年で得た成長の実感や、認めてもらえたという達成感を無駄にしないためにも、
もっともっと頑張らなきゃいけないなと思っています。

徐々に活動の幅を広げてきたならゆうし。
西尾さんは、まだまだ取り組みたいことがたくさんあるという。

「まずは、U・Iターンの促進事業ですね。
県外に若者が出て行ってしまう理由のとして、奈良で働くことをイメージできない、奈良にある企業のことを知らないということが挙げられると思います。
今後はインターンだけではなく、地場産業や中小企業の情報発信や採用支援を行ったり、
各地域の行政や企業・地域団体などと総合的に繋がりをつくることで、奈良の企業と若者を繋げたいですね。

逆に、出ていくことで奈良の魅力に気づいたという人もいるので、
この気づきをどう生かしていくかにも取り組んでいます。

あとは、大学間の連携にも関わりたいと思っています。
奈良市には大学がたくさんあるのに、大学間の交流が活発ではないんですよね。
もっと情報共有をすれば、面白い取り化学反応が起きるんじゃないかなとも思うんです。」

 

こう語る彼の表情にはわくわくが詰まっている。
彼と奈良の化学反応は、まだまだ止まらない。

 

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【文・写真:市川陽菜】