「最近はヘアメイクの依頼が多くなりすぎて、何人かお断りしちゃってるんよね。
すごい申し訳ないんやけど。」

こう話す彼、実は美容師でもなければ専門学生でもない
フツウ?の大学生。

美容界のブラックジャックを名乗る彼が、
無償でヘアメイクを続ける理由。

それは意外なものであり、その先には壮大なビジョンがあった。

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元木凌矢(Motoki Ryoya
1993年生まれ。兵庫県出身。立命館大学 文学部心理学専攻3年
MOKI`sサロンとして美容活動をする傍ら、イベントの企画、
また自信が主催するセミナーの講師等を幅広く手がける。

「笑顔を生み出す人間に。

「15歳で始めたセルフカット」「大学から始めたMOKI`sサロン」
  きっかけは
「金がない」

髪を切り出したのは、15歳の時。
俺お小遣い貰ってなくて、
欲しい時に親から貰うっていうシステムやったんよ。

でもやっぱりお金出してって言うのは何か嫌やってん。


それで始めたのがセルフカット。

最初はよく失敗してたけど、何回かやってくうちに徐々に慣れてきて、
ぼちぼちいけるやん、ってなって。
そこからずっと、セルフカットを続けてたのね。


大学入学してからもセルフカットを続けてたんやけど、
その話を友達にしたら、
「金ないし、俺にもやってよ。」って。
昔の俺と一緒やなあって思って、
その子のへアイメイクをしてあげたんよね。


そうやって何人かの友達のヘアメイクをしていくうちに口コミが広がって、
今に至るってかんじ。


今では色んな人のヘアメイクをさせてもらってるよ。
大学の友達とか、友達の友達って形で他大学の学生とか、
それこそ社会人の方とか。


色んな人のヘアメイクをすることで、人によって色んな頭の形、髪質があるから、
技術の向上にも繋がるんよね。

もちろんお金をは貰ったりはしないけど、そこでまた人脈が広がるし、
SNSで「こんな面白い人にヘアメイクしてもらったよ!」って発信してもらったり。
お金の代わりに、それ以上のお返しを色んな形でしてもらってるな。


MOKI`sサロンは、モッキー(あだ名)+MOKO`sキッチン(流行ってた)。

単純やろ?(笑)


厳しいと言われる美容界に、あえて無免許で挑む理由。

もともと自分の将来は、好きなことして食べて行きたいって言う目標が昔からあったのね。
大学に入学してからも、普通のことしてたって面白くないなって思って。
それで、高校からの友達と2人で、
「俺達勉強頑張ってきたし、起業して塾作ろうぜ。」って決意して。


そこから2人して必死でバイトしてお金貯めてたんやけど、

2年生になったくらいから友達は目指している俳優業の稽古、
俺は学生団体の活動が忙しくなって、
結局起業っていう目標は諦めたわけ。


そんな時に、全国にヒッチハイクの旅に出たんよね。3200円だけ握りしめて。

しんどいこともあったけど、
旅先で始めた路上ヘアメイクをきっかけに色んな人と繋がって、
支えてもらって。

人の愛や優しさってほんまに連鎖してるんやなって、改めて感じた旅やった。

(旅先で始めた路上ヘアメイク。SNSを通じて多くの人が彼のもとを訪れた。)


その旅で得た繋がりがきっかけで、
世界同時フリーハグの京都支部長させてもらったり、

群馬県の廃校で大人の大運動会開いたり、高校で講演させて貰ったり。


色んな人と繋がって、色んなことやっていく中で気づいたことが、

俺は人の笑顔を生み出したい人間なんやってこと。


将来の夢=職業ではないと思うのね。〜がしたい、だから〜になりたい、

っていうのが俺の考えで。
それが例えば、多くの人を笑顔にさせたい、とか。
そういうのが大事だと思ってて。


職業、それこそヘアメイクっていうのは、夢を叶えて行くうえでの、

自分の持つ特別なツールやと思ってるんよね。
このツールを使って色んな人と繋がって、
笑顔や出会いを生み出していきたいって思うようになったんよ。


それで今年に入ってからネットを使って
MOKI`sサロンを本格的に始動させたってわけ。


この話を知り合いの美容師さんにすると、

「面白いけど、言ってしまうと免許取った方が早いよね。」
って言われたんよな。

正直俺も、美容師として社会から認めてもらったり信頼されるためには
免許取った方がいいんかなって思うこともあるし、
大学卒業したら専門学校に行こうかなって思うこともあったよ。


でもやっぱりそれじゃ面白くないなって思って。

免許持ってない美容師って、それだけで面白いし注目度も違うしさ。
今はこの理想と現実の差をどう埋めようかってところで、
色々チャレンジしてるよ。


美容業界と学生の場を繋ぐ「場」の提供

そのチャレンジの一つとして取りくんでるのが、
「美容を生きる若者トーク」の開催。


美容学生って職場で実際に働くことがないから、

2年間学生やってその後職場に入った時に、
すごいギャップを感じるらしいんよね。

美容師さんから聞いた話やけど、美容室に就職した時に、

「学校で習ったことはまず一回忘れてくれ。
それはただの基礎の基礎やから。
基礎ももちろん大切やけど、お店で働くにあたって
また色んなことが必要になるし
髪を切ればいいだけって話ではないから。」

ってことを最初に言われたらしくて。


それって新人の人達からしたら、
「じゃあ専門学学校で学んだ2年間ってなんだったの?」

ってなるよね。
そうなると一気にモチベーションも下がるし。


だから今の新人の美容師さん達って、

だいたい8ヶ月以内で辞めちゃう人が多いらしいんよね。
過酷な仕事に耐えられなくなって。


俺からすれば好きなことをやってて我慢できないっていうのは、
悲しいことやからさ。

そこのギャップをもっとしっかり知ることが出来たら、
学生も覚悟を持った状態で職場に入れるやんか。


それでもう既に一回開催してるんやけど、

美容師を目指している人や美容師さん達を集めてみんなで将来を語る
「美容を生きる若者トーク」っていうのを始めてね。


俺はそこで職場と学生を繋げたくて。

美容師が普段どんな仕事をして、
アシスタント時代にはこんなことがあって、

っていうのを美容師さんから生の声で聞けたら、
学生が本当の意味で美容師がどんな職業なのかっていうのを
肌で感じることができるし、

将来についてもう一度しっかり考えなおす機会にもなると思うから。


美容師の人口が減ってきている現状の中で
それを変えることができるのって、

美容師でも美容学生でもなくて、
第三者なんじゃないかって俺は思うのね。


客観的な視点を持って第三者の俺が行動を起こせば、

少しでも現状を帰ることができると思うんよ。

美容界のブラックジャック


掲げるは「美容×心理学

こうやって活動している中で俺が目標にしているのが、
美容界のブラックジャックになること。
免許なしで人を幸せにするじゃないけどさ。


ブラックジャックって多額のお金を請求するけど、
結局返したりするし、
人の怪我や病気を治すだけじゃなくて、内面から変えちゃうのね。

そういう無償の愛っていう形がほんとに好きで。


元々大学で心理学を専攻してるし、

その勉強をしながら独学でも心理学を研究してるから、
その知識を美容の活動にも活かそうと思って。


生き生きとしてたらさ、人って美しく見えるやんか。

美しさって、もちろん髪型とか服装とかネイルとかいろいろあるけど、
やっぱり一番は笑顔とか、顔に溢れ出してるわくわくした感情とか
そういう内面的なものじゃないかなって思って。


心理学の知識を活かして内面からその人自身を美しさせるっていうのが

MOKI`sサロンの理想像なんよ。


次なる目標


夢を語ることで掴んだ、カンボジアへの切符

8月にカンボジア行くんよ。

少し前に開催されたあるイベントで、
150人の前で自分の夢に語る機会があって。


そのスピーチの後に、

大阪にあるカンボジア領事館と繋がりを持ってる人が話かけてきてくれて
そこでいろいろ話したんよね。
それでその人が、去年から始まった
カンボジアの孤児院に行って
子供のヘアメイクをしてあげるっていうプロジェクトに

俺を推薦してくれたんよね。


夢を言葉にすること、発信することで、もちろんしんどかったり

逆風を受けることもある。

でも言葉にすることで夢は自分の中でより明確になっていくし。
チャンスも転がってくるんやなって感じたな。

海外に美容室を

このチャンスを得たことで、また大きな目標ができたんよね。


俺さ、海外に美容室作りたいな、って思って。

それこそ途上国とかにね。
今日本って途上国に対して援助とかいろいろしてるけど、
美容やファッションみたいなところまで手は回ってないよね。


でも逆に、美容とかファッションとか、
そういう面でとかで豪快に切り込んでいったら

そこに向かって色んなこともうまくいくんじゃないかって思って。
それがどうなるかはまだわかんないけど、
でも学校を建てるなら美容室もありやん、って思って。


美容とかファッションとか、もっとしてええんちゃう?

追求してええんちゃう?って思うんよ。

それが平等な社会に繋がるんちゃうかなって思うし
また新しい文化がそこで生まれるかもしれんから。

 

『MOKI`sサロンのコンセプトは「愛こそすべて」

色んな愛が連鎖して、人の笑顔や幸せは生まれるんよ。

俺はこれからも、愛をもってヘアメイクをして行く中で、

たくさんの人を笑顔にしていきたい。』


何かを変える人間は、
常に夢に熱く、本気である。

そんな人間のもとには必然的に人が集まり、笑顔が溢れる。

彼は今日もどこかで人々の愛を繋ぎ、

笑顔を生み出しているに違いない。

「美容」という名のツールと共に。

MOKI`sサロン

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(文・写真 大西恭平)

(写真提供 中村亞希)