icow!の母体・京都研究会

フリーペーパーicow!の制作者は京都の大学生。元々は同志社大学の京都研究会が出版していたものだ。1960年代に生まれた歴史ある京都研究会と、緒方さんの出会いに迫る。

 

―まずは、京都研究会に入ったきっかけを教えてください。

明確な動機があったわけではありません。「せっかく京都に住んでるんだし…」「最初に声をかけてもらったし…」といったような少し消極的なものでしたね。

 

最初から京都がダイスキ!というわけではなかったのですか?

そうなんです。大学に入るまで京都に来たこともありませんでしたし。京都の第一印象は「意外と田舎だなぁ…」でした(笑)。

僕は福岡県の出身です。そして同志社大学に入学したのと同時に、京都で一人暮らしをはじめました。でも、最初の3ヶ月はふてくされて過ごしていたんです(笑)。

というのも、同志社大学は元々僕が希望していた大学ではなかったんですよね。正直、不本意でした。

 

―そんな中で出会ったのが、京都研究会というわけですね。

はい。名所を訪れることが活動の中心なのですが、そうしていくうちに、だんだん京都に惹かれていく自分に気がつきました。

「もっと京都を好きになりたい!」そう思うようになったんです。

 

大学生を、京都に!

京都研究会の活動を通じて、徐々に京都に魅せられていく緒方さん。そんな中、icow!開設の話が持ち上がった。

 

緒方さんはicow!発足時のメンバーでいらっしゃるんですよね。icow!はどのようにして生まれたのですか?

京都研究会の活動は、基本的に2年生までなんです。でも「3年生以降も活動したい!せっかくなら、活動で蓄えた知識を外に発信しよう!」という先輩方の声で、icow!は生まれました。

icow!

 

そうなんですね!コンセプトは“大学生を観光地に!”ですが、ターゲットを大学生にしたのはなぜですか?

自分たちが学生というのもありますが、それ以上に京都自体が”学生の街”であるということが大きいですね。

140万人の京都市民のうち、学生は24万人。そして、そのうちの大学生は14万人と言われています。つまり、10人に1人が大学生。これって、全国的に見てすごく多いんですよ。

でも、彼らの中のほとんどが京都の魅力を知っているとはいえないと、僕は思います。実際、京都の大学生にアンケートをとった時も、「有名な所があるのは知ってるけど、行き方がわからない」などの声を多くいただきました。

 

住んじゃってると意外と行かないんですよねえ…。いつでも行けるかなあ、って思っちゃって(笑)

気持ちはわかります(笑)。意識しないと行けないものですよね。

でも、数々の京都の名所を巡ってきた僕たちからすると、日本を代表する観光地の京都に住みながら、それを満喫しないなんてもったいないですよ!

時間もあって、若い大学生だからこそ、行って楽しんでほしい。魅力たっぷりの京都を、もっと好きになって欲しい。そう思うんです。

 

フリーペーパーの長所と、アブナイ短所

icow!を手に取ると、私のイメージしているフリーペーパーとは違った印象を受けた。いったい、何が違うのだろう?その背景には、icow!独自の工夫と精神があった。

 

icow!の制作にあたって、工夫していることや心がけていることはありますか?

大学生を対象にしているicow!ですが、特に焦点を当てているのは、1・2年生です。京都について知らないことが多いでしょうし、さらに3・4年生に比べて時間もあるだろうと思ったからです。

彼らに気軽に京都を楽しんでもらうため、基本的には低予算な食事やプランを提供するといった工夫をしています。

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撮影:icow!

それは大学生にとって、大変ありがたい心遣いですね!

制作しているのも大学生ですから(笑)。ですが、それ以上に僕らは読者の声を大切にしています。

大学生へのアンケートの実施や、読者との座談会を積極的に行い、常に読者目線で作る姿勢を心がけています。

フリーペーパーの最大の特徴は、”無料であること”ですよね。そのため、たくさんの人の目に触れる機会があります。しかしそれと同時に、そこには制作者の自己満足に終わってしまうという危険も潜んでいるんです。

だからこそ、僕たちは読者の声を何よりも大切にしたい。そう思うんです。

 

ここで私は、はっとした。icow!がなぜ他のフリーペーパーと違った印象なのか、わかったのだ。

それは、”限りなく読者の目線である”ことだ。”魅せる”フリーペーパーではなく、”使う”フリーペーパーとしての姿が、そこにあったのである。

 

ニッポンの誇り、京都

京都研究会、そしてicow!での活動を通して京都を愛し、その魅力を誰よりも知る緒方さん。そんな緒方さんの語る、京都の魅力とは。

 

いままで様々な名所を訪れたと思うのですが、その中でおすすめスポットを教えてください!

うーん、迷いますね…(笑)。定番になってしまいますが、僕は”哲学の道”が好きです!

春は桜、夏は自然・緑、秋は紅葉…美しい四季折々を感じられるその姿は、京都だけでなく、日本の魅力までも凝縮されているような気がしますね。

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撮影:icow!

 

哲学の道、私も大好きです!京都の大学生のみならず、観光客のみなさんにも是非一度は訪れて欲しい場所のひとつですね。

その際は、ぜひicow!をお供に!(笑)。

僕たちみたいに京都で生活をしていると意外と気づかないものですが、京都って僕たちが思っている以上に魅力たっぷりの街なんです。日本有数の観光地として、国内だけでなく海外でも愛されているのには、きちんと理由があるんですね。

京都が大好きだからこそ、魅力を知っているからこそ、より多くの人に京都を楽しんでほしいんです。

なかなか踏み出せないその一歩のためにそっと背中を押せるような、そんな存在でありたいです。これからも読者に、そして京都に寄り添いながら、成長していきたいですね。

さいご

 

「京都に行こう、京都で憩う」

icow!には、そんなメッセージが込められています。

歴史、食、さらにはエンターテインメント性まで、

様々な顔を持ち合わせる京都。

あなたのお気に入りの場所が、そこにはきっとあります。

バッグにicow!を忍ばせて、あなたも京都に、icow!

 

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【文・写真:山下紗代子】