園田さん5

淡々と、しかしその繰り出される言葉は熱く。 

培った経験の数だけ、その言葉は深く響く。

より近くで、繋がりに寄り添う彼女の言葉の魅力を知りたくて。

彼女が石巻に行く数日前。

話を聞いた。

園田友紀 Yuki SONODA

石巻市役所保健師。1989年鹿児島生まれ、沖縄育ち。
首都大学東京中退後、三重大学医学部看護学科に入学。
日本国際保健医療学会 学生部会(jaih-s)、三重大学国際保健医療研究会(現MIT)等に所属。
アジアや日本国内の僻地、被災地の保健医療の現場に足を運ぶ。
現在、保健師として勤務する傍ら、
医療×ソーシャルビジネスをテーマにしたHP「ミライリョウ」にてライターとして執筆中。

「ミライリョウ」 

 

 

園田友紀の今。
世界の命を考える学生団体「jaih-s」に3年生の4月から関わってきて、
ミライリョウというホームページではライターもしています。

「看護学科に来たけど、看護師になるつもりはなかった。」と話す園田さん。

1年生の時から健康という知識に関心があった。
企業に入って、健康情報を伝えていきたいって話していたらしい。
当時、私が注目していたのは「集団」。
でも、看護学科に入って、人と人とのつながり、「個人」に目が向いていった。

卒業後、石巻で保健師として働く園田さん。 

地域住民の健康を支える。

大学在学中、福島、宮城、岩手を訪問。
地域で活動しているお医者さんや病院のスタッフに話を聞くのが私の活動でした。
そのなかで、御縁で、福島の県立高校の生徒さんに授業をする機会に恵まれて。

被災して厳しい現状で暮らす高校生に対して、
私が訪れてきたアジアの途上国の話をすることにどんな意味があるのだろうと
葛藤しながら、私なりのメッセージを伝えていきました。

園田さん1

活動に至るまでの想い、導かれた出逢い。
発信がしやすくなっている今。
自分が身を置いて、コミュニティの中に入って、そこで暮らす人たちと、活動をする。
情報を受け取るだけではなく、実際に動いて、経験を落とし込んで話すことが求められる。

国際保健や被災地で活動してきた時間が多いからこそ。 

発展途上国で出逢う人々や貧困を抱える人たちのところで活動をするときに、
動かない人、口だけの人にどれだけ説得力があるのだろうと考えて。
修羅場をくぐっていればくぐっているほど、経験値が多ければ多いほど、
その言葉の説得力は高いし、自分が磨かれていく。

1、2年生のころは考えていることがメインで、びびって動けなかった。
びびって、口だけ、考えているだけだったけど、
3年生以降から、できるだけ被災地に行ったりだとか、途上国に行ったりだとか、
自分の足で、目で、行って見てきたものだけを受け取っていくことができた。

園田さん6

だから石巻に行くという決断も、
自分の目で状況を見たうえで、声をあげていきたいという想いがあったから。

自分の足で行動する人。

聞くとか情報を集めるが簡単になってきた社会だからこそ、
目の前の人のニーズを聞いて、それに基づいて何かをするということがしたい。
実際に、現地に行かないと分からないことがあるから。

中途半端な経験で、支援に行くとただの押し付けになってしまう。
私は押し付けるのではなく、彼らが求めている最善を一緒に生きていきたい。

だからこそ、そばにいたいなって。

そばにいて、話を聞いて、寄り添っていく。
誰かと誰かを繫げることで、問題が解決されることもある。

地域の中に入らずに何かを言っても、リアリティがないし、上からになってしまう。
私は日常の関係性を大切にして、一番小さいコミュニティに入っていきたかったから。

震災後の日常も、彼らにとっては「日常」。
元通りではないけど、日常生活はずっと続いてて、
震災前後で変化はあるけど、3年も続いてるから生活のサイクルはもうできている。

園田さん2

でも、落ちている部分は落ちている。
その部分を埋めていくために活動していけたらなって。

家で過ごす、学校で過ごす、
その当たり前のサイクルに寄り添って健康を支えていきたい。

4年かけて考えてきた形。

だから、現地に行かないと始まらない。
いろんな勉強会に行く、人の話を聞くことはできるけど、
現地の人の話を聞かないと、現地の暮らしがどうなっていて、
関係性はどうなっているのか感じることはできない。 

行ったら、お互いの共通点も、相違点も見えてくる。
美味しいごはん食べたら「美味しいね」って一緒に笑えるし、恋の話もできる。
いろんな問題もそれぞれ抱えてるけど、私たちは「生きてる」。

園田さん3

理論ではなく、感性に触れるもの。

話すとき、なにかを進めるときに、「共感」が必要になってくる。
感性に触れるものがないと、心に訴えることはできない。

同じ体験、類似体験が多いほど、共感しやすい。
経験を積むことによって、関係性も生まれるし、共感も生む。
他者との関係性のなかで自分というものも生まれていくから。
相手の賛同を気にしつつ、言葉を書いたりだとか、
メッセージは一緒なんだけど、相手の様子や表情を見ながら行動することが求められる。

人になにかを伝えるとき、相手を置き去りにしたら、聞いてもらえない。
同じ体験や感性の共有なしでは対話もできないから。

対話に基づいた活動。

自分が「やりたい」と思った活動で、それはなにかしら社会と繋がっていた。

支援のつもりではやっていない。
単純に、その土地が好き、その人たちが好きだったから。

地域が素敵で、素敵な人たちがたくさん、そこにいた。
だから私はそこで学びたい、仕事をしたいと思った。

その場所が石巻だった。ただ、それだけ。

彼女が作っていきたい場所。

強い自分でいる必要はなくて、等身大でいれる場所。
強みだけでなく、弱いところもあたたかく受け止めてあげたい。

昔は個人の関係性に重きを置いてなくて、強いところだけで人と繋がってた。
だけど、弱みやぼろも出始めて、
それでも弱みも含めて、私を見てくれる人が増えてきて、その人たちに救われた。

弱みやぼろも含めて、その部分を隠さずに寄り添う。
それを受け止めたうえで、対話であったり、人間関係を作っていく。
その集積がコミュニティだと思うから。

存在を丸ごと受け止める。

その人の強い部分や肩書だけを見て、接していたら
その人の魅力を引き出すことは出来ない。

だからこそ、存在を丸ごと受け止める。地域で、コミュニティの中でね。

今は4年間があって、石巻に行くっていう選択肢が取れたと思っているし、
全ての経験が今に繋がっていると思っているから。

園田さん4

これまでに歩いてきた数が。 

出逢った人、話した言葉の数が。 

あたたかく未来を支えていってくれる。 

人はそれぞれ問題を抱えている、だけど同じときを生きている。

日常のサイクルに寄り添って、共に最善の未来を。  

彼女が支える未来は、等身大で優しい。

【文章: 江口 春斗】
【写真提供: 園田 友紀】