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せとうち暮らしという雑誌を

手に取ったことはありますか?

瀬戸内の島々の魅力をひとつひとつ丁寧に

素朴にどこか懐かしく伝えてくれる雑誌です。

読んだら思わずその島に行きたくなる、住んでみたくなる。

そう思わせてくれる「せとうち暮らし」。

この雑誌を作っている編集長にインタビューをさせていただきました。

小西 智都子

出版社ROOTS BOOKS代表・編集ライター

雑誌せとうち暮らし 編集長

せとうち暮らしHP http://setouchikurashi.jp/

 そもそもどのように雑誌せとうち暮らしがつくられたのですか?

もともと香川県の移住交流のPR誌として始まったんです。ちょうど瀬戸内国際芸術祭が始まる2年前で島がクローズアップされ始めていたし、香川県への若い人の移住交流を促すなら瀬戸内海の島だろうということで、同年代の人たちで島に行って、島っていいよーっていうのを伝えるフリーペーパーを作りましょうというのが始まり。

 

香川には有人島が24島あって、日本で5番目に島の数が多いの。でもこれって住んでいる人はほとんど意識したことがないじゃない?

実際香川に住んでいる人でも、まだまだ島に気軽に行こうという人は多くないよね。

でも実はこの瀬戸内の島々ってすごくポテンシャルのあるところなので、委託事業のフリーペーパーの仕事として島に関わり始めて、なんだこのおもしろさは!って気付いたの。

それで当初の事業が終わってしまえば、このフリーペーパーとしてのせとうち暮らしの役割も終わるんですけど、

その間にずっと島の人たちとお話させていただいていたりとか、仲良くなったりとかしている中で、島の情報が島外に全く届いていないことを思い知ったんです。

で、この事業が終わった時に、制作メンバーにどうする?ってきいたらやりたい!っていってくれるから、じゃあやろうかってなりました。

ちょうど出版社を立ち上げるところだったのでみんなで頑張って売ろうか!となって販売雑誌として今のせとうち暮らしができたんです。

 

 

一般的な観光雑誌とは雰囲気が違うと思うのですが、どのようなところにこだわられていますか?

例えば、表紙は全部消しゴムはんこ作家の手によるもの。アナログで消しゴムはんこで作られているから味がある雑誌が作れているんじゃないかな。デジタルでは表現できない味が出ますよね。

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表紙は最初から写真を使う気はなくって、なんでかというと瀬戸内海のイメージってすごく限られてるでしょ。たとえば海がキラキラしてて、島がぽこぽこ浮いていて、みたいなね。瀬戸内海といえばあれ!というイメージが焼き付いているじゃないですか。でも本当はもっといろんな表情があるので、そう言う意味でも写真にすることで、イメージを固定化したくなかったんです。

またせとうち暮らしは、現場回数の多さが普通の雑誌との圧倒的な違いだと思います。他の雑誌に比べて圧倒的に島に行く回数が多いんです。

春の最新号の刷りだしを見せていただきました。

この取材中に、ちょうど最新春号の刷りだしを印刷会社さんが持ってきてくれましたよ。

10253380_298721860284186_1477760492_n10253293_298721846950854_294821208_n(刷りだしとは、雑誌などを印刷機で印刷始める際に一番初めに印刷されたもののこと)

今回のせとうち暮らしは瀬戸内海全域にエリアを広げるんです。10248882_298721853617520_1520324877_n

表紙が春の若草色でしょ。今回の表紙は消しゴムはんこを作ってくれている人に春号は瀬戸内海がテーマだといったらその人は泡をイメージしたんです。古事記の中の瀬戸内海が舞台の神話からイメージしたんだそう。消しゴムはんこも何度も作り直して、そこからまた何度もデザイナーとイラストレーターとやりとりをして、やっとこの表紙は完成したんです。色が上がってよかったー!

10255113_298721863617519_1419800590_nモノクロの写真もただの白黒だけではなくて、4色の色を組み合わせてこのモノクロの色合いができているんです。濃淡がわかるでしょ。

 

今、出版業界はとても厳しいんです。東京でさえ雑誌が売れない時代。しかも、地方でちいさな会社で、このせとうち暮らしを手に取ってもらう、買ってもらうためには、地元ならではの取材力と熱意で勝負するしかないかなと。

何度も何度も島に行って、原稿も普通の雑誌の何倍もの書き直しをしてっていう、すごくアナログな方法で作っているから、素朴だねとか味があるねという手作り感がでるんだと思います。

最後にこのお仕事をされているやりがいを教えてください

それはやっぱり、みんなで一緒にひとつのものをつくりあげることですかね。雑誌を作るっていうのはひとりではできないんです。 それに買ってくださる読者がいて成り立っているんです。

 

世の中にたくさんある雑誌のなかで

これだけ自分たちの住む地域に愛情をもって

作られている雑誌はそうそうないと思います。

人とのつながり、場所とのつながり、ものとのつながり

すべてを大切にして作られているからこそ、

香川の魅力、せとうちの魅力をしっかりと伝えてくれる内容になっているんですね。

若草色をした春号は4月18日(金)発売です。

この春はせとうち暮らしを持って

ふらりとせとうちの島々を旅してみませんか?

せとうち暮らし HP

http://setouchikurashi.jp/

【文章・写真 : 伊藤桃香】