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今、あなたの目の前に一杯のコーヒーがあるとします。

 

では原料のコーヒー豆は、どこから来ているのでしょうか?

どこの、誰が、作っているのでしょうか?

 

私たちといっしょに、考えてみませんか。

 

☛ What’s See-Saw ?

同志社大学を拠点として活動する学生団体。フェアトレード・ファッションショー、”PLUS ONE”を毎年開催。フェアトレードをツールとして、普段の生活の中から国際問題について発信することを理念としている。

 

対等な取り引き、そこに潜む国際問題

 

そもそもフェアトレードって、なんだろう。

 小山さん:私たちの身近にある商品は、途上国で生産された原料で作られているものがほとんどです。例えば、このコーヒーの原料であるコーヒー豆も、途上国で生産されたもの。途上国から原料を輸入し、それを先進国が加工して販売する、というのが現在の主流となっているんです。

人間は、当然安いものを求めますよね。値下げを求めると、最終的に原産国である途上国に、値下げのしわ寄せがいってしまうんです。それは、途上国で原料を生産する人の賃金カットを意味します。その中には、1日中働いても、明日の生活さえ危うい人もいるんです。

でも、これっておかしいと思いませんか?途上国の人も、働いた分の対等な賃金をもらうべきだと、思いませんか?

これが、フェアトレードの基本的な考え方です。フェアトレード商品は、途上国の生産者の賃金が考慮されているので、そうでない商品と比べると少し値段が高くなります。

先進国であろうと、途上国であろうと、フェア(対等)なトレード(取り引き)をするべき。この考え方、そしてこのための運動全体を“フェアトレード”と呼ぶ。

 

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小山さん:フェアトレードと支援には、大きな違いがあります。支援は一方的に与えるだけですが、フェアトレードは、現地の人たちの自立を促せるんです。

支援のように、全てを与えることは決していいことではありません。支援に依存することなく、その人たちが自分たちで生きていける体制を作らなければ、世界は変わりません。

“やってあげる”という一方的な行為ではない、本当の意味で対等な交換。これこそが、フェアトレードの最大のメリットだと思いますね。

 

■ フェアトレード後進国、ニッポン

 

最近は企業の社会的責任が重視されているが、フェアトレードを採用する企業も増えているのだという。フェアトレード商品は、案外私たちの身近にあふれている。

小山さん:例えば、スターバックスでもフェアトレード商品を扱っています。毎月20日は“フェアトレード・コーヒーの日”として、フェアトレード商品のコーヒー豆を使ったドリップコーヒーを提供しているんですよ。知らなかったでしょ?(笑)

 

6210014_LL1こちらがスターバックスで販売している、フェアトレードコーヒー。袋の右にある”フェアトレードマーク”がその証。

 

他にも、スーパーでフェアトレード商品が売られていたり、フェアトレード商品を売るお店も結構あります。企業の社会貢献の手段としても、フェアトレードは注目されているんですよ!

前野さん:ただ、決して多いとはいえないのが現状です。世界的に見て、日本はフェアトレードの面でとても遅れているんです。もともと、フェアトレードという考え自体がヨーロッパから始まったものなので、仕方ないという面もありますが…。

でも、先進国の中でフェアトレードという言葉は、もはや常識のひとつなんですよね。

恥ずかしながら、筆者はフェアトレードについてほとんど知らなかった。日本では馴染みがないかもしれないが、世界では常識であるフェアトレード。国際化が進む社会に生き、さらに地球で生きる私たちにとって、フェアトレードは決して他人事ではないのだ。

 

あくまで“ツール”のフェアトレード

 

ここまで、フェアトレードについてお話していただいた。しかし、See-Sawは”フェアトレードの団体”ではない。

前野さん:See-Sawの理念は、あくまで”世界情勢を発信する”ことです。私たちの言う”世界情勢”とは、貧困をはじめとした国際問題が、いま確実に存在していること。その手段として選ばれたのが、フェアトレードなんです。

ただ漠然と国際問題について発信するだけでは、興味を持ってくれる人は少ないですよね。でも、「今あなたが飲んでるコーヒー、フェアトレード・コーヒーだよ!」って言われたらどうですか?

国際問題を、できるだけ身近に感じてほしいんですよね。

 

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小山さん:世界的に物事を考え、自分たちのできることから行動をスタートする、というのが私たちのモットーです。そして、”発信すること”こそが、私たち大学生のできることだと思うんです。だからあえて、”フェアトレードを行うこと”ではなく、”国際情勢の発信”を理念として活動しています。

フェアトレードを通じて、その裏に存在する“国際情勢”を発信する、これこそがSee-Sawの活動目的なのだ。

 

大学生を、振り向かせろ!

 

“PLUS ONE”は、See-Sawのメインイベント。毎年行われる、フェアトレード・ファッションショーだ。

 

無題2013年のPLUS ONEの様子。

 

小山さん:PLUS ONEは、身近なところからフェアトレードや国際情勢について知ってもらおう、ということで始まったイベントです。メインはファッションショーですが、他にもダンス、ダブルダッチ、アカペラのショーなども披露しています。

前野さん:それぞれのショーを、フェアトレード商品の服やアクセサリーを身に着けておこなっているのですが、これらの商品は一見フェアトレード商品かどうかはわからない、というものばかり。要するに、普通にオシャレなんですよ!

途上国に住む人たちが現地で作ってる、っていうと民族風な感じだと思いませんか?このイメージを覆したいんです。みんなが思ってるより、フェアトレード商品って身近なんですよ。

 

無題2トップスがフェアトレード商品。街で着ていても誰も気づかないだろう。

 

■知ること、が大事

 

身近なフェアトレード商品を買うだけで、世界に貢献できる。一見簡単そうに見えるが、フェアトレード商品は値段が少し高いこともあり、なかなか行動に移せない人も多いだろう。しかし、行動に移すことが全てではないという。

前野さん:大切なのは、知ることです。知ることによって、選択肢が増えますから。その選択肢のひとつに、世界情勢も入っていてほしいんですよね。

小山さん:いまこのとき、地球の裏側では1日も暮らしていけないような人がたくさんいるんです。ここに目を向けることが、地球上に生きる私たちの“責任”だと思うんです。

前野さん:私は、ベトナムでボランティアをしたことがあります。その時に、フェアトレード商品を作る方々と出会いました。たとえ日本にいたとしても、私のちょっとした行動が、この人たちの生活を変えるんだ、と思うと決して他人事とは思えませんでしたね。

フェアトレード商品を作っているのは、私たちと同じ人間。そしてこのコーヒー、チョコレート、服など、私たちの身近にあふれる商品の原料を作っているのも、私たちと同じ人間なのだ。

小山さん:フェアトレード商品を買うことで、私たちの“気持ち”も、地球の裏側の現地の方々に届くはずです。確かに劇的な変化ではありません。でも、確実に世界は変わります。気付いて、知って、それだけでも変わります。

行動を起こすことを、強要したくはありません。知ることから先は人それぞれですし、そこはあえて個人にまかせます。“知る”という第一歩を踏み出すために背中を押す、それがSee-Sawの仕事です。

これからはファッションショー以外にも、発信の場を広げていきたいです。大学生だけでなく、もっとたくさんの人たちにも伝えたいですね!

 

無題12013年のPLUS ONE

 

今このとき、地球の裏側ではどんなことが起こっているのだろう?

 

そこではきっと、私たちには想像できないような世界が、

悲しい現実が、広がっているのかもしれない。

 

でも、住む場所が、環境が違うからといって、

私たちが使うモノの原料を作っている人々のことを

“関係ない”の一言で片づけてはいけないと感じた。

 

傾いてしまったシーソーは、

私たちのちょっとした気持ちで、きっと平行になる。

 

同じ地球人として、

まずは“知ること”から、はじめてみませんか?

 

 

 See-Saw HP : http://see-saw-ftpr.jimdo.com/

 

【文・写真:山下紗代子】