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『やりたいことを掛け合わせたら、一番になれたんです』
http://tsunagalien.com/no.174_1.html 

無一文にて日本一周を果たしたあの記事から
1年越しのインタビューが実現した


世界一周から帰ってきた彼は
やわらかい笑顔も変わらない、早口も変わらない 

それなのにどうしてだろう
すべての言葉が、ずしんと響く


『好きに理由なんて要らない』『行動に理由なんて要らない』
そこには、ふじっこの哲学があったのだ

 

藤谷亮太
神戸市うまれ。神戸大学4年生。ふじっこの愛称で親しまれる彼は、イベントサークルの副代表を務めた後に、大学生活への閉塞感から1週間の引きこもりを経験して旅に出ることを決意。独自企画の宝くじを用いて無一文にて日本一周を果たした。その旅の様子を『人を好きになる本』として自費出版し、自らの足で販売した。各地で講演やイベントに引っぱりだことなった彼は、大好きな”きゃりーぱみゅぱみゅ”に想いを届けるべく、世界一周に旅立つ。きゃりーコスプレでサハラ砂漠やウユニ塩湖、マサイ族とダンスを披露する世界一周の旅を成し遂げた。

『ふじっこのきゃりーぱみゅぱみゅに想いを届ける世界一周HP』
http://ryotafujitani.com/

『ダンス動画 世界からにんじゃりばんばん』
 https://vimeo.com/78345197

 

日本一周して、人そのものが好きになりました

まだ僕は、本物の『好き』じゃなかった。

 

ふじっこさんのバイタリティは相当なものだ
彼を突き動かすモノは、いったい何なのだろう?
 

 

僕は人が好きなんです。この想いをカタチにしたくて、特別な能力も無い普通の大学生だからこそ証明できるものがあると思い実行したのが『無一文で日本一周』でした。

そこから自費出版した理由は……人気者になりたかったからなんですよね(笑)。一番の想いはそれだけです。これを言ったら独りよがりのようですが、誰かに認められたかったんです。いや、何より自分自身で自分を認めたかったんです。

そこで一生カタチとして残る自分の成果がほしかった。だから出版したんです。

 

それは本当に、『人が好き』だったのだろうか? 

 

きっと、今までは自分を認めてくれる人が好きだったんです。やけど、日本一周を通して”人そのものが好き”になったんです。

人って、『自分はある種特別な人間だ』と思っているものなんですよね。自分が偉いとか抜きにしても、僕自身も自分は特別な人間やと思っていたところもありましたし、人をいち個体として見ていたんですよね。それまでただの通行人で終わってた人が、その人たちには全員奥深い過程、生きている人それぞれの人生があるんやと気づけましたね。

 

誰しも、自分の弱いトコロなんて認めたくない
そうして踏み出した自費出版で、彼は価値観が変わることになった

 

やけど、日本一周して、本が完成して、販売を始めて……読んだ人から感想をもらった時に、”相手の心を見る”ということを学んだんです。

『ふじっこさんの本を読んで、一歩踏み出せました』とか『この本を友達に渡して仲直りできました』と想いを伝えてもらい、自分が出版をした意義を感じる事ができました。人気者になりたいという不純な動機で始めた事も、人のお役に立つ事ができ、自分自身の軸へと繋がりました。わざわざ感想や感謝を伝えて下さったきれいな心の方々のお陰で僕は自分の真の想いに気づけました。

隣の人を“人”として愛せる人が増えれば、より幸せな世界になるだろうな~って。

 

本当に人が好きになったからこそ
彼の欲求は、誰かのためが強くなったという

 

僕にとっての幸せが『自分の好きなこと=人の役に立つこと』だったところから、一歩先の『人の役に立つこと=人の人生を尊重すること』に、今こうしてたどり着いたんですよね。人の人生との調和ができたら自分の人生が豊かになると、体験を通して当たり前のことに気づきました。

人に優しくされればされるほど、人に優しくなるように、欲求は満たされれば満たされただけ、自分の欲求は”人のためベース”になっていくんやと思います。

そういう意味でも、日本一周では価値観がめちゃくちゃ変わりましたね。何より僕の“人が好き”という理由が体験に基づく本物の想いとなりました。

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世界一周して、やっと旅が好きになれました

旅をするように、生きていきたい。

 

彼は前回、旅が好きなわけではないと語っていた
そこにも変化はあったのだろうか?

 

世界一周の方が大きなコトでしょうが、日本一周のように価値観は変わりませんでした。

ただ、世界一周でひとつ変わったことは、何かすることないけど何かしたいっていう人や、モヤモヤしてる人には旅をすすめるくらいに、”旅が好きになった”ということくらいなんですよね。

今は実際に世界一周団体TABIPPOによる2月に行う日本最大級旅イベントの副代表として、旅に対する選択肢とキッカケを人々に提供する活動をしていますし、心から良いと信じている事を人に本気で伝える活動をしてみようと学生生活最後の大きな活動として今僕は本気で取り組んでいます。

また自身が立ち上げメンバーでもある日本学生旅行企画たびっぷるでは、学生の旅行企画をサポートするなど、旅でできた想いが現在の活動にも関わっています。

 

「世界一周しています!」と言いたくなかった、と彼はいう
そんな想いにも、変化は起きた

 

世界一周の本質を知らずに”世界一周”という言葉に惚れたくないというか、それがカッコ悪いと思っていたんです。カッコつけで体裁の良いミーハーな言葉を使っているだけの自分が嫌でしたね。

やけどそれって、逆に僕は人の目を気にしていただけだったんですよね。
世界一周というと定義が曖昧なので、「それって世界一周なん?」と言われるのが怖かったんです。あげあしをとられることに怯えていたことが、カッコ悪いですよね。

「世界を一周してきました」という言葉には、ロマンがあるんです。自分のロマンやったり、わくわくやったり、旅への『好き』に正直になりました。

僕は今、堂々と世界一周してきましたと声を張れますね。

 

旅への『好き』と向き合えたからこそ
旅そのものが、彼の”歩みたい生き方”だと気づいたようだ

 

それまでは、なりたい未来を決めて逆算していく人生を望んでいたんです。やけど、1年前の自分は今の自分を想像していなかったですし、4年後の自分なんて1%も想像できていませんでした。今後も10年後何をしているのか、と考え抜く能力が僕には無いと気づいたんです。

この世界一周旅では、全体のルートも決めずに、ただ目先の唯一の目的地に向かって自由に進む。同じ区間を歩むという行為としては同じ事をしても、その過程には旅人それぞれのドラマがあるんです。そこには予想もしなかった出会いがあり、予定にも無かった飲み明かす日々があったり、そこで次の新しい魅力的な目的地を教えてもらうこともありました。

旅するように生きる、これが僕の生き方の理想になったんです。

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好奇心を満たしていける人生にしていきたいから、努力が欠かせなくなった

好きの向くまま、気の向くままに。

 

旅するように生きる、とは?

 

今の目先の目標に本気で突き進む中で、また新しい欲求や選択肢が見えてくる。そのやりたいことの途中で最も求めることを見つけたら進めば良いと思うんです。目先のやりたいことに情熱を向けて生きていきたいと思うようになりました。常に“今”を本気で過ごす人生だからこそ楽しいんですよね。

ただ、そうして旅をするように生きるためには、人一倍の”想いの強さ”と”負の感情とつき合う上手さ”が必要だと思っています。常に自分に舞い込んできたチャンスを活かし、欲求を満たす。だからこそチャンスを逃さない能力と環境に居ることが必要であり、自分自身に負けない努力を常に続けなければいけないと思っています。

 

未来は分からないと諦めたからこそ努力が増えた、と彼は語る

 

こうして変化していくことを望むようになったわけですが、唯一ずっと変わらない想いは『好奇心を満たしていける人生にしたい』ということです。やから、そのためには能力と環境が必要なんですよね。

何するかってきまったらやれば良いだけなのですが、”すべきこと”の一本の道、がなくなったからこそ、しなければならないことがすごく増えましたね。むしろ今は、学んでいるのかもしれません。この思考が確立されてから、面倒くさい事などに対する反復と自分が決めたルーティンワークは何があっても欠かさなくなりました。

 

「世界一周は本当につらいことだらけだったんです…」
けれども、彼の顔には笑顔があった

 

僕はお腹も弱くて潔癖性ですし、高山病になるし、水シャワーだし、アメリカではヒッピーにカツアゲされたり、アフリカはワゴン車に35人で6時間乗りっぱなしだったり……(笑)。

本当に嫌なことだらけだったけど、また海外を旅したいなと思っちゃうんですよ。だって、それ以上に感じるものがあったからなんですよね。心がふわっとするような場所を見つけたり、文化や言語の違う人と分かち合えた感動があったり。人生どれだけ感動体験を送ったか、って重要ですよね?

旅をしたくない理由の一つに”別れの寂しさ”がよく挙げられるのですが、涙を流すほどの寂しさは、その悲しさ以上に幸せな空間があった証拠ですから。

 

寂しさは、幸せから生まれてくる。
そこから生まれた、幸せな人生の作り方とは?

 

それを人生で考えてみたら、やりたいことや好きなことに向かっていく人生でも、半分以上が嫌なことなんやと認識したんです。

嫌なことがあればあるほど達成感が増すものなんですよ。僕も含め人は自然と安全な道を選ぼうとするが、気をつけてても嫌なことはごまんと起きます。

好きなことの過程には嫌な事もあるという当たり前さに気づいてしまったので、嫌な事柄をネガティブ要素として受け取らなくなりました。達成感をあげてくれるための試練くらいのものであって、僕の人生の一貫なんだなぁ、と。自分の好きな道を進む中で現れる負の要素と上手く付き合う事も、幸せに生きていく方法だと実感しました。

こうして日本と世界を巡ったことで、どんな形式の旅をするよりか、どんな時間を過ごすかが大事だと学びましたね。

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『僕の大学生活には意味があったんやなあ』と、今になって感じています

なにがあっても、好きを貫いていく。

 

インタビューや講演でもひっぱりダコのふじっこさん
常に伝え続けている、想いがあるという

 

『好きに理由なんて要らない』『行動に理由なんて要らない』、僕の伝えたいことはこの2つにつきます。

僕はとことん、好きを行動という形に起こてきました。きゃりーぱみゅぱみゅが好きすぎて、”きゃりーぱみゅぱみゅに想いを届ける世界一周”と題して、きゃりーちゃんのコスプレで世界一周してきました(笑)。

きゃりーぱみゅぱみゅ×旅、という、これも好きとやりたい事を掛け合わせたものです。

 

”好き”っていうのは、案外難しいこと
好きに不安は、付きものだ

 

だって、僕が好きだと思うものをもっと好きだという人は周りにいるかもしれないし、『お前の好きはまだまだやねん!』って思われるんじゃないか……と不安になります。

やけど、『好き』だと言い出す段階の違いもありますし、好きと言い続けることで好き度が高まってくるものだと思うんですよね。

僕がきゃりーぱみゅぱみゅを好きになった理由も聞かれますが、『独自の生き方を貫いていて…』とか、立派に答えようと思えばなんとでも言えますけど、正直顔が大好きなんですよ(笑)。始めはそんな動機でもここまでの行動に変わったわけですし、いつか会えると思っていますよ。

 

行動に理由は要らないけれど、思考の伴わない行動は不安になる
そんな矛盾がある、と彼はいう

 

僕はイベント、世界一周、日本一周、出版……わりといろんなことをしてきて多くの記事やテレビなどにも取り上げて頂きました。やけど、『将来、この活動が何の役に立つんやろ?』とふと不安になる時があったんですよね。
今は「すごい!」など仮に言ってもらえたとしても、無意味なんじゃないかと不安になっていました。時間を無駄にしてるんじゃないかって。

やけど、内定先の旅行会社の社長さんは本を読んで僕をスカウトしてくれたわけですし、自分のブログ経験、イベント経験があって今でもプロモーションプロジェクトを任せてくれていて、今までやってきたことすべて意義はあったように感じますね。何より旅で培った新しい環境に順応する対応力には大変助けられています。様々な要因が繋がっている事を少しづつ体感できています。

『僕の大学生活には意味があったんやなあ』と、今になって感じています。

 

バラバラだと思っていたものも
点と点は、線になっていた

 

行動に理由はいらないと言いつつも、自分の行動に意義は持ちたいものです。矛盾しているように思うけど、自分自身がその活動を行う意義というのは、行動してから強く分かるものだと思っています。
どうせ事前に考える時の知識や体験なんて薄いんだから、行動するまえに意義が分かり切ることの方がナンセンスじゃないですか?

単純に旅が好きという理由で始めたTABIPPOの活動でも、当初は今までのノウハウでは4000人規模というイベントを上手くまとめ切れなかったし、周りの方々のレベルは自分より数段階高すぎて、新たな成長と感動の連続です。
これだけでも新たな意義は充分にありました。意義なんて後から生まれるものですから。

 

『好きだから始めた』でやっていくので良いと思うんです。とにかく興味を持ったものを行動という形に移し、情熱をかける。そこで新しい興味や選択肢が現れたら、次はそれに情熱を注げば良い。
行動し出しても、自分が行う意義が見いだせなかったら辞めたって良い。とにかく常に“今”に本気なんです。

人生におけるやりたい事、情熱をかけられる事の見つけ方ってこれしかないと思っています。だから入り口の段階で選択肢としての幅広い知識と感動する感性を養うことは重要だと思っています。

こうして、自分の強みはミーハーさやと思えるようになりました。好きって感動ですし、いろんなものを好きになれ情熱を注げるからこそ、このミーハーさは一番の強みやと思っています。

出会って一回目で告白してしまいますし。恋愛も、ですね(笑)。

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人間は成長するためではなく、楽しむために生まれてきた

「特別な時間を与えたいからこそ、旅行という時間を。
価格競争の旅行業界で、旅への選択肢とキッカケを与えられる側になりたい。」

そうして就職も決めたふじっこさん

 

これは決して”旅のふじっこ”だから、ではないのだ
これが彼の生き方なのだから

 

いつか誰かが『ふじっこのように生きる』という日がくるのも
彼の生き方に勇気をもらうことも

そう遠くはない話なのだろう

 

Facebook:藤谷亮太(Fujitani Ryota)

Twitter:@fuuujikko

 

【文・写真:三宅瑶