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『旅』と聞いて
あなたは何を思い浮かべますか?

自分探し、バックパッカー、新しい価値観……

 

いえいえ、そんなに大きなことではないのです。

 

旅は目に見えないものだけれど
その良さをたくさん見せてあげたい。 

旅に生き、旅に尽くす男に迫る。

  

興井健
京都府生まれ。留学や就活支援など精力的に行い、周囲からも『けんけん』の愛称で親しまれる。卒業旅行から帰ってくると家に大学から『卒業不可』の通知が届いており、5年目に突入した。
幼い頃から夢だった旅行業界に再び内定を決め、学生ながら添乗員のアルバイトも行う。そして学生で旅行を企画する『たびっぷる』の関西代表である。

 

 

添乗員さんが、僕の不安を楽しい思い出に変えてくれた。

誰かの旅の思い出の中に、僕も居たい。

 

ーーけんけんさんが『旅』に魅力を感じたキッカケはありますか?

それは幼い頃に、家族でオーストラリア旅行に行った時に出会った旅行会社の添乗員さんの存在ですね。

はじめての海外で、はじめての英語で不安だらけで、なんなら行きたくないくらいやって……。
やけど、そこで出会った添乗員さんがフレンドリーですごく頼りになって、僕の不安をどんどん取り除いてくれたんですよね。帰る時には『まだここに居たい!』と思えるくらいに楽しくなっていたんです。

僕にとっては不安を取り除いてくれて、楽しい思い出に変えてくれた人で、その添乗員さんのようになりたいと幼いながらに思ったんですよ。それは高校生になっても変わらなくて、将来の夢を漠然と考えた時に、絶対に出てくるのがその添乗員さんの姿やったんですよね。

 

ーーその記憶からも、けんけんさんの夢になっていったんですね。旅行業界でも業種はさまざまだと思いますが、それでも添乗員なのですか?

旅行って楽しい想いとして残るものやけど、僕の思い出の中にも添乗員さんの姿は残っていたわけで、僕も誰かにとってそういう存在になりたいなと思ったんですよね。

旅行業務には売る人がいて、電話を受ける人がいて、企画する人がいて……。
その中でも実際にお客さんが楽しいと思っている本番当日に、一緒におりたいというのがあったんですよね。直接お客さんの楽しそうにしている顔を見れるのがいいなあ、って思ったんです。

旅行を志しての外国語大学を選びましたし、夢としては変わることがありませんでした。

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旅は出会いやと思っていますね。

やっぱり全部、人でした。

 

ーーそれだけ強い想いがあったのですね。大学生といえば時間もありますが、よく旅などには行かれたんですか?

行きましたね。大学生になって旅や留学をしてみても、やっぱりその行った先々で良い出会いがありましたし、そういう経験を繰り返してどんどん旅にハマりこんでいったんです。

知らない場所に行くのも楽しいのですが、そこの景色とかよりも、そこで出会った人が一番楽しいんです。
普段会えないような人とたまたま居あわせて、お話して、そこで出会った奇跡がいいんですよね。

ちょっと外に出るだけで沢山の出会いや気づきがあって、そういう時に改めて身の回りの大切さにも気づくんです。

 

ーーそうしてどんどん旅に惹き込まれていったんですね。自分が旅をする以外にも旅に関わることをしてるんですよね?どういった活動なのですか?

たびっぷるという団体の代表も務めています。たびっぷるとは、メンバーで旅行プランをを企画し、実際に集客から旅行当日までの流れを自分たちで実行するという団体なんです。

去年から引き続き行き先は沖縄で、今年のテーマは『旅を通しての出会い』でした。

なにより集客が大変でしたが、当日は全国からお客さんが来てくれはって、遠くは東北から1人で来たお客さんもいました。
そうして集まった初めましての人同士が楽しい時間を過ごして、また沖縄の人とも仲良くなって、みんなの楽しそうな顔を見れたのが何よりも嬉しかったですね。

 

ーー『旅を通しての出会い』とのことでしたが、どんな企画をしたのですか?

具体的には、沖縄のお店を貸し切って、旅行参加者と沖縄の学生をつなぐ『旅コン』という企画をしました。せっかく沖縄に来たからこそ、旅行者だけやなくて沖縄の人とも仲良くなってほしいなあという想いでした。

そうして旅コンの帰り際には「また沖縄に来るね!」と言っているお客さんもいて、普段の旅行では作れないような繋がりを作れたと思うとすごく嬉しかったですね。

企画、集客、そしてお客さんの顔を見て、『楽しさがやっと目に見えた』ってかんじでした。去年・今年と沖縄でカタチになって来たなあと思いますし、もっと他の旅行地にアプローチできるのかもしれないと感じると楽しみですよね。

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旅行は、”カタチないもの”なんです。

誰かの思い出に寄り添う、責任感。

 

ーーけんけんさんは来年から旅行業界に就職するわけですが、社会に出る前にこういった経験を出来て良かったですよね。

そうですね。大きなお金を動かしたり、旅行がどうやって作られていくのかを学べましたからね。ただ、それまでの自分が甘かったとも感じました。お客さんが時間を割いてお金をかけて来てくれるんやと思ったら、もっと覚悟していかなければいけないとも感じましたね。これから働いていくうえでも大事にしようと思えました。

特に僕は、バイトで旅行の添乗員をしているのでより感じます。旅行会社のツアーを利用してくる人がどんな想いをして選んでいるかも分からないわけじゃないですか。会社側でもそこまでの企画者の想いがあったり、『お客さんが楽しんでいて良かったなあ』だけではなく、その旅行に関わったいろんな人の想いを考えていきたいですね。

 

ーーどんなことでもポジティブな思い出に変わるということで、それだけ大きな責任もあるんですね。

これはよく言いますが『旅行はカタチないもの』ですから。

参加者の方々はたくさんおる人のうちの1人でしかないけれど、そのお客さんからしたら添乗している僕は1人しかいないわけですよね。頼れる人は僕しかいなくて、だからこそ一人一人に全力で接したいという想いがありますね。

だけどなにより、僕自身が楽しんでいますから。

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僕はこれからも、旅に寄り添っちゃいます!

新しい発見や出会いが、旅になる。

 

ーーそこまでしている添乗員さんって、あまり見かけませんよね。やはり何か旅へのイメージを変えたい想いもあるのですか?

時間を割いて、お金をかけていくものと思うかもしれないけど、そんな大げさなものではなくもっと手軽なものに感じてほしいですね。

それによく『旅と旅行は違う』だとか言われますが、僕はそういうのをなくしたいんです。世界一周だって、ツアーだって、なんだって同じで、どっちにもわくわくも不安もあるんです。

そして近場をふらっとうろついてみたり、いつもと違う道を通ったり、ちょっとしたことでも旅にもなりうると思いますから。

 

ーーひょうんなことが旅に接するキッカケになるかもしれないんですね。

それに時間のある学生ならなおさら旅はできるものですし、今のうちに沢山行って、旅の魅力を知ってほしいですよね。

社会人になったら出来ないものではないですが、やはり時間があまりとれません。社会に出てしんどくなった時に、選択肢にあるものが”旅”であってほしいですね。

新しい発見や出会いが旅になりますし、こうやって過ぎ去る毎日だってそうで、旅行の思い出からチカラをもらえたりするんですよ。

 

ーーたしかに、旅行帰りってなんだかスッキリしていたり、寂しいながらもワクワクしますよね。

やから、旅から帰って来ても『現実に戻って来た』と肩を落とすことはしないでほしいですね。一日ぐらいは寂しがっていいんですよ?沖縄から帰って来て7時間も空港から動けなくなった、僕みたいに(笑)。

それだけ楽しかったってことですから、知らないものを知ったり、好きな場所ができたり、それを日常に持ってかえってくるのはもっと楽しいんです。

それに沖縄で出会った人で、「関西にいくわ!」って言って、今度来る約束をしてくれたんです。出会って間もないのに嬉しくて、『旅は最高やなぁ』と、たびっぷるで実感しましたね。やっぱり一期一会、そして出会いは一生ものです。

僕はどんな旅にも寄り添いたいですし、名前の通りの添乗員でありたいですから。

 

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あなたはつらい時、何をしたいですか?

おいしいご飯が食べたい、カラオケに行きたい……
その選択肢に『旅』を入れてほしい。

 

ちょっといつもと違う道を行ってみよう
どこか寄り道をしてみよう 

気軽でいいんだ、すべてが旅なんだ。

 

「旅をしよう」

あなたがそう思ったとき、思い出の中には
けんけんさんの姿があるのかもしれない。

  

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たびっぷるHP→http://tabipple.com/ 

【文・写真:三宅瑶