現役女子大生で起業家、

特筆すべきはそのアイディアの独創性。

料理教室に農業に書道に小物作り…

女子の「好き」をぎゅっと凝縮した主催イベントは

評判も人気も満足度も高い。

 

さすがの女子力!?かわいくっておまけにパワフル。

そんな彼女の最新の思いに触れてきた。

 

puella mayusan

 

PROFILE

1992年生まれ、香川県出身。大学2年のとき、神戸大学の「起業家精神育成ゼミ」にて経営に必要なマインドやノウハウを学び、起業を志す。バーの店長を務めるかたわら、翌年の2012年11月には料理教室・イベント団体「puella」を立ち上げ、書道イベントやお菓子作り・小物作り教室、フォトセミナー、農業体験、速読教室などのイベントを次々と開催。ラジオやフリーペーパーなど各種メディアにも多数取り上げられている。
4月にはNPO法人関西を元気にする会のビジネスプランコンテストで優勝。今後はカフェや施設と提携した料理教室も展開予定である。

 

 

良くも悪くも、「食」が人生を決めてしまう

 

料理教室・イベント団体「puella」。
今でこそ起業を志す学生は多いものの、小西さんのように事業内容を「女性」や「食」に焦点を当て、独自路線をいく起業家は珍しい。
特に「食」に関しては、こだわり続ける大切な理由があるという。

 

「まず一つ目は、1回生の時に予定をつめすぎて体調壊したこと。
大学入学後3か月は、バイトとサークルと飲み会のサイクルで生活が回ってた。家にいるときがほとんどなかったんよ。今考えたらひどかった(笑)。

そんな荒れた食生活を続けた結果、体調崩して病院行ったらなんと入院の一歩手前!
食中毒と栄養失調が同時にきたらしい。
体に栄養がまわってないせいで、一回崩した体調を元通りにするのにも時間がかかるし、
お金もめちゃめちゃかかったんよ。

遊びつくして楽しかったけど、結局それが悪影響になって体に返ってきたんや、ってその時すごく後悔した。自分で自分の食生活を管理することがいかに大事か気づかされたの。」

 

小西さん自身の苦い失敗の経験が、「食は大事」という強い意識につながっている。
でも理由はそれだけではなかった。
 

 

「もうひとつが……これはずっと公にすることをためらってたから今回初めて口にすることだけど、私の家族に関すること。私の妹は、自閉症っていう発達障害の病を持ってるの。原因や効果的な治療法が今でも全くわかってない病気だから、治しようがなかった。

ただ最近、お母さんの食生活の偏りが生まれてくる子供の精神に影響しているんじゃないか、って言われてきてるらしくて。
逆に言えば、母体がバランスよく栄養を取り入れていれば、生まれてくる子供も精神疾患にかからずに済むのではないか、ということ。

それを聞いたとき、『食べる』という行為が一人の人間の人生を変えてしまうんや、と心底実感した。
妹はもちろん、私やお母さんもそう。お母さん、本当は仕事せなあかんのに妹の世話するためにずっと専業主婦だったし、実際苦労もしてた。
私自身いつか子供を産む時のことを考えるとめっちゃ不安があるけど、その分自分の健康管理を気をつけなあかんなってすごい思わされたんよね。」

 

CIMG0425 「自炊はいつもしてて、どれが体に良くて悪いのかちゃんと調べて作る。

コンビニ食で済ませるときも、後で添加物を出すような飲み物を飲むようにしてる!」

 

健康がいかに大切か。そう語る小西さんの様子は、真剣そのものだった。
その思いを形にしたのがpuellaでの活動なのだ。

 

 「食に対する意識で人は変わる。今食べている物が後々の人生を左右する。
大学生の食生活は偏りがちだからこそ、何も知らずに食べるっていうのはよくないってことを教えていきたい。そうして食の場を大切にしていきたい。

 今『畑deキッチン』っていう、参加者の方に自分で収穫してもらって、料理して食べてもらうっていう企画をやってるの。
自分の体とのコミュニケーションを大切にする、体を大事にするっていうのは、
どんなものを体に入れるのがいいのか、そして作られた料理にはどんな材料が使われてどういう思いでここまで来てるのかということと向き合うことだと私は思うんよ。」

 

 

楽しいとき、そこには必ず「食」と「人」がある

 

健康と一言にいっても、ただ体に栄養がいきわたればいいわけじゃない。
楽しい食が人と人をつなげる役割を果たすのだ、と小西さんは言う。

 

 「食卓では体の健康だけじゃなくて、”楽しい”や”わくわく”を感じる、心の健康も一緒に育まれるんじゃないかな。
だったら体の健康と『生きててよかった』って感じられる瞬間を、一人一人が自分でプロデュースできたらいいんちゃうかな!
私もその人が感動できる場所を、”食”っていうツールを使ってシンクロできたらいいなって思ってる。

例えば大好きな彼氏が最近疲れてるっていってるから、野菜を使って元気づけてあげようとか、手紙も添えてみたり。そういうサプライズがいいなって思ってて。
そしたら体も潤うし目の前にいる人とも人間関係もさらにお互いいい関係になれるやん?
そういうのを提供していきたいなと。自らつくる食卓を通して、人生の最高の1ページを作っていきたいと思ってる。

 今までpuellaでやってた女子会も、『心の健康に向き合う』っていうテーマにリンクするところがあるねん。
というのも、女子会イベントでは目に見えるもの、形として残るものを作ってもらったの。
『ここであの人とこんなものを作ってこんな思いを感じたな』っていうのをずっと目に焼き付けてほしかったから。

交流会っていっぱいあるけど、相手と話した内容とか結構忘れてしまうことが多いんよね。だから1か月2か月たっても記憶に、心に残るようなイベントを作りたかった。それが広くは心の健康につながるんかなとも思うんよ。」

  puella syo girl

女子会イベント「書ガール」の様子。

ちなみに記者も参加している。

 

 

私の不満を誰かの喜びに変える

 

そもそもpuellaを立ち上げようと思ったきっかけと経緯とは?

「私が2年生のとき、神戸大学卒で起業家の方が『神戸大学起業家精神育成ゼミ』というゼミを作ったの。社長さんたちが直々に講義してきてくださったり、生徒の私たちも一緒になってビジネスをつくったりするプログラム。

私はビラを手に取って心ひかれた。
ちょうどサークルとバイトだけの生活にマンネリと物足りなさをを感じていた頃だった。もっと大学生活キラキラしてるもんじゃなかったん?って悩んでたんよ。 

視野が広がるし、社会人としゃべるのが苦手やったから克服できるいい機会やし、もともと興味があった経営の勉強もできる。
そんな感じでいいなと思って入ったんよね。13人中女の子はひとりだけやったけどな(笑)。」

 

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起業家ゼミの様子    

 

起業家ゼミでの学びは実践的で充実していたという。
そんな中、小西さんにとっての転機が訪れる。

 

「11月に2日間ある神大の学祭に向けて、なんでもいいからみんなで100万円を稼ぐプロジェクトをつくれ!みたいな無茶な指令がきた(笑)。
ただ店舗入れるだけではぜったいたっせいできんから、なんか知恵とか工夫が必要よね。
そこで私がやることになった企画が、高校生向けのバスツアーやった。」

 

小西さんの出身地である香川から、高校生を神大に連れてくるというツアー。
キャンパスを案内したり、文化祭を楽しんでもらったり。そのあとで現役大学生の生の声が聞ける座談会の場を用意した。

結果的に150人の高校生が集まり、ツアーは大成功。一人5000円だから75万円の収益を得たことになる。他の企画と合わせて150万円。目標は大幅に数値を上回って達成されたのだった。

 ところでこのバスツアーには、小西さんの特別な思いが詰まっていた。

 

「私が高校生の時、大学生って何をするのかが全然分からなかった。一人暮らしやサークルや授業の実情、私生活の情報がまったくないまま入学したから、思い描いていたものとのギャップがすごくて、大学生活にめっちゃがっかりしたねん。
後輩には同じ思いをさせたくないなと思った。そこから高校生と現役の大学生がコミュニケーションをとる場があればいいなという発想に至ったの。

バスツアーを成功させたやりがいはすごく大きかった。売り上げを山分けして手元に残った5万円は、月30万円のバイトの稼ぎよりずっと小さかったけど、達成感はバイトとは比べものにならなかったから。」

 

この経験は、小西さんにとって人生の進路を決める重大なものとなったようだった。

 

「私はもともと飽き性で、趣味もこだわりもなかった。好奇心は旺盛やからサークルやバイトも色んなものに手を出したけど、結局私ってなにしたいんやっけってなってたんよ。

でもバスツアーでの経験が転機になった。
このツアーは、かつて高校生の時に抱いていた『こんなことを知りたかった』っていう思いが原点になっていた。そんな風に自分の過去の経験を、同じ不安を持つ人達に還元して、喜びを提供したいと思った。

自分が思ってる不満に対して行動すること、解決してあげることが私のやりたいことなんだって気づけた瞬間だった。
しかもすでに存在しているものじゃなくて、自分が一からつくりあげたものに対してじゃないと本気でやり遂げられない。ほら、飽き性だから(笑)。だから起業という道を選んだの。

じゃあ、自分の不満って何?って考えて、思い当たったのが『食』やったんよ。」

 

大胆な行動に見えて、本当は行き当たりばったりの起業じゃない。自分の思いを大切にしたくて、喜びの源泉を自分のものにしたくて、導き出した答えなのだ。

 

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実に色んな経緯を経て、多くの困難も超えて今のポジションを確立している小西さん。
最後に、女性として、起業家として、一人の人間として、どんな人になりたいのか聞いてみた。

 

「自分が死んだときに、あの人の影響力すごかったな、あの人のおかげで自分はこういうことできたな、みたいな、軌跡を残したいかな。
そしてずっと感謝していられる人でいたいなと思う。起業の決断はゼミのおかげだし、料理教室を開くことになったのも家族の存在があったから。
その人がいてこそ自分が今ここにいるっていう当たり前の事実を、普段はなかなか気づけないから、大事にしていきたい。」

 

フルスピードで疾走するエネルギッシュな女性。

「やらなきゃわかんない。考えるより行動して、失敗したら考える!」と言い切る姿は、

かわいいより“かっこいい”がよく似合う。

驚くような事業プランや魅力的なアイディアを楽しそうに話す姿が、

きらきらと輝いてまぶしかった。

 

Facebook:小西 真由

Twitter @nknkymym

puella HP:http://puellakitchen.com/

puella Facebookページ:https://www.facebook.com/Puella1101

 

【文責:福良碧】