「バリィさん」と聞いてすぐには思い浮かばない人も、
この姿を見ればピンとくるのではないだろうか。

タオル名産の地・愛媛県今治市のご当地ゆるキャラであり、
昨年のゆるキャラグランプリ2012では見事優勝したバリィさん。
その管轄は、民間企業だった。

今治の地域活性化のあり方に迫るべく電話取材を依頼すると、
お忙しい中スタッフの方は快く応じて下さった。

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知名度もゼロ、予算もゼロ

なぜ印刷会社がゆるキャラ?
まずはバリィさんができた経緯からうかがうことに。

「弊社の本業はもともと印刷業なんですが、別枠でHPの作成やネット通販をしたりする部署もあります。それでネット製作の部署が、今治地方観光協会様のHPもつくっていまして。その関係で今治地方観光協会様の方から、HPに載せるためのキャラクターを書いてほしいというご依頼があり描かせて頂きました。
その後、せっかくできあがったキャラクターなので弊社で商標をとって管理運営していこうかという話になり、今に至っています。」

何もないところから始動したキャラクター運営。どんな苦労をされたのだろう。

「グッズを作るといっても弊社は印刷会社ですので、メモやレターセットなどの紙媒体のものしか制作できないんですね。しかも予算があったわけじゃなかったですし…。
知名度もゼロ、予算もゼロの中、お金がなくてもできるPR方法を考えましたね。
イラストができてから1年以上は着ぐるみなしで活動していました。(苦笑)

他のゆるキャラさんも同じだと思うんですが、まずは知っていただかないと活動の幅も広がりませんし、グッズも売れません。だからとにかく色んなツールを使って世の中の人にバリィさんを認知していただく努力をしました。
バリィさんスタッフ一丸となって、やれることは精一杯やっています。それは知名度があがった今も、昔と変わらず続けているつもりです。努力なくして結果は出ないと思っていますから。」

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▲イベントのため、大阪の阪急うめだ本店にきていたバリィさん。
頭に来島海峡大橋をイメージしたクラウンをかぶり、タオル生地のハラマキをし、船の形の財布を持っている。
名物の焼き鳥から発想を得て、鳥の姿のキャラクターとなった。

地道なPR活動により、グランプリにも優勝。
それをきっかけにバリィさんを知った人も多いのではないだろうか。

「そうですね。県外に行って、バリィさんだ!と呼びかけてくれる人の数はかなり増えました。伊予観光大使という肩書や、グランプリの称号をいただいたことから、メディアや大手の企業様からの、オファーや商品展開のご依頼を多くいただくようになりました。

弊社は民間企業ですが、結果として今治が潤って観光産業を知ってもらえるツールになればいいと思っております。そのためにもまずは知って頂くことが必須!できるだけ県外でのPR活動に赴いています。それがご当地ゆるキャラとしての使命ですから。」

町の良さを知ってもらうため、生まれてきた

ゆるキャラブームの昨今、ご当地ゆるキャラの役割とは。

「思うにゆるキャラって、結局は地域活性化のためにいろいろやってるキャラさんのことなんですよね。だから田舎にはその数が多いように感じます。愛媛県だけでも約100体くらいいますし、全国でいえば1000体は超えると聞いたことがあります。

つまり、地域のことを知ってもらう、地産地消の物を買ってもらう……そのPRをするために生まれてくるのではないかと。
都会に行けばいくほどキャラクターがあまり目立たないのは、それ以上に目立つ何かがあるからではないでしょうか。田舎にはそういうものがあまりありませんよね。良いところはいっぱいあるのに…。だからゆるキャラを使った宣伝を積極的に行うのだと、私は思うんです。

バリィさんの一番の強みは、バリィさんを見れば今治の良さ、観光スポット、地場産業、特産が分かるということです。ですからいかにして地元をPRできるか、というよりも地元をPRするためにどうすればいいのかっていうのを逆に考えた方がいいのではないかと思っています。」

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▲バリィさんグッズの一部

それは、ゆるキャラを用いる用いないに関わらず、ということなのだろうか。

「どうなんでしょう。地域によって思いも考え方も違うと思いますが、今治は、産業も観光も物産もいろいろあります、タオルだったり造船だったり、お魚がおいしかったり、しまなみ海道があったり。
だから今治ならではの良さを知ってもらいたい。バリィさんを通じてでも良いですし、ここに遊びに来たついでにバリィさんを知ってもらうのでも、どちらでもいいです。とにかく今治に来ていただきたい!そういう思いでやっています。」

地元の町おこしに一役買う「ゆるキャラ」。その条件の1つは
「郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること」だそうだ。

都市部から地方へと視線が注がれてきている近年、
ゆるキャラたちは地域を盛り上げる重要なファクターになりつつある。

地域活性化の形は変われど、
「知ってもらおう、来てもらおう」という地元の方々の思いが
元気な地方、元気な日本を創ることに変わりはないと、改めて実感した。

バリィさんホームページ:いまばりゆるきゃら バリィさん
Facebookページ:バリィさん
Twitter:@barysan

【文責・写真:福良碧】