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今回のインタビューは、現在慶應義塾大学法学部3年生で、日本初の若者のための国家デザインコンテストを運営しており、未来国会2013の代表である山元富士丸さんにお話を伺いました。

第一印象も落ち着いた感じで、その経歴を見るとすごくしっかりしていて、様々なことに真面目に取り組んでいる様子が伺える。しかし、彼は大学入学当初、学校に登校せずあまり真面目ではなかったという。そんな彼がどうやって変わり、なぜ今の活動を行っているのか。富士丸さんの想いに迫りました。

 

 

山元 富士丸 (やまもと ふじまる)

慶應義塾大学法学部法律学科3年

NPO法人ドットジェイピー未来事業部代表

未来国会2013代表

 

●『1枚のチラシが自分を変えるきっかけに』

 

 

■今の活動に携わった経緯を教えてください。

 

——僕はサッカーが好きで、小中高とサッカーをやっていて、大学に入ってから最初はバンドサークルに入っていました。遊んで楽しく過ごしていて、なぜ今の団体に入ったんですかという話になるんですが、もともと入学当初学校に全然行っていなくて、週0といっても過言ではないくらいでした。学校のオリエンテーションとかも全然知らなくて。あそこを逃したことでスタートがうまく切れませんでした。毎夜遊んでばかりいましたね。でも、もともと政治に興味があって、政治家が法律を作るってところで法学部っていいなと漠然と思っていました。だからといって特別何かをしていたわけではないのですが、ある日たまたま日吉駅の前でドッドジェイピーが運営している議員インターンシップのチラシが落ちていたんです。そのインターンの集客ってことで、慶應とかいろんな大学で何百枚、何千枚、何万枚ってビラを配っているたぶんそのうちの1枚を誰かが捨てたと思うのですが、それを僕が拾いました。「議員」という字を見て説明会もやっているということで参加し、結果夏の予定が何もなかったので1年生の夏休みの2ヶ月間議員さんのもとでインターンをすることになりました。今ではよくあのときビラを拾ったなというか、よくたまたまビラが落ちていたなと思いますね(笑)。

 

 

■奇跡的な巡り合わせですね。まるでドラマのようです(笑)。

 

——そうなんです(笑)。僕は運がいいんですよね。1年生のときはほとんど学校にも行かなかったのでいろんなところに行って、いろんな人と出会ったというのは逆に良かったっていうのはありますね。僕全然真面目ではないんですよ。大学では最底辺にいましたから。

 

 

■もともと政治に興味があったとは思うのですが、具体的にはいつごろから興味を持ち始めたのですか?

 

——小学校から高校のころまでずっと興味を持っていました。議員志望となぜか漠然と。僕は政治家というものに嫌いがあったんですよね。国を動かすべき存在であるのに、政治不振や政治・議員さんに対してすごく嫌悪感を抱く人が多い状況に、政治家ってなんだろうと思っていました。この人になら任せられると思われるようなそういう存在になろうと漠然と思っていて、議員さんのことも見てそこからさらにのめり込んでいきました。

 

 

■なるほど。そこから議員インターンシップを通して、未来事業部、未来国会へと携わったと思いますが、具体的にそこではどのような活動をするのか教えてください。

 

——まず、NPO法人のドットジェイピーというものがありまして、若年投票率向上を掲げて15年間活動をしています。もともと15年前に政治と若者を近づけるために、投票に行かない若者が多い中どうすればよいかを考え、議員さんのもとで直接生の政治を見る体験をするということで、議員インターンシップというものを始めたんです。その議員インターンシップはいろんな政治を見て学ぶインプットの場です。議員さんの姿を見てこうすればいいとかそういう考えがあるのかというところを学んでいく中で、今度は自分が議員だったらどうするかというところをちゃんと座学から学びアウトプットする。創造し、社会に発信する場を作ろうということで2010年から未来国会というものが始まったんです。その未来国会が2010年、2011年、2012年と続いていき、今度は未来国会の自治体バージョンが始まりました。未来国会はあなたが総理大臣だったらというものですが、未来自治体とはあなたが市長だったらというものです。その未来自治体が本格化し、未来国会、未来自治体というものを合わせて未来事業部という形で、役所や自治体と連携して政策立案コンテストのような政治教育プログラムを作っていくんです。

 

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(右が富士丸さん。第7回マニフェスト大賞にて未来国会が優秀マニフェスト推進賞に。)

 

●『未来の日本ここにあり』

 

 

■ちょうどもうすぐ政策立案コンテストがありますよね。

 

——そうですね。コンテストについて簡単に説明しますと、参加者は約2ヶ月間をかけて、30年後の理想のビジョンに向かって、10年後の政策や予算を作ります。国会だったら官僚の方、自治体だったら役所の方、市役所の方と連携して発表するという2ヶ月間競い合うコンテストとなっております。エントリー基準は30歳以下の若者であれば誰でも参加できます。

 

 

■昨年は、スタッフとしてこのコンテストを観覧されたそうですが、参加者の印象はどうでしたか?

 

——すごく意識の高い人が多くて、全国から日本を変えたいとか、もっと日本について学びたい、知りたいという学生が集まってきていました。しかし、そういう人もいれば、それこそ以前の僕のように何かしたいという状況から入り、2ヶ月間という長いプログラムの中で官僚と話し合い、自分で見聞きしたものを政策に盛り込んだり、予算を作ったりとかビジョンを形にしていく中で学んでいったり。国家運営っていろいろな分野を作ると思うので、その中で自分が興味ある分野を持って進んでくれたら幸いですね。そういう意味で規模も幅広ければ、参加者の幅も広いので、この未来国会に参加したいと思った方は、経験・年齢を問わず、何か日本について知りたい、学びたいという意思さえあればぜひ参加してほしいです。

 

 

■今そのコンテストに対してどのような想いがありますか?

 

——このコンテストの参加者にはいろんなメンターという形でアドバイザーがつきます。現役の官僚の方々にお願いをして、いろんな省庁からメンターとしてご協力を頂いて、大手企業で政策立案をしているような方々にもお願いしています。学生、若者、30歳以下の若者って社会人の方も参加されますが、そういう若者の2ヶ月間を預かるわけですよ。大事な2ヶ月間を預かりますし、適当にはできません。まだ模索中ではありますが、ある程度こちらとして、こうなってほしいという姿があり、そこに至るためのちゃんとしたプログラムを提供したいという意味ではすごく力を入れたいですし、質の高い2ヶ月間にしたいです。最終的には参加してよかった、変われたと思ってもらいたいですね。

 

 

■今回のコンテストの参加者に対してメッセージがあればお願いします。

 

——未来国会の概要は先ほども言いましたが、机上の空論ではなく、実現可能性を担保されたプログラム、予算を考えることでアイデアができるので、そういう意味ではすごく説得力のあるプレゼンテーションになります。決勝ではいろんな議員さん、官僚の方々が観に来ますので、もしかしたら考えのきっかけとなり本当の政策になるかもしれません。全体を考える視点と予算を策定することで実現可能性を担保するというのは未来国会の大きな特徴です。しっかりとしたワークブックがあり、官僚の方が2ヶ月間付きっきりで一緒に活動できるということはすごく貴重な経験だと思いますし、一生繋がれるような仲間と切磋琢磨できるというのもこの未来国会ならではだと思います。明るい希望が持てないという若者が今は増えていますが、そういう状況の中で、そこを嘆くのではなく政治家や誰かを批判する前に提案をしてほしい。自分が理想とする日本はどういう形なのかということを一度考えてほしい。

 

 

■誰かを批判する前に提案を。すごく響く言葉です。

 

——若者が今こそ立ち上がり、希望を持てるような日本を考え、それをこの未来国会から世の中に発信していけたらすごく意味のあるものになるんじゃないかなと思います。

 

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●『とにかく動き続けること』

 

 

■このような活動を通して、富士丸さん自身も人生がすごく変わりましたよね。

 

——こういう立場に立ち、いろんな人に出会っていろんな活動ができているっていうのは本当に自分の中では考えられない変化なんですよね。僕は大学入学当時遊んでばかりでした。そういう人って多いと思うんです。大学に入ってやりたいことが見つからない。だからこそいろんな活動を経験して、バイトでもなんでもいいからとにかく1年生のときは動いて、いろいろやってたぶんそのうちしっくりくるものが見つかると思うので、そうしたらそれに打ち込んでいろいろなものを得てほしい。僕の場合は、議員インターンシップ、未来国会、政治という部分がメインとなっています。そういう機会を提供して、僕みたいに今後別の人を変化させて、その人がまた別の人を変化させていくことが続くことってやりがいがあるしすごく楽しい。人が変わるきっかけを提供していきたいです。

 

 

■人が変わる機会を提供したいという想いや人を幸せにしたいという想いがあるかと思いますがそれはどこから来ているのでしょうか?

 

——人を幸せにしたいというよりも、自分に自信がない人って多いと思うんですよ。僕は何もできなくて、能力も低くて頭がいいわけでもないんですよね。ただ、自信だけは無駄にあった。若者はもっと自信をもって活動してほしいし、僕みたいな人でも議員さんや官僚の方と出会って、いろんな活動をして、人を変える機会を与えられる場にいるというのは、そういう意味でどんなに能力が低くてもできることだと思うので、とにかく自信を持って動き続けていれば自分にしっくりくるものが見つかるはずです。

 

 

■富士丸さん自身、理想の日本の未来についてどのように考えていますか?

 

——僕の中での理想の日本というのは、今若者に元気がないというのがあって、全世代が日本について愛着を持ち、日本を好きになってほしい。この国にもっと誇りを持ってもらえるような人を増やし、全世代が元気で笑顔で暮らせるような日本にしたいという思いはありますね。それが理想の日本の姿なんじゃないかと思います。

 

 

■最後に、今後の目標を聞かせてください。

 

——未来国会のことでお話をさせてください。僕が未来国会がどうなっていってほしいかということに関しては、未来自治体も合わせてですが、全国まで拡大し、この国について考えていく日本最大の国家デザインコンテストということで、全国の若者が注目するイベントになってほしいです。まだ4年目のイベントですが、今後10年、20年とやっていく中で、興味を持つ学生が増えて、若者の力を発信する場の代表格として、未来国会を見れば、若者の力がわかるという具合まで全国の人たちが注目するイベントになってほしいと思います。

 

 

(編集後記)

富士丸さんのお話は共感することが多かったです。私も1年生のころは、自分が何をしたいか模索していた時期でいろんなところを動いていました。すごく大事なことだと思いますし、何かのきっかけで人生が変わることもあるかと思います。政治に関しても政治そのものを批判する前に提案をしていきたいですね。今、何かしたいと思い悩んでいる方、政治に興味がある方、日本についてもっと知りたいと思う方など、ぜひコンテストに参加してみてはいかがでしょうか?富士丸さん、貴重なお話をありがとうございます。今後のご活躍も期待しています!

 

 

未来国会…http://www.miraikokkai.com/ – 01

未来事業部…http://www.miraijichitai.com/

NPO法人ドットジェイピー…http://www.dot-jp.or.jp/

 

Facebook…山元富士丸

Twitter…@maruchan720

 

【インタビュアー・文・写真:木村優志