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早稲田大学にこんなサークルがある。

 

 

「活動内容:バンザイをする」

 

 

「早稲田大学バンザイ同盟」

 

約40年の歴史を誇る有名サークルだ。

 

バンザイの種類は768種類。

 

バンザイの基本姿勢は、脇の角度166度。

 

おめでたい場所なら、全国どこでも飛んでいき、魂を込めてバンザイをする。

 

彼らは一体何者なのか。いざ早稲田に出向くと、早速、法被を着た集団が現れた。

 

「僕たちは、爆発力のある陰キャラってかんじです(笑)」と言う同盟員。四六時中元気なわけではないらしい。

 

普段は部室でゲームをしているという。ても面白そうな、サークルだ。

 

話を聞くと、バンザイ同盟の魅力の「源泉」が浮き彫りになった。果たしてそれは・・・

 

<バンザイ同盟>

1966 年設立。早稲田大学を拠点に、日本全国のおめでたい場所でバンザイをするサークル。結婚式場等で、バンザイを披露することで、その場をさらにおめでたい雰 囲気にし、ともに勝手に楽しむという精神のもと、日々活動している。日頃は、個々様々な活動に勤しみながらも、精神面・スキル面の双方から、バンザイ力の 向上に努めている。

公式サイト http://banzaibanzai.web.fc2.com/

 

◆今回、取材に応じてくださった同盟団員◆

No.213 早稲田大学教育学部3年大井聡子さん(さとちゃん)※副幹事長

No.214 早稲田大学商学部2年清田英里さん(きよちゃん

No.215 早稲田大学商学部2年黒木翔音さん(ショーン

No.216 早稲田大学商学部2年林田悠紀さん(リンダ

No.217 日本女子大学文学部2年前田美月さん(だだちゃん

No.218  早稲田大学法学部1年前田健志さん(まえけん

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ベンチに座っている左から、まえけん(前田健志さん)、ショーン(黒木さん)、だだちゃん(前田美月さん)、さとちゃん(大井さん)、きよちゃん(清田さん)、リンダ(林田さん)

 

 気がついたらここにいた


Lien:そもそもみなさん、どうしてバンザイ同盟に入ったのですか?

 

ショーン:高2の時にクラスの友達と参加した、大学ツアーのガイドさんが、バンザイ同盟のOGでした。それを機にバンザイ同盟の存在を知り、面白そうだなと思っていました。だから、高校の時から早稲田に受かったらバンザイに入ろうって決めていました。


さとちゃん:実際にこんなコアな人はいないです、特例です(笑)

 

だだちゃん:まえけんなんか、私が拉致して入ったようなものです。

 

まえけん:はい、拉致されました(笑)

 

リンダ:気がついたらここにいた、という人がほとんどです。

 

さとちゃん:バンザイ自体に魅力を感じたというよりは、中の人たちの色に惹かれて入ってきたという人が多いですね。

 

Lien:先ほど、バンザイを拝見させていただきましたが、みなさん、普段からあんな元気なのですか?

 

さとちゃん:よくバンザイをしていると、溌剌とした目立つタイプの人達なのかな? 「万歳うぇーいww」って空気なのかな? と思われることが多いんですけど、みんなそうだってわけじゃないです。普通ですよ(笑)

 

ショーン:口下手な人も、友達少ない人も、いっぱいいます。

 

さとちゃん:普段からバンザイしているわけじゃないんですよね。みんなで部室に集まって漫画読んだりゲームしたり、まったりってかんじです。

 

Lien:先程も外で大きな声で元気よくバンザイをしていて、周りの目とかは気になりませんでしたか?

 

だだちゃん:思い切っているので、やっている最中は気にならないです。

 

リンダ:これだけ毎回やっていたら「変なことをやっている」という感覚が薄らいできますよ。

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よく雑に扱われるんです。


Lien:バンザイの依頼の中で、これはしんどかったなっていうのはありますか?

 

さとちゃん: 「早稲田マラソン」のゴール地点で、人がゴールする度にバンザイをして下さい、という依頼ですね。大学主催なのでギャラもなく、真冬の雨の中、一時間以上 も、人がゴールする度にバンザイを披露するのは本当辛かったです。そもそも、ランナーもあまりこっちを見てくれないし(笑)


きよちゃん:毎年、三重県の「もくもくファーム」という牧場で催される「バンザイ祭り」に、バンザイをするためだけに出向くのですが、炎天下の中、お客さんがいたらその前でバンザイをする、という体験も大変でした。

 

さとちゃん:お客さんも牧場内に留まってうろうろしているので、同じ方に二回目の万歳をやってしまって飽きられる、ということもありました。

 

リンダ:そもそも、「早稲田の変なサークル」ってだけで、雑に扱われるんですよ(笑) ちょっと無理させても大丈夫だろう、みたいなかんじで。

 

ショーン:クラブのイベントに呼ばれたときも、バンザイし終わったあと、「サクラとしてそのへんで踊っていてほしい」と言われ、7時間くらい踊らされました。

_SGT1292ショーン

 

さとちゃん:雑に扱われるのは日常茶飯事で、せっかくメディアに出演できても、終わった後にスタッフさんから、「いやあ、君たち良かったよ!じゃあね!」って言われただけで終わったこともあったり・・・

Lien:せめて交通費・・・(苦笑)

さとちゃん:でも、ほとんどのお仕事はバンザイをしながらとても楽しくやらせていただいています!

_SGT1255(副幹事長さとちゃん

 

「ありがとう」を言われるサークル


Lien:バンザイをやっていて良かったな!って思うエピソードがあれば教えてください。

 

ショーン: 外部の人を喜ばせる、という新鮮な感覚を味わえたことです。そういう経験は高校時代ではあまりできないじゃないですか。部活動をやっていても、同じ学校の 仲間を応援し、内部で喜ぶといったかんじ。でも、バンザイ同盟だと、外から依頼が来て、結婚式などの祝い事の場でバンザイを披露し、ありがとうと言われ る。外の人から感謝されるこの感覚が、とても好きです。

 

さとちゃん: あと、意外にも私たちのファンが多くいてくださることです。早稲田祭の時に、オネエ系の方々が、「twitterもブログも追いかけているわよ、昔か ら!」って声をかけて下さって、驚きました。自分たちが入る前からバンザイの追っかけファンらしく、この間の合宿の話まで知っていてくれたんです。

 

ショーン:「私たちファンなんです!」と言って駆けつけてくれた女子高生達もいて、彼女らの前でバンザイをしたら、むっちゃ感動してくれたこともありました。すごく嬉しかったです。

 

リンダ:変なサークルってことで、知名度は高いんですかね。

 

Lien:「面白いサークル」で検索してすぐに出てきました。

 

だだちゃん:え、本当ですか!?(笑)

 

_SGT1259だだちゃん

 

さとちゃん:あとは、人間関係が高校の部活とは少し違いますね。バンザイ同盟は意外と体育会系なので、お酒の席での目上の人への礼儀とか、そういう上下関係を学べたことは大きいです。

 

リンダ:まえけん、先輩への扱いに気をつけろ(笑)

 

さとちゃん:まえけんは大丈夫です!安定感しかありませんから! (まえけん照れ笑い)

_SGT1244(新入生のまえけん

 

 早稲田の笑顔の中心


Lien:あなたにとって、バンザイ同盟とは。

 

だだちゃん: 「大学生らしいこと」ができる場所です。私の中で「大学生らしいこと」「大学生のうちしかできないこと」の一つに”バカ騒ぎをする”っていうイメージが あったんですね。そして新入生のとき、大学生らしいことをしたかった矢先に、たまたま誘われてこのバンザイ同盟の存在を知り、ここなら大学生にしかできな いことができる!と思って入りました。

私は、いっぱい”バカ騒ぎ”のできるバンザイ同盟が大好きです。

 

ショーン:まさしく、早稲田らしさを表現できる場です。骨の髄から早稲田が好きな自分にとって、早稲田らしいことって何だろう、って考えたとき、絶対にバンザイ同盟が頭に浮かんできます。だって、「バンザイをするサークル」なんて日本全国探してもめったにないですもん!

 

リンダ:早稲田の笑顔の中心、といったらここのサークルかな、と思っています。笑顔にさせるサークルはいっぱいありますけど、”早稲田らしい”笑顔を生み出すサークルといったら、やっぱり僕たちです。

 

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まえけん:バンザイ同盟は「人生のスパイス」です。今まで、野球しかやってこなかったので、毎日が新しいことばかりです。まだ入って一ヶ月半なのですが、先輩がいい人たちばかりで、居心地がとてもいいです。

 

きよちゃん:私は普段は明るいほうじゃなくて、友達も少ないんです。それでも、盛り上げ役、パフォーマンスを

してみんなを喜ばせる、明るくさせる、そういうことをしてみたくて、バンザイ同盟に入っています。こんな自分でも輝くことができる場所、あこがれの場所です。

_SGT1276きよちゃん

 

さとちゃん:色に喩えると「全色を混ぜた色」のようなサークルです。同盟員には本当にいろんな人がいます。口下手な人から、ケンカ早い人、とてもお人好しな人・・・

 

ショーン:特技も趣味も性格も本当にバラバラなんです。でも、バンザイをする時は、みんな同じ「青色」の法被を着ます。

 

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殴り合いを、したことあります。

 

さとちゃん: 人間関係も時々大変になることもありますが、それも醍醐味なんです。一般的なサークルやクラスの友達って、予定調和で過ごすことが多いじゃないですか。ケ ンカもせず、卒なくやっていけばいいかなって。でも、それはどこか少し違うなと思うんです。バンザイ同盟は正直ケンカも少しあります。でも、それは全く表 面上の付き合いではない関係だからです。そこが私の大好きなところです。・・・みんな、私の言いたいこと分かるかな?

 

リンダ:僕も、殴り合いをした翌日に仲良くなったこととか、ありました。漫画みたいですよね。

_SGT1284リンダ

 

ショーン:みんな深い付き合いになれるんです。隠し事もなく、すべてをさらけ出せるというか、本物の付き合いができる、まさしく第二の家族です。

 

一同:(しんみり)

 

さとちゃん:あー、やばいな。なんかむっちゃ良いサークルみたいになっちゃったなー(笑) こんなはずじゃなかった! ぶち壊すつもりで来たのに!!(笑)

 

一同:笑

 

第二の家族と呼べるサークル。

 

家族のように付き合える友達。

 

大学生のみなさんの周りに、どれほどいるだろう。

 

約40年も愛されるバンザイ同盟の魅力の秘訣。

 

それは、華々しい万歳パフォーマンスの内に潜む、仲間との「絆」だった。

 

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【執筆:吉田健一 カメラ:杉田なお・長瀬晴信】