DSC_0076
 
「私は、生まれつき身体に障がいを持っています。
その個性を楽しみながら、21年間生きてきました。

自分の夢は、『障がい者』の概念を覆すことです。」

 

インタビュー依頼のメールを見て、心が揺さぶられた

この人を伝えたい、そう思った

 

取材当日待ち合わせ場所には
杖をついた青年が晴れやかな笑顔で現れた

 

 

 

 人間的成長ができる、そんな塾を創りたい

学生が考える、あたらしい教育のカタチ。

 

 

——今回は依頼してくださってありがとうございます。現在はどんな活動をしてはるのですか?


ASSIST という学生団体の会長や講演活動、あとはバイトで塾講師をしているのですが、自分自身でも塾を創ろうとしてしています。今の塾業界にも市場が沢山ある中 で、受験を勝ち抜くというのはもちろんですが、生徒にとって人生というスパンで見たときに、誰から何を学ぶかということまでをしっかりと視野に入れた塾を 創りたいと思っています。他の塾との差別化を考えても、それ以上のものを提供したいと思い、『人間的成長が出来る塾』の設立を考えています。

 

——新しいコンセプトの塾ですね。どうしてそういった塾を創りたいと思ったのですか?

僕 自身、大学生になって沢山の人と出会って、「これをもし中学や高校で学べたら良かったのになあ……。」と思うことが沢山あったんです。そこで僕は、沢山の 人から得てきた知識やお話などを、自分が担当している中学生や高校生に授業でレクチャーしてみたんです。すると、生徒達の成績が見事に上がったんですよ ね。

こうした経験からも、「勉強!勉強!」と言うより、生徒の根本に訴えるものが大切なんだということが分かりました。一時間みっちり勉強を教えるより、授業初めの10分間に『人生の知恵を教える授業』をしていきたいと思ったんですよね。

 

DSC_0046

 

 『人が好き!』と思ってから、めちゃくちゃ人生が楽しくなった

何回も会いたくなるような、繋がり作りの秘訣。

 

 

——とても面白いですね!それもこれも、竹野さんがいろんな人に会ってきたからこそ出来ることですね。


そうかもしれませんね。僕にとって人に会うことは趣味なんですよ。大物に会うより、数多くいろんな種類の人に会いたいと思ってきました。


「なんでそんなに人脈あるの?」とよく言われますが、別にそんなことはなくて、僕自身のこだわりとしては1回会うだけで終わるのではなくて、何回も何回も会っていけるような関わりを大切にしています。

 

 

——その考えは大切ですよね。人との関わりについては、ずっとそのように考えてきたのですか?

 

そうでもないですね。浪人時代まではめっちゃ個人プレーでした。「俺がすごけりゃいいでしょ!」みたいな人間でした()。でもこうして「人が好き!」と思うようになってから、めちゃくちゃ人生が楽しくなったと思います。


「なんでこんなに『人が好き』ってなるんですか?」とか「なんで人を巻き込むんですか?」と聞かれますが、僕の人生を楽しくしてくれている出会った人全員に、どうせなら笑顔であって欲しいからなんですよね。

 

 

——塾への想いに通じるように感じましたが、竹野さんだからこそみんなに与えられるのかもしれませんね。


確かに僕、何かを学んだらすぐみんなに言いますもん!()。だって、出し惜しみしてしまったら自分しか成長しないじゃないですか。自分だけの成長は、その先には仲間が居ないわけやし、一緒に同じように成長したいんです。


『好きな時に、好きな仲間と一緒にいたい』という想いが、いつもありますね。


それに僕は、人とこういった関わり方ができたり、覚えていてもらえるのは障がいのおかげやと思っています。だって、一度僕の姿を見て忘れる人なんて居ないですもん! 

障がいのおかげで、たくさんの人に出会うことができたんやと感じています。

 

DSC_0059

 

 障がいって、めちゃくちゃ得やん!

強がりなんかじゃない、強みなんだ。

 

 

——『障がいのおかげ』という考え方に、すごく心を打たれました。竹野さんがそのように、障がいを持っていることが自分の強みだと気づいたキッカケはありましたか?


キッカケといえば、2つありますね。1つ目は小学生の時なのですが、僕、運動会の徒競走で1位を取りたかったんです。そんなことを思っていても、僕はもち ろんビリでした。だけど、誰よりも一番、歓声が大きかったんです。その時、「僕めっちゃ目立ってるやん!」と子ども心にも思ったんですよね。


2つ目は中学生の時なのですが、僕は兵庫県の朗読コンクールに出場したんです。詩などを読んで表現力を競うものだったのですが、プロも大人も居る中で優勝 したんです。コンクール終了後も審査員の方々や観客の方々から声をかけられたり、すごく注目されたんです。


それからですかね、『僕の障がいは、強みにしていけば人生にプラスになるんや!』と思うようになりました。

 

 

——過去から作られてきたんですね。でも、強みと気づくまでに辛い経験はありませんでしたか?


最初は自分の障がいに怯えていましたよ。「なんで俺は普通のことをしてるのにじろじろ見られるんやろ?」とずっと思っていました。


でも今では逆に、それが快感なんですよね。だって、普通の人は普通のことをしても目立たないのに、僕はこんなに目立つんですもん!

やからもし僕が何か良いことを出来たら、人の何倍も目立つってことですよね?『それってめちゃくちゃ得やん!』と思いましたよね()

 

 DSC_0037

 

 障がいって、最高のオシャレだと思います

魅力をどんどん、付け足していくんだ。

 

 

——『得』という表現もまた、竹野さんらしくて素敵です。障がいについて、世間へ対してはどう思ってはりますか?


世間で障がい者はマイナスイメージやと思いますが、僕はそれを根本的に覆したいんですよね。だって強みが沢山あるんですもん!


例えば、『健常者とは違う感性・観点がある』こととか、『苦労してきたから心が強い』ということとか!僕は当たり前にそう思われる世界にしたいと思ってい ます。障がいを持っていることを、みんなが「いいな〜。」と羨ましがるようなものにしたいです。だって障がいって、最高のオシャレだと思いますもん。


——『最高のおしゃれ』……!それはつまり、どういう意味ですか?

 

僕にとって、障がいは服を着ているのと一緒なんです。生まれた時から変わらないことやし、不便やとか思ったことがないんですよ。それに加えて、人に影響を与えるというプラスの力があるんですよね。


やから、強みを見つければ見つけるほど、障がいは僕にとってプラスになるんです。言うならばアクセサリーみたいなものですよね。自分の意識次第で、僕はどんどんオシャレになっていくんです。

 

 

——すごく素敵な考え方やと思います!自分次第でブランドになれちゃうんですもんね。

 

僕が死んだ時には、ルイ・ヴィトンより高値になっていたいですよね()。ルイ・ヴィトンはお金を出せば買えますが、障がいはお金を出しても買えないですもん。それをタダで持たせてもらえることが、ほんまにありがたいと思いますね。


それに僕は障がいを持っていなかったら、きっと仲間の大切さも、人の大切さにも気づいていなかったと思います。

周りの人にも、自分の障がいにも、とても感謝しています。

 

 

——竹野さんだからこそできる気づけたことやと思います!そんな竹野さんの夢、聞かせてください。


僕の夢は、『障がい持っている人たちの希望の光になりたい』ということですね。


僕は今まで「リレーはアンカーやりたい!」「野球はピッチャーやりたい!」「サッカーはトップ下やりたい!」と言ってきました。だって、やりたいんですもん()

やから、僕が活躍している姿を障がいを持った子が見た時に、『俺たちも出来るんや!』と思わせたいんです。『こんな竹野が出来てるんやから出来るんや!』って()


これは健常者の方々に対しても同じです。殻に籠ったり、ネガティブやったり、やりたいことを出来ないという人にも、自分がやりたいことで活躍している姿を 見せて『僕、杖ついてんねんで!身長低いねんで!でも出来てるんやで!』と勇気を与えられる存在になりたいですね。

 

DSC_0034

 

取材を通して、彼は心から本当に
障がいを個性として楽しんでいることが伝わってきた

新しくて大切な考え方に、沢山気づかされた時間だった

 

彼はきっと、いや、絶対

みんなを励まし、勇気を与え続けるのだろう

 

 

Facebook:竹野 元貴

Twitter:@xwx00

【文章・写真:三宅瑶】