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二人のようなリーダーになりたい大学生が今、たくさん現れている。

二人のリーダータイプは似ているようで異なる。異なるようで似ている。

 

全国の大学には無数のサークル・クラブがあり、その組織ごとに無数のリーダーがいる。


多くの若きリーダー達にこの二人の姿を知ってほしい。


同じ「リーダー」として。そして、23歳という「先輩」として。


年間集客者数・プロデュース額日本最大級の学生団体を関西でゼロから作り上げた男、森大地。


行政とタッグし、名古屋初の大規模合同大学祭を作り上げた「名古屋を代表する学生」、豊吉佑哉。


関西の怪物と名古屋の怪物は、どう人を惹きつけたのか。どう社会人になることへ向き合っているのか。

 

<二人のプロフィール>


森大地(もりだいち)・・・1989年生まれ。神戸大学3回生。学生団体「キッカケ関西」を立ち上げ、わずか2年で 日本最大規模の学生団体としたカリスマリーダー。2012年前期にはキッカケプロジェクトの全国4団体の統括として全国で活動するために神大を一度休学。 現在は将来の起業に向けて勉強をしつつ就職活動に励んでいる。
http://www.facebook.com/daichi.0611

 

豊吉佑哉(とよしゆうや)・・・1989年生まれ。名古屋外国語大学4年生。名古屋市役所とタッグを組んで栄・テレ ビ塔の下で開催された大規模合同大学祭「NAGOYA学生EXPO」の初代委員長を務めた他、学生電子書籍プロジェクトを発足させ、社会人向けのビジネス 書では学び得ない「大学生のためのリーダー論」をapp storeでリリースするなど、『名古屋を代表する学生』として精力的に活動している。最近で は、名古屋の学生団体文化をより発展させるため、首都圏や関西圏の学生を招いて「学生 challenging festival 2012 in NAGOYA」も主催した。
http://www.facebook.com/yuya.toyoshi

 

 自信。楽しさ。使命感。



Lien:本日はよろしくお願いします。早速、リーダー論から入らせていただきます。

まず、森さんからみて、豊吉さんのリーダーとしての「強み」は何だと思いますか。

 

森:豊ちゃんは意思決定のスピードが早い。そして、そこからの行動のスピードもまた早い。社会人だったら最強やなほんまに。行動力と意思決定力の早さは、どういう経験をしてきて、どういう自分を大事にしてきたことで成し得たものなのかな、というのが今日は聞いてみたい。


豊吉:まず、僕のモットーは「やらない後悔よりやる後悔」だから、やるかやらないかっていう選択肢が自分にはないんだよね。

森:モットーって持っていても形骸化している人と、持っていてそれが確実に意思決定に反映されている人がおると思っていて、豊ちゃんはどれだけ強くそのモットーを持つに至ったのかという体験が一番気になるかな。

豊吉:最初の半年ぐらいは「自信」。その後は、「楽しさ」に変わって、最近は「使命感」。これらが意思決定の早さの持続に繋がっているのかなと思う。それ までは、真面目くんで、高校でも大学でもずっと勉強みたいなかんじだったから、全然楽しくなかった。そもそも勉強に自信がなかったし、厳しい授業について いけなくて、負のレッテルの連鎖貼りをされている気分だった。
でも、外に出て、小さなハードルを設けて色々挑戦をしていくにつれ、周りが褒めてくれたり喜んでくれたりした。この体験が自分に自信を持たせてくれるよう になったし、そのうち毎日が楽しくなって、最近は「ここまで来たら俺がやるしかないでしょ」という使命感が自分を動かしているというのは強く感じている。

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↑NAGOYA学生EXPO2011の様子。豊吉さん(左端)は初開催の合同大学祭で19大学95人の実行委員を束ねる実行委員長になる

 

 絶対に、結果が全て


Lien:では、豊吉さんからみて、森さんの強みはなんだと思いますか?


豊吉:森は初めて会ったときからオーラが漂っていた気がする(笑)ドスンと。それは「凄そうオーラ」というより、この人は色んな経験をしてきたんだろうなというオーラ。あとは、関西人だから気さくな性格というのも勿論大きい。


森: 言って頂いて嬉しい限りでございます(笑)影響力はあるって言っていただけることは多いかなあ。しっかりとした「自分はこうありたい」というあり方が実際 に行動に現れている自分の姿をみて、「大地さんのようになりたいです」って言ってくれるメンバーがいてくれることは本当に嬉しい限り。


豊吉:人を巻き込む能力は似ているけれど、巻き込み方は僕と真逆だと思う。僕はどちらかというと、真面目にテキパキ指示を出すタイプに近いと思うけれど、森は楽しく和気藹々やりながらも率いているタイプかなと思う。


森:自分はプロモータータイプ、わかりやすく言えばワンピースのモンキーDルフィに近いかなと思っている。でもその中で大事にしているのは「結果を出す」とい うこと。結果を出さずに和気藹々とやるのはただのコミュニティになってしまう。学生団体の目的は社会貢献なわけだから、絶対に数字を出す。

ひとつの例で言うと、集客目標を割るということは自分のなかでは許せない。団体に本気でコミットするからこそみんなが責任を負って成長できるし、責任を負 う中で交流するからこそ絆ができるし、終わったあとも感動もできる。結果にフォーカスをしながら、そこに対して常にポジティブに周囲を巻き込みながらリー ダーをやっている。楽しいだけじゃなく、結果を出す。これをメンバーにも身体で覚えていってもらえるようにチーム作りをしている。

 

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↑森さんがキッカケ関西でプロデュースしたイベントの集合写真

 

 言葉遣いと想い



豊吉:あと、僕は言葉遣いにとても気を遣っている。どういう人かを判断するときに一番重要なのって言葉遣い。最近は「○○に提供する」という言葉にも違和感があって、「○○と一緒に共有する」って言葉を使っているくらい。


森:言葉遣いか~。


豊吉:そう。めちゃめちゃ気を遣っている。


森:自分は言葉遣いにはすごく気を遣っているわけではない。何が正解というのはないけれど、思いが伝わることが一番大事やと思っている。例えば、今リーダーである自分の目の前に、想いは凄く強いけど上手く言葉で表現できなくて、たどたどしく話している人がいたとする。
でも俺はその人の言葉より「想い」に目を向けて話を聞くようにしている。勿論、結果を出すために手段として言葉遣いを勉強している人は凄く出来た人だとは 思うけれど、まずは、最初の段階で想いがあるかどうかということに重きを置いているかな。ノン・バーバルなところ、感性的なところのほうを自分は重視する から。

 

Lien:リーダーのあり方って人によって本当に違うんですね。

森:そうやね?それが面白い笑

豊吉:間違いない笑 面白かったよー、27人の学生リーダー論を編集して電子書籍にしたときは。みんな違うから笑

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↑豊吉さんは、社会人向けのビジネス書では知りえない、「大学生の為のリーダー論」を電子書籍でapp storeからリリースした。無料でダウンロードできる⇒https://itunes.apple.com/jp/app/xue-shengno-weinorida-lun/id566546734?mt=8

 

 「おまえ、向いていないよ。」「俺もやったるわ!」



Lien:そもそも、お二方はどのように学生団体の道へ進んでいったのですか。


豊吉:実は、小四の頃から教師が夢だった。でも、大学2年の秋に、ラジオに出る機会があって、そこのパーソナリティの人に教員になる夢を熱く語ったら、「お まえ教師向いていないよ」と言われた。色んな価値観の子供がいるのに君みたいに視野が狭いままだと生徒の気持ちを理解するのが難しいから、教師なんかやめ ちまえ、と。生まれてこのかた向いてないと言われた事がなかったから驚いた。そして、彼は色々チャレンジすることの大切さを教えて下さった。それがキッカ ケで、勉強しかしてこなかった大学生活が一変した。


森:元々色んなことをしてみたい、学校の外に出てみたいという思いを抱いていたけど、中々いつもの大学生活から抜け出すことができなかった。そんなとき に、病気になった母が手術後に「あんたそんなもやもやしてるんやったら、人生いつ死ぬかわからんやから好きなことやりや」って言ってくれて動き出すことができた。

そこからは、まずはボーカルオーディションにでてみようと思い、コアリズムやったり、京都から奈良までを45キロ走ったり、野菜しか食べなかったりしてダイエットをした笑

そして何とかいい感じになってようやくボーカルオーディションに行ったんやけど、そこで気づいたのが、俺、そういえば歌が下手やったということ(笑)見事に落ちました。


Lien:面白いですね(笑)。そこからどうやって「キッカケ関西」代表にまで至ったんですか?


森:そこからは、服屋のGAPで働いたり、2回生だけどリクナビ登録して私服であちこち就活してみたりしたんだけど、まだ社会出るのは違うなと思っていた。

そんなある日、就活セミナーに行って、そしたらそこに前で喋っている学生がおって、「なんで学生なのにセミナーしてるんですか」と聞いたら「学生団体をやっているから」と言われて、それがすごく悔しくて、自分も学生団体に入ろうと思って団体を探した。
そして、どうせやるんだったら日本一のところに入りたいと思って入ったのが、当時HPで日本最大の学生団体を豪語していた学生団体「キッカケプロジェク ト」。だけどその時、キッカケの関西支部が実質活動停止していたから、自分がリーダーになって立て直そうと思った。ゼロからどころかマイナスからのスター トやった。

 

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↑森さんのスタッフセミナー講演中の様子。

 

 スーパー大学生が、一人の社会人になる時。


Lien:そして、お二方はもうすぐ大学生社会の外に出ていくわけですが、不安はありますか。大学生の世界では「すごく出来る人」という存在に君臨し続けてきましたが・・・


豊吉:だからこそ、不安がある。むっちゃある。今はすごく自由で、何も制限を受けることがない。「幸せすぎてしょうがない」みたいなことがある。でも、4月 1日になった途端、僕たちはただの社会人1年目の一人になる。その落差が自分でしっかり受け止められるのかという不安はあるよ。

 
森:自分は不安が2つあって、1つは豊ちゃんのと全く一緒で、今まで0→1を作る人間だった人が、仕組みとマニュアルが完全に制度化された世界の中で、企 業の1プレイヤーとなることに対して、自分のモチベーションがどうなるんだろうという不安。でも俺は将来の夢というのがあって、そのために一度企業に入る んだという意思決定を経て就職活動をしている。(森さんは09年入学だが、1年休学をしていた)。企業に入ることは自分の将来の夢のために必要なことだか らって思えば平気かなと思っている。

でも少し心配しているのが、自分はNPOのように社会に対する”志”をもって仕事をするのが将来の夢なのに、会社だと利益が目標になってしまうから、企業 に入っている間にお金先行の価値観がついてしまわないかということ。入社前の自分が抱いていた純粋な「自分はこうしたい」という”志”の部分が変わってし まわないかなというのが2つめの不安。

Lien:森さんの、その”志”というのが具体的にはどういうものか教えてください。


森: 次世代を担えるリーダーの教育をやりたい。人の考え方は自分の体験を言葉にする中でできていく。一般的な座学の教育ではなく、その人が主体的に動き、考え られる経験を与え、そこから自分の在り方を作っていける教育の仕組みを世の中につくりたい。今はそのために様々なリーダーの価値観を作った体験を分析して いる。自分はキッカケプロジェクトを通してたくさんリーダーが育っていくのがすごく嬉しかったから、これをやりたいって思った。

そういう夢に近づくためにも、まずは自分自身がそれに似合うだけの人間にならなければならない。だから大きな責任のもとでの意思決定力やグローバルなコ ミュニケーション能力や魅力的な人間性、そういったものを得るために、まずは経済という世界の中で成功しようと会社に入るつもりでいる。ただ、その中で ゴール地点(リーダー教育をやりたいという夢)に対する志はしっかり持ちつづけていきたい。

 

 目の前の1回1回に命を賭ける


豊吉:僕は今まで、教師を目指していた時代も含めて、お金の価値観というのを一切考えずに生きてきたんだよね。だからビジネスの世界において、豊吉佑哉って いうのを全力で出していけるのかというのは自分の中で一つの大きな挑戦だと思っている。お金が関わらない世界での人との関わり方なら、僕はすごく自信があ るんだけどね。森みたいに将来何をしたいという目標がないから、折れたときは大変かもしれない。

でも、将来の夢がないといっても、「今、目の前のことを全力でやる」っていうのはすっごく大事だと思っている。


森:それは間違いない。


豊吉:そう、どんなに小さなことでも。社内で成績を一番出すとか、目前のことにフォーカスをしないと、将来は切り開けないから。人との出会いも含めて、目の前の1回1回は絶対大事にしている。

 
森:リーダーは多種多様ではあるけれど、そこの部分は絶対みんな共通すると思う。俺ら二人はモチベーションをもらうポイントが、将来の夢か目の前のことか の違いがあるというだけで、将来や目先のものに対して必ず結果を出すという点では全く同じ。絶対何かで一番の結果を出そうとして組織にコミットしていくと思う。

豊吉:それをやっていけば、思わぬところから勝手に、「こういうのをやってみない?」という面白い誘いが降ってくる。目先のことへのフォーカスは本当に大事。

 

 ポジティブであれ

Lien:私はまだ1年生なんですけど、これからどういう大学生活を送れば立派になれますか・・・


豊吉:僕だってこういう活動してたの2年間だけだよ。2年生の秋までただ勉強しかしてなかったから。たった2年間。

Lien:もっと早くこういう活動始めてればよかったという後悔はありますか?


豊吉:そういう風に思わないようにしている。「もっと前に出会えていればよかった」ではなく「その時に出会えてよかった!!」と思わなきゃ。

森:そうやね!!時期とかじゃなく、「その時」に気づけたということがすごくラッキーなことやと思う。


豊吉:僕は特にマイナス思考回路を排除するような人間になったからさ。


森: あーわかるわかる。色んなリーダーに会って、共通していることはみんなポジティブということ。例えば何かを失敗をしたとしても、「気にしない」人が多い。 勿論、事象的にはフィードバックをして次に生かす努力を人一倍するけれど、無駄に落ち込んで何もしない期間をあまり持たない。パッと切り替えてすぐ次のことを考えているよね。

 

 

「リーダー論を本気で語ったらこれから5時間以上かかってしまう」と森さん。いつまで聞いても聞き足りないほど、実績に裏付けされた彼らの話は一つ一つの言葉に重みを感じた。

リーダー論に限らず、多様なお話を、常に笑顔で、時折ジョークを交え、分かりやすい表現でインタビューに答えてくださった二人から学べるものは非常に多かった。

これからの若きリーダー達にこの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

【文・写真…吉田健一】