ある日、いきなりInvestorという震災復興促進団体の代表の乾陽亮さん(以下乾)からインタビューをして欲しいとのオファーがきた。

そ のメールについていたURLをクリックしてみると発足が2011年の10月という最近の発足にも関わらず、とてつもない量のイベント、人、金を動かしてい るようだった。僕はそんな勢いのある団体の代表はどんな人だろうと緊張しながら集合場所に行くと、待っていたのはとても大人しそうで優しそうな表情の男性 だった。


【Investorとは】

Lien:早速ですが、Investorではどういった活動をされているのですか?

乾:被災地支援の団体で、被災地studyツアーという東北で観光とボランティアを行うバスツアーを学生のみで企画しています。

Lien:なるほど。バスツアーと被災地支援をどう関連付けているのですか?

乾:観光という面では、経済ということに関して支援をしています。

東北は被災地である前に立派な観光地なので、そういう東北の素晴らしさというのもバスツアーを通して伝えていければな。と考えています。


ボランティアという面では、がれき撤去みたいなものでは無くて、仮説住宅に住む子供達に向けてイベントを企画したりして、メンタルの部分でボランティアをしています。

【Investorの背景】


Lien:なるほど。ではInvestorができた背景を教えてください。

【東北観光を支援活動に含める理由】


乾:なぜ観光支援をしているかというと、以前東北支援のボランティアに参加して神割崎という所に行ったときに気づいたんですよ。
メディアではがれきの山ばかり移されるけど、東北にはこんなに自然が創りだした美しい場所があるんだって。地元の方のメディアががれきばかり取り上げるんじゃ無くて、もっと東北には良いところがあるのに。という声も聞いて、この観光ということは考えました。

 

(写真:神割崎)


【がれき撤去でなく、メンタルな部分での支援を行う理由】

乾:なぜがれき撤去でなくて、メンタルな部分での支援なのかというと、

いくつか理由があるんですよ。

一つ目が、被災の一年後に自殺者が増えるというデータと、メンタルケアをすることで自殺者数を減らせるというデータを見たことがきっかけです。


僕、二週間病気で入院していた時期があって、無駄な時間を過ごしたくないと思い阪神淡路大震災について調べていたんです。そのときにそういったデータを見ました。


もう一つの理由が、がれき撤去などの力仕事的な支援だと力がない私はいけない。という女の子の声を多々聞いたからです。


東北の被災者の方のために何かしたいと思ってもできない子がいることに、もったいないと感じたことが理由です。

(写真:仮設住宅の子供たちとのふれあい)

【学生のみで行う理由】

学生のみにした理由は、学生の価値を見いだしたからです。


というのも僕が5月にNPOの方と被災地をこの目で見る目的もたってボランティアに参加したときです。そこには学生が僕ひとりだったんですけど、
被災地の方がすごく喜んでくれたんです。

「わざわざ学生が来てくれた」って。

「企業の方だとボランティアするのに心の裏の企業宣伝みたいなものを感じるので、学生の裏表ない純粋な気持ちが有り難かった。」って。

そう仰ってくれました。そこで学生にこんな価値があることを知り、

学生のみにしようと考えました。

【乾さんがこの団体をつくるきっかけ】


Lien:なぜそういう団体をつくろうとされたんですか?

乾:もともと町おこしや地域活性化に関する興味関心が高かったんですよ。

それにプラス高校1年生のとき1週間だけフィリピンでボランティア活動をして自分というものが大きく変わったんです。そのときに自分もこういう変化を与えられるようなツアーを作りたい、僕が変わったきっかけを与えてくれたようにそういう団体をつくりたいと思いました。

Lien:なるほど。そのボランティアでの大きな変化というのはどういった変化でしたか?

乾:僕そのフィリピンのボランティアめっちゃノリで応募しちゃったんですよ。

その前日にウルルン滞在記をみてたからかな。笑

学校で説明会があったけど、結局学校から行くのは僕だけだったな。


そんな感じでフィリピンの盲聾学校に行ったらご飯もきつくて食べられ無かったし、寝るときのシーツは虫の死骸で黒く埋まる程だったし、本間に帰りたくて仕方が無かったです。もう嫌や。と心底思っていました。


でも次の日、子供たちとふれあって遊ぶ時間はすごくたのしくて、途中からフィリピンに住みたいと思える程になりました。

最初あんだけ帰りたいと言っていた人間が1週間で住みたいと心から思える程変われるなんてすごい!!と感じたんです。

【乾が大切にする団体への想い】

Lien:では団体を運営するにあたって乾さんが大切にしていることを教えてください。

乾:被支援者のニーズに合っているのが前提ですね。


その上で僕が大事にしているのは、続けていくこと。持続可能な支援。

ということを念頭においています。


そのために僕は団体で赤字は絶対出したくないと考えています。

【乾が大切にする人生の考え方】


Lien:なるほど。では乾さんが人生において大切にしていることを教えてください。

乾:どんな活発に動いてるときでも、周囲の意見を受け入れられる冷静さ、落ち着き、柔軟性は持ち続けていきたいですね。

そういう余裕を持っておくが必要だと感じますね。

Lien:ではこの記事を読んで頂いている読者の皆様に一言お願いします。

乾:Investorの日本語は「投資」なんですよ。

僕はボランティアに自己犠牲に自己投資という概念を入れたいです。

ボランティアを通して、ありがとうと言ってもらえたり、そこでの出会いであったり、そういうものを得る自己投資をどんどんして欲しいと思います。ボランティアはそんな大きいものでも堅苦しいものでもないんです。

どんどん自己投資の感覚でボランティアに触れていって欲しいですね。

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僕 は活動内容のすべてに理由があり、その理由すべてにしっかりと根拠があり、さらにそれを明確に話せる団体は初めて見ました。そういう団体を引っ張っている 乾さん自身は「僕は何もすごくない」「すごいのはメンバーだ」と言い張られます。でも僕自身感じたのは、その謙虚な姿勢と、乾さんが大切にされている余裕 を持っているからこその人への心遣いが素晴らしい団体を引っ張っていける、支えていけるのかな。と感じました。

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Lien:では最後に、Investorの今後の方向性を教えてください。

乾:被災地支援だと、先細りというか風化を止められないじゃないですか。

軽減することはできても、なかなか抗えない。でも僕は今までやってきた様々なリソースを無くしてしまうのはもったいないと思うんです。


そこで東北との地域交流も継続して活動しつつ、僕がこの活動を通して気づいた新たな問題を解決していこうかなと考えています。


その問題は「防災」なんです。多分家に防災グッズを持っている人はほとんどいないんじゃないですかね。下宿生なんか特に。隣近所に誰が住んでいるか知らないとか。しかも大学生の時期なんて防災訓練なんてありませんよね。


僕はその状況がヤバいと思っています。

だからほんとにあの震災からの学びを次に生かしたいと思うからこそ、

今後は防災に力を入れていきたいと思います。


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著者より

今回は乾さんの団体についてフォーカスしていきました。

僕のブログでは乾さんの人間、本質にフォーカスして伝えています。

乾さんに興味をもたれた方は是非そちらも合わせてお読みください。

http://daito0613.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html


【文章構成:田中大登】