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就活の準備について

 

―― いま就職の現場って厳しいですか?

 

学生、企業双方に取って厳しい環境になっています。新卒の求人倍率は、今年の4月に発表されたもので1.27倍。簡単に言うと、1人に対して1.27社分 の求人はあるという計算になります。それでも未就職者が何万にも出てしまうのはもちろん色んな要因がありますが、2つ挙げてみます。1つは、学生が自分の 普段の生活に身近な商材やサービスを扱っている企業ばかり受験をしてしまい、偏った志望傾向にあること。したがって、前述したような商材やサービスを持っ ていない企業は、初期段階で学生に受験してもらう機会が多くなく、実は秋以降も多くの企業が採用を継続しているのです。もう1つは、学生の力や考えが企業 の採用基準に足りていないことです。例えば、求人数が10人であっても自社の採用基準に満たなければ、その人数に満たなくてもある一定の時点で新卒採用を 辞めてしまう企業もあります。この2点の理由から、求人倍率以上に未就職者が出てしまっています。学生も企業も見せ方等を考えて活動しなければならないと いうことですね。

 

―― いつ就職活動を始めたら良いでしょうか?

 

2013年卒対象者から経団連等の決定により企業の採用広報活動が12月からとなり、2ヶ月遅くなりました。そのため、就職活動は12月1日になった瞬間 に始めればいいやと考えてしまう学生が非常に多くなりました。ところが、12月から準備を始めるのでは遅いのです。

 

―― 出来るだけ早く始めたら良いということですか?

 

あらかじめ準備をしておくことは必要です。しかし、それは就活を急いでするということではありません。学生の間は、学ぶ立場としていろいろなことを吸収し てきたと思いますが、大学を最後に社会に出ると、一転して自分からなんらかの成果を発信する立場へと大きく変わります。 その大きな変革の時期に、単に 「就活」ということではなく、もっと大きなスケールで社会に出ることを真剣に考えはじめなければなりません。

 

―― なにから始めたら良いでしょうか?

 

いきなり就活を始めるのではなく、その前に、社会に出て働くとはどういうことなのか、どのような仕事があるのか、などの職業選択するための材料を集めた方が良いと思います。

例えば、近年サッカー日本代表が健闘していますが、世界のチームの情報を集めたり、恵まれない体格でどう戦えば勝てるかなど日本の特性に合ったサッカーを考 えたりと、戦略を立ててからピッチに立ってキックオフをします。社会人になって何かのプロジェクトに関わった際もそうですが、事前の材料集めが非常に大切 です。

 

―― どうやって社会に出る準備をしたら良いですか?

 

インターンシップを体験するのも一つの手です。また、理系の方で研究室を長い間休むことができなくても、「マイナビTV」の番組を見ることで、WEB 動画を通して社会人の方から働くとはどういうことなのかを学ぶことができます。こういったサイトを見ることで、これから仕事をする上で必要なことを考える きっかけとなればと感じています。

 

 

インターンシップについて

 

―― どうやってインターンする企業を選んだら良いでしょうか?

 

もちろん自分の行きたい職種や憧れの業界の企業で仕事を体験してみるということも大事ですが、例えば、企業様が用意している就業プログラムの内容を見 て何が得られるか、といった視点で探すことも大切です。いわゆる一流企業や有名企業では、毎回インターンの応募の倍率が高くなっていますが、それだけでは なく、特に長期間でインターンを実施しているところでは、有意義なコンテンツを用意されている企業もあります。

 

―― なぜ、あまり知名度の高くない企業も調べてみた方が良いのでしょうか?

 

営業職と聞くと「きつい」「つらい」というイメージが先行しがちですが、お客様に納得していただけたときのやりがいや売れたときの喜びなど別の面もありま す。今まで知らなかったり、イメージで決めつけていたりしていて、実際に体験してみることではじめて、意外と面白いと気づく仕事がたくさんあります。世の 中にはそういった自分に合う仕事が他にもたくさんあることを発見するためにも、なじみのなかった会社でインターンをしてみることで新たな経験になります。

 

就職はまだ先だがこの記事を読んでいる学生のために

 

―― 1、2年生のときにやっておいた方が良いことはありますか?

 

特に就活を意識して何かをする必要はないと思います。それよりも、一生懸命何かに取り組む、難しいことに挑戦してみるといった学生時代にしか打ち込めない ことを1つ徹底的にやり切ることの方が大切です。企業側からしても、「目標を設定して、そこへ向かって試行錯誤しながら進んでいくことができるかどうか」 を見ています。これは、社会人になってから非常によく求められることです。うまくいかなくてもめげないことや激しい競争の中でもくじけず立っていられる人 を求めています。体育会系の部活動をやっていた学生が就職に有利、と言われるのも体育会系だからという理由ではなく、つらい練習や厳しい上下関係に耐えた ことを就職活動において証明しやすいという背景があると考えられます。

 

10月〜就職活動がはじまるまで

 

―― インターンの時期が終わり、12月までの10月、11月の期間はどうすれば良いでしょうか?

 

夏が終わった時期は、学園祭や研究室の配属準備、研究の中間発表など、大きなイベントが行われる時期でもあります。この時期に学業や学内行事に打ち込むこ とで、夏前に社会人になるために勉強したことや、夏のインターンで得たことを生かす機会とすることができます。経団連が就職活動を遅らせたのも、学業に専 念する時間を確保するためというのが本来の趣旨です。

 

―― 社会人になる準備をするスケジュールが段々と見えてきました。

 

社会に出れば、PDCAで物事を考える必要に迫られます。エントリーシートの近年の傾向も、動機よりもいままでやってきたことについて書かせる課題が多く なっています。就職においても”仮”でも構わないので、まず就きたい仕事の目標を設定し、P(計画)D(実行)C(確認)A(行動)のサイクルで試行錯誤 しながら進める姿勢が重要です。

 

OnとOffの切り替えを行い、ストレスをためないようにしながら、やるべきところでは成果を出して最後まで納得の行く就職活動をして欲しいと思います。

 

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今回は、株式会社マイナビの吉田優太さんが、

みんなのギモンを分かりやすく丁寧にお話くださいました。

ありがとうございました。

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マイナビのモニターアンケートでは、学生の55%以上が「準備が出来ていなかった」と回答している。今回のお話で分かったことは、「就活、就活」とあわて る前に、じっくりと社会人になる自覚を持つための良い機会とすることである。マイナビ2014では「考えるすべての学生に。」をテーマとして、6月を「働く」を考える、9月を「仕事」を考える、12月を「就活」を考える、と位置づけたさまざまなコンテンツを用意している。それぞれの時期ごとにやるべきこ と・学ぶことを見つけて社会に出る支度を始めることができそうだ。

 

[取材・記事]

東京外国語大学 英語専攻 KenFromKawasaki 佐野健一郎