『普通』って、なんなんだろう。

 


No.112

青山学院大学 里村桃子

あなたは友人のなかに、児童養護施設出身の人はいるだろうか?

そう多くはないのが現状なのではないだろうか…


児童養護施設に通っていた子供は18歳で施設を退所する。ほんの一部の人しか大学進学はできず、また、自分で生活費を稼ぐため40パーセントの人が最終的には中退してしまうという厳しい現実がそこにはある。

だが、彼らも、私達と同様に叶えたい夢がある。


そんな、施設退所後の人たちの夢をささえる活動をしている青山学院大学の里村桃子さんに話を聞いた。


里村さんがいま一番力をいれている活動はなんでしょう?

カナエールというボランティア。児童養護施設を退所したあとに大学進学など彼らの夢を叶えるための奨学金を募るスピーチコンテストのサポートをしています。7月1日に発表なので今はそれの活動に大忙しです。

具体的にどんなことしているのでしょうか?

一人の子に対して三人のボランティアがつきます。そうして、四人一組のグループでスピーチをつくっています。あとは並行して広報もしています。

よく大学生がやっているボランティアとは少し違いますね。大変ですか?

はい。出身の子達の経験、夢を彼らの言葉で語ってもらわなきゃいけない。けど、スピーチコンテストには参加費を払って見にきてくれるお客さんもいる訳で、 パフォーマンスとして質がある物が必要になる。彼らの心と近づいてちゃんと引き出してあげなきゃいけないのが大変です。

ボランティアを始めたきっかけは?

もともと自分のことが大嫌いだったんです。なんで自分はこんな人間何だろ、と考える毎日で、違う世界にいきたかった。高校生の時に不登校になったりもして、学校の勉強にもついていけなくなったこともあった。
その中で「普通」ってなんなんだろうという疑問が沸き立ちました。普通に溢れてしまっている人はたくさんいて、その人たちのために何かしたいと思った。で も、私は自分のキャパを超えてめちゃくちゃおっきいことをしようとかは思わないから目の前の出来ることをしっかりやれることがしたかった。三ヶ月間一人の 子に真剣に向き合う、カナエールが私にはぴったりだなって思って始めました。

やりがいは?

退所後の子達ってちょうど私たちと同世代だから支えるというより同じ目線で心をケアーしています。チームごとだから、他のボランティアメンバーの方から学 ぶこともたくさん。私が一番年下で70歳くらいまでの人がいるから、「こんな考えもあるのか!」と新たな発見も多い。しかも一人の子に三人の大人がこんな にも真剣に、全てを受け入れて良いとこを引き出してあげよう!なんて空間にいれることなんか滅多にないから、その場にいれることが幸せだなと思っていま す。

自分がやりたいことはすぐ見つかったんですか?

全然です。夢だけは確かに昔からたくさんあったけど、そのためになにしたらよいかもよくわからなかったんです。私は大学四年間でやりたいことを絶対決めて、働くことを考えるために東京に出てきた。

だ けど、やりたいことがありすぎてどうしたらよいかわからなかったので、実際に夢を叶えた人に話を聞きに行きました。そしたら、「若いんだし、時間もあるん だからやりたいこと全部やってみなきゃ自分に何があうかもわからないじゃん」というアドバイスをもらったんです。そこからは、とりあえず色々なものに手を 出すようになりました。


でも、どれもなかなか続かなくて、自分が本当にやりたいことがわからなかった。で、たまたま先輩とご飯食べに行って相談した時がありました。そうしたら、 どんなタイミングか本当に自分でも覚えてないんだけど(笑)、「子供とかの傷付いた心を癒したい。」自然と口にしていたらしく(笑)、先輩に桃子がやりた いことそれだよー!て見つけ出してもらえた。

自分の考えをアウトプット出来る機会って大切だね。

本当に。それに向かって動くしかない!と。まずは知識がなかっので徹底的にリサーチしました。不思議と今まで何をやっても続かなかったのに、続くようになりました。やりたいことが見えた。

里村さんは他にも、インターンをしたりバイトをしたり色々活動しているけど、時間の使い方は難しくないでしょうか?

そうなんです!今まではそれで授業を捨てたりとかもしていたんですが、それじゃあもったいないなと気付いて。授業を趣味にしました。将来の役に立つものだと考えることで、授業も自分の話の引き出しを増やす時間になります。聞けば意外と面白いんです(笑)。


「大学四年間のすべての経験のために学費を払ってもらっていると思っているから、なんでも楽しまなきゃもったいない。

周りがどれだけすごいことをしていても、一人一人にいいところはあるのだから自分の人生、自分がいきたいように自分らしくいけばいい。

すべての人を受け止めてあげたい、その人の良さを認めたい。」

と素敵な笑顔でインタビューに答えてくれた里村さん。


最後に、ぜひカナエールのサイトhttp:/canayell.com/もみてもらいたい。

【インタビュアー…狩野恋那】