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夢を語れる男はかっこいい。
 
金髪にサングラス、ハリウッドチックなファッションで我々の前に現れた彼は、「人は見た目で1割も分からない」ときっぱり言い放ち、機知に富んだ例え話を盛り込みながら熱く夢を語る。その眼差し、優しい笑顔はとても眩しい。


彼の名は猪川優一さん。


中学時代はシニアリーグ(中学硬式野球)で全国3位。高校時代はドラフト候補の本格右腕。10年間野球一筋だった彼は今、大学で”学生団体”の世界に身を投じ、1年生ながら自分の夢・自分の本当にやりたいことを「想い」、「考え」、「行動」している。

そんな彼から、自分の夢や軸をなかなか見つけられず漫然と日々を過ごしてしまっている高校生・同世代に向けたメッセージを伺おうと我々は取材した。

 



野球一筋から学生団体の道へ

Lien:本日はよろしくお願いします。早速ですが、猪川さんの現在取り組んでいる活動について教えてください。

今はROLMO(※フリーペーパーやイベント、WEBを通して学生が心の底から夢中になれるキッカケを届けRole modelが溢る世界を創ることをコンセプトに活動を行っている学生団体)でフリーペーパーのライターと、ROLMO合宿のコンテンツの統括をやらせて もらっています。コンテンツ統括というのは主に、自分たちが過去の経験を振り返り、未来をどうしたいかを考える場として位置づけているROLMO合宿の、全体の流れの確認を主にやっています。

Lien:では、大学でどのようなきっかけでROLMOに加入したのですか

最初は大学に入ったら女の子と遊びまくりたいなとか思っていましたが(笑)、でも一つだけきちんとやりたいなということはありま して、高校時代に法政大学のSIGNAL(高校生に自分の将来を考えるキッカケを与える活動をしている団体。猪川さんはこちらにも所属している。)が自分 の高校でワークショップを開いて下さって、大学でこういうことが出来たら素晴らしいなと思っていました。
高校生は大学に入ってどういうことを学びたいかを明確に分かるようになるともっとイキイキするだろうし、自分たちが夢を与えることで大学入学当初に抱いていた自分のやりたいことを周りに流されずそのまま進んでくれる人が増えてくれたらそれは素晴らしいことだと思います。

ある日の心理学の授業の時、友達にそのSIGNALのことを紹介したら、ROLMOの存在を教えてくれました。高校生を対象とす るSIGNALと少し違って、大学生を対象にキッカケを与える団体があるということを聞いて魅了され、すぐに説明会に行ってROLMOに加入しました。

※ROLMOの魅力をもっと詳しく知りたい方、前代表の武田健人さんの記事はこちら
http://www.tsunagalien.com/no.80.html

Lien:大学で野球をやろうとは?

ある大学から練習参加の声をかけられたこともありましたが、高2の秋くらいから肘を痛めていて、痛み止めを飲んで投げ続けていたので、大学野球という高いレベルでプレイできるか不安でした。手術すればまた自分が思っている球を投げられるようになるかもしれないけれど、大きなブラン クが出来てしまうだろうし、だったらもう自分のやりたいことに専念しようと思いました。周りからは「もったいない」と言われましたけどね。でも僕は自分一 人では何もできず、周りの支えありきの実力だったから、自分ではあまりもったいないとは思いませんでした。

Lien:野球一筋の10年間を振り返って思うことがあれば教えてください。

当時は練習が辛すぎて野球がずっと嫌いでした(笑)

辛くて何度もやめたいと思うんだけれども、でもそこで食らいついて結果に結びついた時の嬉しさは何にも代え難かったです。
あと、負けず嫌いの性格もありました。ピッチャーっていうポジションは試合の9割を握っているのですごい責任がある。周りが「お前のために守ってやる」って いう気持ちになってくれるように、監督やコーチに止められても練習し続けていました。そのせいで倒れて救急車を呼んだこともあります(笑)

怪我のせいで自分が思っていた球を最後に投げられなかったことは少し後悔が残っていますが、最後の夏まで野球をやり通したことに関しては全く悔いを残していません。


想いだけではどうにもならない?

Lien:では大学で学生団体の道に進み、一番成長したこと・得たことを教えてください

自分には「ロジカルシンキング」(論理的に物事を考えること)が必要なんだということに気づけたことが一番の成長でした。僕は物事を論理的に考えることが究極に苦手なんですよ(笑)

今までは、ただ想いだけで行動している部分がありました。ロジカルシンキングができる先輩たちに「想いだけではどうにもならな い。何事も結果。事実がなければ人は動かない。」ということを教わって、想いを実現するには、”何をどうしたらこうなる”といったことを追求し続けること が必要だということに気づきました。ということで、まずは先輩のアドバイスを基に「図解思考」を始めています。物事を全部図解にして考える。まだ全然駆け 出しなのですが、自分の足りない部分に気づけたこと自体が一番の成長だなと思います。

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↑猪川さんのノート。図を数多く駆使し、読み返す際に理解しやすいようになっている。

趣味はゴミ拾い

Lien:今後のご自身の夢・展望を聞かせてください!

高校生の頃から、「広告代理店に就職して他者のキャリア形成を支援する」というのがずっと夢で、そのまま世界進出してBIGになる!と言っていたんですけど、今年の夏、自分の夢の軸がブレ始めてきました。

というのも、その時過去を振り返ると、自分には野球があったんです。「チームの仲間の為に何かをする時」や「自分の行動が結果に 出た時」に本当の幸せを感じていたということに気がついたんです。「誰かの為に何かを提供することで、自分も相手も幸せを感じるようなことがしたい」とい うことを自分の夢の軸として捉え直しました。

僕と関わってくれる世界中の人々みんながhappy-happyになれるような空間やイベントや商品をプロデュースしていきたい。

例えば「劇団どぶねずみ」さん(http://www.dobunezumi.jp/)ってご存知ですか?
街とかを歩いていて急に人々が一斉に立ち止まるサプライズをやったりとか、そういうことをしている団体なんですけど、僕はそれと少し違って、「日本サプライズ協会」みたいなものを立ち上げたいなと思っています。
誰 かが誰かにサプライズを成功させたら、された側もやった側もhappyになれる。でも、サプライズってみんなやりたいとは思っていてもやり方が分からない 人が多い。だから、webサイト上で誕生日や記念日などテーマ別にサプライズ案のリストを作成したりとか、協力してくれるエキストラ集団を結成させたりと か、そんなことができたら楽しいしみんなが幸せになれると思います。

他にも、僕、ゴミ拾いが趣味なんです(笑)
ゴミを1個拾うと自分にとってプラスなことが1つ来ると思っているからです。 というのも、何かをしたら何かが返ってくるっていう「鏡の法則」を野球部の先輩に教えてもらってから、何か自分が社会にとって幸せなことをした時に自分自 身にとって幸せなことも返ってくると考えるようになったんです。だから、出来ればみんなでゴミ拾いをしたい(笑)。
例えば、大勢の人を集めてタイガーマスクの覆面を被って黙々とゴミ拾いをして話題を集め、どんどん「幸せのかけら」を集めていけば、その人たちもhappyになれる。
そんな感じで、今軽く思いついた限りで色んなアイデアがあります。まだどれも全然具体的に練れていませんが。

だから先程も言ったように、まずそういうビジョンを叶えるために「ロジカルシンキング」を鍛えようと思っているんです。僕はいつ も想いばかり先行してしまうので。まずは2年間、みんなに認めてもらえるレベルに達するまで論理的思考力を高め、3年生になった時に自分の団体を持つ或い はビジネスとして提供をしたい。できることなら在学中に起業したいとも思っています。

Lien:すごいですね。この調子なら修行に2年もかからないのでは?

自分の能力や成長を評価するのは自分ではなく周りの人ですから、自分が出来たと思っても他人から見たときに出来たと思われないと それは出来たことにならない。その気持ちを忘れない方がもっと成長できると思うし、(ROLMOの)代表にも「2年は冷や飯食え」と言われています。あの人たちは本当にすごい。尊敬、憧れです。先輩達に比べるとまだまだ僕は足元にも及ばないです。

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Lien:今の高校生や同世代に伝えたいことがあれば是非お願いします

大学に何か目的をもって入ってくるのであれば、それを最後まで追い続けて欲しいです。
遊びも楽しいけど、遊びの先に何があるのだろう?とも思うし、既存のスタイルにはまってどこでもいいから就職、安定を求めるよりかは自分のスタイルを突き進んで夢に生きてずっとキラキラしていてほしい。
決 して就職を否定しているわけではないですけど、そっちの方が幸せかなと思います。本当にやりたいことが別にあるのに、他のみんながやっているから就活しな きゃ、安定しなきゃと思っている世界と、俺はこういうことがやりたいからこういう会社に就職したい!就活しない!旅に出る!とか思っている世界。極端に言 えば黒い世界と白い世界。どっちが良いかと問えばやっぱり白い世界という答えが返ってくるんです。
遊んでいる世界も白い世界の一部かもしれない。けれども履き違えて後になって本当はこういうことがやりたかったのにと悔やんでほしくない。

誰しも「自分のやりたいこと」は絶対存在する

Lien:では、自分の本当にやりたいことが無い・見つからない・諦めているという人はどうすればよいでしょうか。

究極、みんな「やりたいこと」って心の底には必ずあると思うんです。絶対ある。

例えば「ウマイ飯食いたい」とか「彼女欲しい」とかもやりたいことに入るし、だったらそれを追っかけて欲しい。追っかけた先には必ず何かが待っていると思う。

また、「美味しい飯食いたい」と思ってお店に入って「やばい!またこの店に来よう」と思って行動していくうちに、「これを作りた い」「こういう雰囲気のお店を出したい」って思う人が出てくるかもしれない。そういうのが全部夢に繋がらなくても、何か行動をすることで自分を知ることが できる。自分を知ることができれば、自分に軸が生まれて、どういうことがやりたいか選択をするときに自ずと進む道を選べる。チャンスも逃さないようにな る。出来るか出来ないかじゃなくて、やるかやらないかだと思います。

まずは自分の本当にやりたいことって何なんだろうって真剣に向き合うことかな。やりたいことはあるけど恥ずかしいって思うのであ れば、それは本当にやりたいことじゃないかもしれないし、やりたいことかもしれない。やりたいことだったらとことん突き詰めてほしい。向き合った先には 「よし、やろう」という気持ちが必ず待っていると思います。

あとはやっぱり、その道を極めている人を知ることです。自分が望む道を先に進んでいった人たちは、その夢に向かう行動や成長の仕方を把握していると思うし、その人の実績を見れば、「自分はああなりたい」という可能性や悔しさを感じることができます。

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他にも様々な話を熱く面白く語って下さった猪川さん。「毎日が勉強」と口に出すその飽くなき向上心に我々も勉強になりました。

高校生・同世代の皆さん、

あなたの本当にやりたいことって何ですか?

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【文・写真…吉田健一】